The Punisher – 初の国内移植らしい

先日対戦目的に購入したMARVEL vs. CAPCOM Fighting Collection: Arcade Classicsにくっついてきた本作。このベルトスクロールアクションについてまったく知らなかったわけだが、公式サイトによるとCapcomがMARVELコミックを初めてゲーム化したという繋がりで収録されたようだ。何はともあれ、せっかく手元にあるのだから少しは触っていこうと思い、デフォルト難易度(4/8)で一周。

このジャンルには疎いので大したことは言えないが、1993年稼働ということで随分ノウハウが蓄積されているように感じた。滑らかに動くグラフィックと多数の壊せるオブジェクトにはプレイヤーを喜ばせたいという気持ちが出ている。銃を持った相手と対峙する時は何故か急に主人公パニッシャーも銃を持ち出し、応戦し始めるのが印象的。攻撃ボタンをポチポチ押しいるだけで撃ち負けることはなく、強いヒーローといった風で容赦のないセリフからはダークなヒーロー像が浮かび上がる。このように強めに調整されているからか、他のベルトスクロールよりも不愉快さが少ない。終盤までは「初見に厳しい」といった要素も見当たらず、遊びやすいゲームだ。思ったよりも楽しめた。


◆今回は14回コインを入れてクリア。1400円のマネーパワーとも言える。1コインは流石にかなりの練習が必要であろうが、10コイン、5コインクリアを目標にゆるくして遊ぶと良さそうだ


◆このジャンルのゲームを考えるとき、比較対象が後発のAvP(1994)になっているのが良くない癖かもしれない。あのゲームは著作権問題以外、あまりに隙の無い優秀な出来だからだ

Dead Island: Riptide Definitive Edition – ホワタァ!

ナックル系の武器が得意なジョンを選択しソロで一周。イベントは全てスキップしたため、全く物語を理解してないが、どうせどうでもいい御使いに変わりなかろう。世間的には同開発のDying Lightの方が評価されているようだが、サバイバル色が強く肌に合わなかったため、こちらの方がクリアまでの意欲が湧いてきた。

本作の魅力はやはり目の前に向かってくるゾンビをひたすらに殴り飛ばせばいいという単純さだ。個人的にはファイナルファイトやストリートファイターの地上戦をやっている気分で、ゾンビとの間合いを図りながら余分な被ダメを抑える攻防はなかなか味があって好み。後半には銃が存分に撃てるようになっているはずなので、近接に飽きはじめる頃に切り替えられるようになっており程よくバランスが取れているように思う。ファストトラベル周りが不便、来た道を戻る展開多すぎといった、気になる箇所はあるが、敵をぶん殴りたいだけ!といったシンプルなゲームを求めるプレイヤーには未だに選択肢の一つとなるだろう。


◆慣れてくるとゾンビがあまり強くないことに気が付く。途中からはスキルも武器改造も適当になってくるが、それでいいのだ。難しいゲームは他に任せておけ


◆サブクエストを全部無視する分、ロックピックのスキルを3まで上げてレアアイテムを補完する作戦。耐久値の高い相手にはやはり最低限の属性武器は持っておきたいところ

Mafia: Definitive Edition – 平成のゲームかな(3)

プレイヤーの判断に任されてはいるが、車の運転をスキップできるようになり、アクションアドヴェンチャーからミッションクリア型のTPSにジャンルが変わったように思う。当然スキップしないことも可能ではあるのだが、現代人の可処分時間はどんどん減っており、巨大な街をミッション毎に法定速度を守りながらダラダラと運転するプレイヤーは少ないだろう。遊ぶ側だけの話でなく、作る側売る側としてもスキップ機能を導入した判断は正しい。

運転のスキップ導入は限りなく正しいのだが、ゲームへの没入感は大きく減ってしまったようにも思う。迫力あるボスやいかつい同僚を乗せながら長い時間ハンドルを握っていると、マフィアの一員として活動している感覚を強く感じられる。ここがビデオゲームが映画と違うところで、”そこのいる感覚”は大事な要素だ。ところがスキップを繰り返すと、目的地で銃撃戦を繰り返すだけになってしまう、合間に挟まれる演出が上手なだけのよくあるシューターへと格が下がる。没入感が削がれれば、目の前に起こっていることに重さを感じにくいのだ(=映画でいいよね)。しかしながら、クリアまで20時間以上かかる難しめの無印をやれ、ともスキップを行わずにDefinitive Editionをやれ、というのも負荷が高すぎて私にはとても言えない。繰り返しになるが本作は無駄とも思える部分が非常に重要だと感じているので、やはり余裕ある時間を作りやすかった平成時代のゲームだったのかなと思う。


