Wolfenstein – 難易度Hardで二周目(3)

先日遊んだEnemy Frontという第二次世界大戦を舞台にしたFPSがシューターとしてあまりにもひどかったので、口直しの意味で同じ第二次世界大戦もののWolfensteinをプレイしてみた。一周目のプレイではまぁまぁの出来だった記憶があるが、今回やり直してみても、やはりまぁまぁの出来であった。ただ、このまぁまぁというのは全体を見た場合であって、戦闘部分に関しては撃った感触がとても良く、強いゴア要素が爽快さを出してくれるし、燃えた敵のリアクションも苦しそうで、高所の手すり近くで殺せばわざとらしく落ちてくれるのもベタでいい味が出ている。

本作の優れているところは今言った戦闘と、それに関連する武器改造、そして武器改造するための資金を稼ぐシークレット探しの計三つである。この三つは実にうまく組み合わさっており、武器屋に通い少しづつ武器を強化していくのはとてもウキウキするし、よく出来ていると言っていい。ただ、惜しむべきはプレイヤーが強くなりすぎてしまう点にあり、中盤にはもうこちらが手加減をしないとゲームが物足りなくなってしまうのだ。せっかく用意した面白い強化要素も、それ相応に強い敵を用意しなければ使い道がなく発揮、堪能できないので、どうしても「まぁまぁ」といった印象になってしまう。

  • 雑魚敵が柔らかいことにRavenはわかってるなぁと感じる
  • ナビゲーションが親切で、立体的なMAPをうまく案内してくれる
  • 下位武器が使いやすく強い上に弾薬豊富という意味で上位武器の扱い方に困る
  • グレネードの投げ返しが熱い。投げ返して敵を倒した時のゴア表現が派手なのも気持ち良く、多少無理しても投げ返したくなる
  • 走る際に頭が揺れすぎて気持ち悪い(Head Bob)。対処には頭揺れの数値を調整する方法と、単純に切る方法がある
  • ミッションを終えて街に戻る度に、ドイツ兵と繰り返し戦闘するのがやや面倒。武器商人が街にしかいないというならば、まだ話がわかるのだが、結構な頻度で出張してくれてミッション先で武器改造ができてしまうので、なんだかなぁといった感じ

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◆近距離特化のTesla Gun。武器自体は面白く強力なものになっているが、MAP構造と弾薬購入にまわすお金が捻出しにくいことから、使いどころが限られる

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◆射程の長い火炎放射器。FPS界隈では珍しいほどに使い勝手がよく、室内ではモヒカン気分で炎を撒ける。研究者や捕虜などの非戦闘員までもを燃やせるのが、なかなか背徳的

Painkiller: Battle out of Hell – 難易度Nightmareで二周目(7)

本編のついでに本拡張パックもクリアしてみたのだが、楽しい要素が増えた反面ストレスも増加したので、なんだかよくわからないゲームになった印象。楽しくなっているという部分はもちろん新たに追加されたBoltgun-HeaterとSMG-Flamethrowerの二つの強力な武器のことだ。どちらの武器も破壊力と使い勝手が優れているので、単純に爽快感があり、高い精度を活かした遠距離戦もこなすことができる。ただ、この二つの武器の追加で遠距離戦闘が可能になった分だけ、敵側もかなり遠い位置から攻撃してくるようになったのがどうも好きになれない。というのも、本編の遠距離戦闘はStake Gunによる偏差撃ちというPainkillerらしさが大いに出ていたのに対し、BooHでは驚くほどまっすぐに弾を飛ばせるBoltgunとSMGのせいで目標をセンターに入れてスイッチを押すだけになってしまっているのだ。近距離の戦闘は武器が増えた(火力が上がった)分だけ面白みが増したが、遠距離は味気なくなった。また、遠くから撃ってくる敵の影響が少ないのであれば接近戦をしつつも武器を切り替えて遠距離の敵にも対応ができるスピード感のあるアクションシューティングになったのだろうが、現状では遠くから撃ってくる敵の攻撃が無視できないほどに痛く、当たった際に視界が大きくブレるうえ、ドラム缶や自動車などを爆発させてしまい即死の可能性も出てくるため、ちまちまと遠距離の敵を削っていく展開になりがち。

