Half-Life: USS DARKSTAR – MModで(15)

Valveの目に留まりドリームキャストにも移植されたシングルキャンペーンMod「USS DARKSTAR」がSteamにて公開されたHalf-Life: MModに付いてきたので難易度Mediumにて一周。Opposing ForceやBlue Shiftに比べると、Half-Lifeの拡張パックというより当時流行っていたB級シューターに近く、本編が気に入っているプレイヤーほど違和感を覚えるかもしれない。進行ルートもあまり直感的ではなく、来た道をまた戻るといった場面が多く、個性の範囲内ではあるものの不満を感じた。よほどの物好きではなけばスルーしてもいいと思う。


◆B級シューターとして割り切って考えれば、豊富な弾薬で敵をガンガン倒してそれなりに楽しめる。特にショットガンは本編Half-Lifeとは違い、節約を意識することもなく使ってくれと言わんばかりの意思を感じる

Quake II 64 – Enhanced Edition(30)

Steam版Quake2の大型アップデートにより追加されたN64版Quake2を難易度Medium(2/4)にて一周。PC版Quake2のHub方式とは違い、ステージクリア型なので余計なことを考えずとも、ゴールに向かっていけばOK。良いか悪いかはさておき、一ステージも短くなっており、さくさくとテンポよくゲームが進む。

遠距離戦が減っており、中距離や近距離で戦う場面が増えているといった変化はあるが、違和感は少なくPC版のプレイヤーでも馴染みやすいと思う。全体を通して素直な作りでストレスも少なく遊びやすい。大型アップデート後に始めたプレイヤーでQuake2本編をクリアしてもなお「もう少しプレイしたい」といった欲求を持っていたら、本作の方がイジワル気味な公式拡張パック『The Reckoning』『Ground Zero』よりも上手い具合に答えてくれるだろう。

Star Wars: Squadrons – 悪い酔いばかりじゃない(4)

やはり本作の目玉はVRモードだろう。首を回してX-WINGコックピット左右の窓を覗き込むと、宇宙空間を敵の巨大な艦隊がグワーっと飛んでいる様子が目に入り、迫力を伴った没入感を覚える。ディスプレイ越しでは見られない角度の映像には高い価値があると言えよう。気分はルーク・スカイウォーカーだ。ただ、かなり酔いやすい点には注意。三半規管には多少の自信がある私も360度移動とミサイルのロックオン回避行動を連続で行うと、さすがにリアルなダメージを負う。新しいテクノロジーと馴染みのないパイロットとしての疑似体験に付いてきた酔いもマイナスだけでない重要な経験として受け止めたい、と酸っぱい胃液と共に思った。

先ほど目玉と書いたもののミッション4からはVRを切ってプレイ。難易度もパイロット(2/4)からストーリーモード(1/4)へ落とした。本作のジャンルはスペース・フライトシミュレーターということだが、まず機体を安定させるのが難しく、慣れていないと戦闘どころではない。ジャンルの経験者でなければ、最初からはまず遊べないだろう。ゲーム部分だけを考えると、向上心が少なく軽く映画を見ただけの私のようなプレイヤーは、BattlefrontやJedi Knight シリーズのようなアクションゲームでライトセーバーをブオンブオン振り回している方が幸せかもしれない。現実でも乗り物の適正差があるように、向き不向きが大きいゲームのように思う。VR機器を持っていて、軽く触るだけというのならばかなりお勧めできるが。


◆VRモードは誰もが価値を認めるだろう。マルチプレイが前面に押し出されたゲームではあるが、シングルキャンペーンも悪くない内容だ


◆難易度ストーリーモードは受けるダメージよりも機体の回復量の方が大きいため、滅多なことが無ければ死なない。それが面白いのかと聞かれると困ってしまうが、難易度パイロットの上手くいかなさを考えると…だ。もう少し敵機の命中率を下げてくれたらイライラせずに頑張れた気もする

Quake 2: Call of the Machine – ガンガンいこうぜ(29)

