Quake: Underdark Overbright – 公式配信の価値(26)

Besethda公式アドオンとして配布されたUnderdark Overbrightを難易度Normalで一周。一つクリアしても自然ともう一マップ遊ぼうかなと思えるような出来で、最初から最後まで楽しめた。良マップ集だ。心細くなるような不気味なBGMにより雰囲気も良いため、かなりお薦めできる。強力な敵の多いQuakeでは距離や高さをいじるだけで容易に難易度を上げられるため、このようなカスタムマップでは異様な難しさとなることもあるが、さすが本アドオンはコミュニティとBesethdaに認められたこともあり、安心して楽しめる出来となっている。


Steam版の新クライアントだとメニューのadd-onsの項目から選ぶだけで手間をかけずに遊ぶことができる。パッケージ版やその他クライアントでは手動での導入が必要


◆初見殺しがない点も心証が良い。みんな大嫌いなSpawnも極力ストレスがかからないように出現させていて上手だなと感じた。近頃はこういう面倒な敵でも多少は出した方がいいんじゃないかと考えが変わってきた

Assassin’s Creed – 優れたカメラワーク

「飽きたら辞める」恐らくこういう考えをもって触れば本作は感触が悪くないように思う。クリア自体は難しくないのだが、同じ行動を繰り返しがちで単調なゲームなので、最後まで遊ぶとなると中世中東の景色に興味があったり、アサシンとして隠密行動するといったロールプレイが好きであるなど、楽しめるかどうかが人に左右されやすいだろう。中盤以降は強制戦闘も増え、ステルス色が薄まっていくのも目立たぬようフードを被った外見の主人公からは想像がつきにくい展開だ。パルクール要素もアシストが強くプレイヤーが自分で動かして感覚は少なめ、オープンワールドに拘りがなければ特化したMirror’s Edgeの方が遊べる。


◆カメラワークは抜群によく出来ており、楽しそうなゲームに見せることに大成功している


◆直接戦闘が多いこと自体はやや不満といったところに留まっているが、どうも相手の攻撃にカウンターを狙っていく行動以外に有効な手段がないようなのだ。そういうわけで戦闘=カウンター行動の繰り返しばかりになり、あまり面白いように感じなかった。前述したとおりカメラワークだけは良いので視覚的な褒美は最低限存在する

Powerslave – 見かけによらず

エジプトに巣食う異星人を倒していくアクションFPS。GOG版PowerslavePCExhumedというソースポートで動かしクリアまで。遺跡中心の各ステージではスイッチを押すごとにダイナミックに岩が動き、進行ルートが現れることが多い。インディージョーンズやTomb Raiderといった冒険的雰囲気が強く、単純にゲームの進めているだけでも楽しい気分になる。戦闘、謎解き、アイテムの適宜使用、一人称視点+ジャンプアクション多め、など難しめな要素が多いが、それに見合うようにレベルデザインも良く、BuildEngineのゲームが好きであれば、なかなかお勧めできる。


◆Aimの補正が強いため高低差や距離があっても、ほぼ当たるものと考えてよい。Aimそのものよりも武器の切り替えや弾薬管理、自爆ダメージの距離計算が大事


松本智津夫空中浮遊している謎のおっさんに触れると残機が増える。シークレット扱いなので、時間をかけてでも取っておくと安心できる

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Street Fighter – 必殺技が出せるだけで嬉しい

いつかは遊びたいと思っていたところ、本作が収録されたStreet Fighter 30th Anniversary CollectionがSteamでセール販売されていたため、クリアまでやってみた。予備知識なしで始めてみると、攻撃が遅すぎるだとか、ガードが役に立たないだとか、敵の接近が止められないだとか。とにかく難しい、理不尽といった印象を受ける。頭の中が後継作のスト2基準になっていると、あまりの粗削りさに驚くばかりだ。

恐らくゲーム中盤に差しかかると、誇張なし3秒で体力が溶かされることが増えていくため、通常のプレイではクリアできる気配を感じられなくなるはずだ。そういう時にこそ、やはり必殺技の出番となるわけだが、ほとんどのプレイヤーはスタートボタンからコマンドリストを参照しても、まぐれで出せるくらいで安定して出せないように思う。試行錯誤しても良いが、ストレスを回避したいのであれば「初代ストリートファイター 必殺技 コツ」といったように現代のテクノロジーを駆使しても良いだろう。自由に波動拳と昇竜拳が出せるようになればクリアは目前だ。


オリジナル筐体の気圧式ボタンによる対人戦であればなかなか楽しめそうであるが、基本的にCPU相手のアーケードモードは現在の視点からは面白いとは思えない。一度クリアすれば十分満足してしまう


◆必殺技が出せるだけで嬉しいという気持ちをXX年ぶりに味わえた。やはりコマンド入力の成功により強力で特別な行動が起こせるというのは、上手な言語化はできないが、自転車に乗れるようになった、かけ算ができるようになったといった、人に自慢するほどではないが、自分の世界が広がるスキルといった感覚がある

Hellbound – 前へ出よ

難易度Normal(2/4)の後にOld School(3/4)で計二周プレイ。90年代のFPSから影響を受けたという触れ込みだが、実際のゲームで言えばPainkiller(2004)が最も近いだろう。そのPKよりも速い移動速度と銃の発射速度は本作の最も優れている点であり、相応のAim力があれば、ガンガン前に進めることができ、かなりの高揚感を感じられる。恐らく本作の楽しい遊び方はこのスピード感を生かしたタイムアタックであり、シークレット探しの方面ではないだろう。

しかしながら、冷たく言ってしまうとフォロワーの域を脱しておらず(出る気も無かった?)、マップはあまり面白いように思えない。凝った仕掛けもなく、驚きはほとんどないだろう。二時間ほどで終わるボリュームはむしろ潔いくらいで、見切りをつける層と物好きな層を分ける意味でも良かったように思う。安価であるとか、この手のゲームが好きで堪らないというのであれば一周は悪くない選択肢だ。