正直、武器が増えたのを帳消しにするほどに、意図しない爆死や避けられないダメージを補うために適当配置されたメガヘルスやボスの倒し方がわかりにすぎることなどプレイヤーへの負荷(楽しませるためのストレス要素)が高すぎる。今にして思えば、近年発売され酷評されているResurrection、Redemption、Recurring EvilのRe三部作と同等か、むしろ本編から凝った要素が増えていない分だけ前述したファンメイド作品の方が素直に楽しめるような気さえしてくる。

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◆Battle out of Hellと言えば、やはりステージ2の悪趣味な遊園地(Loony Park)だろう。不気味な人形やピエロが敵として登場し、最後のジェットコースターに乗せられる強制戦闘は一度プレイしたら忘れられないほどの衝撃だ。だが、このステージに力を入れすぎたためか、はたまた本編から半年後に発売という短い製作期間が影響しているのかは不明だが、他のステージが薄暗く地味な配色ばかりでどうも印象に残らない

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◆新武器の火炎放射は高威力で頼れるものの、敵のリアクションが薄い。もう少し苦しそうに呻いてくれると嬉しいのだが

Battlefield 4 – どこか安っぽいキャンペーン(13)

BF3のキャンペーンが意外にも楽しめたので、続くBF4のキャンペーンも難易度Normalでやってみたのだが、敵を倒すごとにScoreが加算されることに驚いた。この大きな変化がどうもFEAR3と重なって見えてしまったため、微妙な印象でのスタートとなったが、ヘッドショットにもささやかなボーナスが付くことから、シューターとしてなかなか遊べるんじゃないかなと思えた。…のだが、すぐさま爆発物でマルチキルを狙ったほうが楽に点数が稼げることに気が付き、FEAR3というよりもBulletstormに近いお馬鹿ゲームなんだなと理解した。このKillとScoreを結びつけたシステムをシングルにまで持ってきたのは、本命であるマルチ対戦との境界線を薄くする意味では成功しているかもしれないが、どうもFPSというよりもガンシューティングに近くなってしまっているので、ド派手な爆破や崩壊シーンを目にしても人事のようにしか感じず(一人称視点特有の没入感が欠如)、大変なグラフィック技術を使っている割に安っぽく見える。満足感はBF3の方が遥かに高かった。

  • 初心者にスポットを学ばせるゲームデザインはGood
  • ビルやダムの破壊シーンは特に素晴らしく、Frostbite 3ならではの凄さを感じられる
  • 階段やハシゴの昇り降りに他のゲームでは見慣れぬ新しい視点や動作が加えられていたので、DICEがMirror’s Edge 2のことを忘れていないようで一安心
  • 三つのマルチエンディングを見るため(武器のアンロックに関係)に最後のステージを3回プレイする必要があるのだが、エンディング後に再度ステージをロードしたらフリーズ。これを偶然起きたフリーズだと考え、二度目のエンディング後にも再度ステージをロードしてみたのだが、やはりフリーズしてしまった

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Russian Overkill – 数値を弄ってもこうはならんぞ(27)

超強力な武器とアイテムを追加するMod「Russian Overkill」をDOOM2本編にて難易度A struggle for freedom(敵Health6倍のUltra-Violence相当)でクリア。その超強力な武器がどれほど超強力なのかと言うと、初期ピストル(武器スロット2)でさえArch Vileまで余裕で対処できるほどで、その次に強いショットガン(武器スロット3)でも持てば、前述したピストルの5倍の速度で敵を粉砕できるだろう。その上、ヘルスとアーマーの上限が取っ払われているので(HUDを見る限り8か9桁まである)、ゲーム後半にはヘルスが50000、アーマーが30000までに増えてしまうのである。圧倒的な火力と崩れない体力を持てるこのModはまさに”やり過ぎ”と言えるだろう。

では、そんなやり過ぎな本Modが楽しいのかと問われると…実に楽しく愉快で爽快で安らぐのだ。そもそも”ゲームバランスが悪い”ということは、ある特定の突き抜けた要素がゲームの根幹部分を揺るがしている、あるいは破壊している状態を指しているだけであって、その状態が必ずしもつまらないとは言えないのである。むしろ、常識的な範囲でバランスが壊れている(変な言葉だが)ほどつまらないように感じ、プレイヤーの常識や想定をはるか上いくようなぶっ飛んだ作りにまでなってくると、不思議とバカバカしく思え、頭ではなく腹の底から楽しくなってくるのではないだろうか。…と、ここまで言っておいてなんなのだが、このModを楽しめるというのは、良い歳をして蟻を踏みつけて喜んだり、Postal 2 AWPやFallout 3でMini-Nuke Launcherを一般人に撃ちこんでニヤニヤしたり、近年のゲームの武器バランスが整いすぎていることに不満を持っていたり、ジョーク的高難易度WADを攻略したいといった、かなり特殊な人間だけなんじゃないかとも思う。