先日Steam版Quake2の大型アップデートで追加されたエピソードCall of the Machineを難易度Medium(2/4)で一周。制作はWolfenstein: The New Orderで有名になったMachine Games。彼らの仕事は20年ぶりに公式EpisodeとしてQuake1へ追加されたDimension of the Pastの印象から、あまり良いものではなかった。たっぷりの弾薬と露骨に置かれたドラム缶とQuad Damageから、さぁ撃ちまくれ!と言わんばかりの下品さを感じたからだ。公式Episodeを謳っていいものか疑問。

しかしこのCall of the MachineはQuake2の過剰な武器性能と彼らの才覚が嚙み合って、愉快なゲームに仕上がっていた。武器と弾薬と回復薬が多く配置されており、その分だけ敵の数も相応に増えている。体感ではQuake2の3倍は超えていよう。弾薬はまず枯渇しないため、安心感をもって強い武器をガンガン使える。特にChain Gunは意図的に使用機会が増やされているようで、ストログ達をゴリゴリと溶かしていくと活躍の少なかったこれまでのQuake2の補完的意味もあり、良かった。お祭り感やスピード感を重視して気軽にインフレさせた印象を受けるが、相応にバランスが取れており楽しい時間を過ごせた。


◆なんでもいいから撃ちまくれ!弾切れはねぇ!!


◆Rail Gunによる田楽刺し。5.6体を巻き込む構造は意外と今まで無かったように思う

Half-Life: Alyx – 偏屈なファン(14)

久しぶりに出たシリーズ最新作として世界観は100点に近いだろう。ファンであれば満足できるに違いない。特徴的なのは序盤に遭遇するStrider、大きな足音を立てて近づいてくる奴はHL2の時とは違う巨大に見合った迫力を感じる。わざわざVR機器を装着して遊んでいる価値をすぐさま感じ取れるだろう。掴みがうまい。VRゲームとしても恐らく優秀だと思う。グラビティグローブを始めとした”VRならでは”の要素も上手に盛り込めているし、もともとテストプレイを重ねているValveらしい丁寧な仕事ぶりを全体から感じとれる。

気になるのはプレイ時間の1/3がアイテム探しになったところか。一番欲しいのは弾薬なのだが、どうも所持弾薬が少ないときに出現率が高くなるようで、安心できない程度に少し余る程度だとドロップが渋く、常に息苦しくなる状態となる。始めは弾薬のついでに合成樹脂も探していた形だったが、武器アップグレードの効果が高いことに気が付き、いつの間にかコチラがメインにすり替わっていった。とはいえ、探索というのは如何せん作業感が強い。自ら選択して集めてはいるものの、どうにも仕向けられていた感は拭えず、多少のストレスを感じながら最後までアイテムを探し集め続けた。もう少し気楽に前だけを向いて進んでいった方がゲームを楽しめた気がする。

射撃より物投げ

嫌悪感というほど強くはないが、VR上で人型の敵を撃ち殺すのは想像以上に生々しい行為だった。ディスプレイ越しとは違い、軽いやっちまった感がある。初めてFPSを遊んだ時を思い返してみると、慣れによるところも大きいとは思うが今後のVRゲームにおいて積極的にシューターを選ぶ気持ちは減っている。その代わりと言ってはなんだが、手榴弾や石など物を投げる行為全般は楽しめている。目に映っている物をひょいと掴んでぽいっと投げてみると、力の入れ具合に応じて放物線を描きながら落ちていく様は、まさに仮想空間といった感じで感動している。次点で弓やスリングショット(The Lab)なども好意的に受け止めている。


◆ガタイの良いコンバインには迫力がある。銃口を突きつけられるのも現実ではないと分かっていても強い恐怖を感じて、思わず即座に手を上げてしまった


◆レーザーサイトの装着改造により可哀そうなAimが劇的に改善された。序盤でこれを付けていればと少し後悔。レーザーサイトの恩恵をほとんど感じたことが無かったため頭を働かせず後回しにしてしまったのだ。冷静に思い返せば同社のLeft 4 Deadでも非常に強かったような