◆禁酒法のミッションが一番好き。物語的にもターニングポイントとなっている


◆タクシードライバーとして堅気な生活していた主人公のトミーだが、もともとマフィアとしての気質は十分にあったようにも思う

Crash Bandicoot N. Sane Trilogy – 奥行きの評価次第

クラッシュバンディクーの1から3がセットになったクラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!(Crash Bandicoot N. Sane Trilogy)がGamePassにやってきたので軽く一周だけやってみた。興味はあったが、触れたことは無く名前だけ知っているというレベルだ。お子様向けかと思っていたが、難易度的にはやや高めだ。ゲームは多少難しいほうが楽しいだろ?という思想を感じる。

本作の評価は奥行きをどう捕らえるかによるだろう。3Dアクションゲームの模索期に出てきた独特なカメラワークに対して、新鮮だと気に入れば高評価となり、厄介で面倒だと感じてしまえば心象は悪くなる。万人に好かれるゲームではないが、近頃ではあまり見られないタイプのゲームなので気になったら触れてみるといいだろう。


◆「きりのつりばし」・・・進行が奥方向になっている高難易度マップ。システム的に3Dを2Dに落とし込んでいるため、そもそもプレイヤーは空間把握とキャラ操作にズレが生じやすいわけだが、些細なミスで即死するのがこのマップだ。カメラワークを利用した意地悪にしか思えず、2Dだったらこんなに苦労せんやろと、ゲームの根幹に突っ込みを入れるようなプレイヤーは楽しみにくい。ほぼ似た構成の「カメカメジャンプ」も同様


◆ネットで検索をかけると「きりのつりばし」とセットで名前が挙がる「あらしのこじょう」。こちらは難しいだけでなく、骨太なアクションゲームとして楽しめた。その他、名前を出していないステージはどれも適度な難しさで面白かった。この8割の楽しかったプラスの記憶が、「きりのつりばし」「カメカメジャンプ」の二つによって大きくマイナスに塗りつぶされていったため、クリア後は70点台のゲームだなと心が判断してしまっている

Ghostwire: Tokyo – 大人にはわからんさ

昨年遊んだHi-Fi RUSHと同じ開発元という一点の繋がりのみでプレイ開始。結論から言えば探索及びサイドミッションが楽しいオープンワールドなゲームだった。メインストーリーはさておき、それ以外は渋谷の街を舞台に怪奇現象や妖怪を相手にするといった、特定のプレイヤーが歓喜するような作りとなっている。空を見上げれば天狗や一反木綿が飛んでいたり、人通りの少なそうな場所には塗壁や河童が当たり前のように居る空間だ。

そういった科学の力ではどうしようもできない奇怪な輩をなんとかする戦闘面も、印を結んだり、御札を投げたりとサービス満点。やや単調さはあるが、そういったノリが好きならば間違いなく楽しめるだろう。繰り返しになるが世界観にあった街づくりが非常に上手で、ビルの間や民家の屋根を飛び回り人々の魂を救済しながら(経験値稼ぎ)、都市伝説や昭和感あふれる小物を収集したりと、うろうろするのが楽しかった。プレイヤーの強化ではなく、興味が導火線になっている点で優れたオープンワールドだと判断している。般若が描かれたメインビジュアルから受ける印象とはかなり違っていて、ホラー色よりも懐かしい感じが強いので、般若に引きずられず興味あれば触ってみるといいだろう。


◆何かを浄化したり封印するときにはプレイヤー自身がマウス操作で印を結び、大げさな手の動作とやりすぎな視覚効果で場を盛り上げてくれる


◆全人類が憧れる動く人体模型に追われるというシチュエーション。タイミングよく訪れる稲光によって模型の無機質な表情にプレイヤーの視線が誘導される煽り付き