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Enemy Front – 大後退

言い切ってしまうが、本作はステルス要素がお粗末な上にシューターとしても劣悪でCryEngine 3を使っている割にはグラフィックが汚らしいといった具合の見どころがほとんど無い駄作だ。このところSniper Ghost Warrior 2やAlien Rageと立て続けに良作を出してくるCity Interactiveに、ファンとしてはどうしても大きな期待してしまうものだが、今回の悲劇的な退化を見てしまうと単純な失敗どころではなく、もはや裏切りとさえ言えるだろう。彼らに向かって、いつまでも他社のゲームエンジンを使ったバリューFPSを作ってろとは言わないが、かといってすぐにでも近年の複雑なゲームが作れるとは思えないので、一芸に特化したタイトルで少しづつ力をつけていって欲しいところ。

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◆最悪の視野性。敵の姿が見えるだろうか

ステルスと戦闘の両方がイケてない

まずステルスの問題点だが、敵から遠い場所をステルスメーターを見ながらしゃがんで歩くだけというゲーム性皆無な点にある。そして道を塞いでいる敵を消音武器で倒すというだけのお決まりのルーチンワーク。このように書くと普通のステルスゲームのように聞こえるが、City Interactive製のAIがとても原始的であるのを忘れてはいけない。というか、そもそも主人公の戦闘能力が従軍記者のわりに高すぎるため、ステルスする必要性をまったく感じない。ここまでならば、よくあるダメステルスゲーということで許せる範囲なのだが、さすがにCity Interactiveは格が違った。なんと、弾薬回復箱がこれでもかというほどそこら中に配置してあるのだ。はっきり言って、体力の自動回復と弾薬を無限に与えておきながら退屈なだけのステルスアクションをしろという方が無理だ。頻繁に設置されている弾薬回復箱を見るたびにステルスに挑戦する意欲が削られていく。さらに言えばプレイヤーが完全にステルスを成功させたとしても、イベントで強制的にドンパチをし始める機会が多すぎて、ステルスする必要性を心の底から感じない。

では戦闘の方はどうかというと、極端に視野性が悪いことが挙げられる。野外での戦闘は特にそうだが、景色と敵の判別がとてもつきにくい。開発している段階で何故誰も止めなかったのが、不思議なぐらいに敵を見つけにくいのだ。また、個人的な事を言えば敵の反応速度も、視野性の悪さを考慮されていないほどに速く、腹立たしい。前述した通り敵を探すだけでもイライラしているのに、敵を発見した後の直接対決になった際にほぼ確実に先制ダメージを食らうのがとてもウザったい。もう少し詳しく書くと、これは機械丸出しの鬼反応速度ではなく、中高生とマルチ対戦しているような常識的な範囲での速い反応速度だということだ。シングルで遊んでいるはずなのに何故か人間と真剣勝負をしているような感覚に襲われるので、本当に疲れる(一応言っておくが中高生に罪はない)。加えてダメージを食らう度に派手な赤エフェクトがチカチカと目に飛び込んでくるのが破壊的なまでに神経に触る。もちろん敵が無警戒状態であるならばそれほど面倒な戦闘にはならないのだが、ステルス放棄のペナルティとしてこのような戦闘システムを用意したというのならば、現状ではプレイヤーがペナルティを甘んじて受けられるほどの作りこみがされていないので、もう少しステルス面をうまく作るか、シューター部分をいつも通りのゆるめに戻してくれたほうがCity Interactiveのファンとしては嬉しい。最後に良かった点を述べておくと、ローディング画面の格好良さとBullet Camを含めた狙撃システムの二つになるが、後者はSniper Ghost Warrior 2の流用だからつまり…。

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◆やっぱりWW2の武器は最高だな!なんて思っていたのは最初の1時間だけ。全体的に武器の威力が低く(敵が硬いわけではない)、当てた感触も悪く、敵のひるみも少なく、命中精度による差別化もほとんどされていないので、シューター目的でこのゲームを選択する価値は無いと言い切れる

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◆壁に向かって必死で援護射撃してくれる味方NPC。あまりのありがたさに涙が出てくる