Chaser – 火星の危機なのだ

巨大なマップが特徴と噂のChaserを難易度初級(1/3)で一周。その実ほぼ一本道であり、進行が阻害される透明な壁も多めに設置されているため、迷うことは少なめ。似た地形が多いため、脳内マッピングよりも気付きや間違え探し能力の方が求められる。前半は中規模のマップを迷路のようにぐるぐると歩き回ることが多く、後半はだだっ広いマップを平面的に攻略するように変わる。同じ「1マップ40分」でも印象はDOOM3からUnreal 2ほど違う(もっと良い比較対象を思いついたら修正)。

前半は偏屈な人間が作った面倒なだけといった印象だったが、後半は不思議と火星の巨大さを肌で感じられて趣があるゲーに思えた。このような前向きな気持ちを最後まで保てたのは、難易度を下げたからだろう。我ながら良い判断だった。さくさくと敵を倒せるためテンポよくアクションシューターとして気持ちよく遊べた。もしもNormal以上を選んでいたら、スローモーとクイックロードを多用するはめになったので、高難易度かつ結構なボリュームの本作では冷静に進行できなかったと思われる。東欧ゲームの難易度が自分に合っているかはしっかりと答えを出しておいたほうがゲーマーとしてのQoLは高くなるのではないだろうか。


◆道が分かりにくい、撃ちあいが厳しい、敵の配置がイヤらしい、など多くの不満点を見かけるが、とりあえず難易度を下げることをお勧めしたい。戦闘時の負荷が減れば、2003年当時としてゲーム的なライティングが綺麗なこと、マップの異様な作り込み、シームレスでロードが少ないことなど美点が見える。あれ?グラフィック関係だけ・・・??


◆今回はコメントで教えてもらったDSOAL – True 3D Sound for Headphones (HRTF mod)のテストも兼ねていた。少し前までCreativeサウンドカード(リアルハードウェア)の方が優れていると決め付けて試していなかったのだが、そんなことはまったくなく、Mod製作者が有能なのか、Alchemyよりも音の定位が良く聞こえたのには驚いた。いよいよゲーム用サウンドカードの役目は本当に終わりなのかもしれない

Spec Ops: The Line – 加齢か性分か(2)

細かいストーリーを忘れかけてきたため、思い出す意味で10年ぶりに2週目をプレイ。難易度は物語の理解を邪魔しないようNormal(2/4)と控えめに。初回のプレイでは隊員間の衝突や白リン弾使用など自然な流れのように思えたのだが、今回は全体を通してなんだか唐突や駆け足といった印象で、ずっと置いてきぼりを感じていた。集中力が落ちたのか、ゲームのストーリーに興味が無くなってきたのか、ウォーカーが正気なのか幻覚を見ているのか、どの時点からおかしくなってきたのかも、どうでもよくなってしまっていた。二週目であることも無関係ではないだろう。望んでそうしたわけではないのだが、本作に触れる態度としては良くなかった。

代わりにと言ってはなんだが今回は戦闘をかなり楽しめた。B級シューター丸出しのアホみたいな数で押し寄せてくる兵隊を滞りなく倒していくのが気持ちよかった。ただ倒すだけでは時間をかければ容易だ。作業に近くなり面白くもない。しかし出現箇所を予測しながら早め早めに頭をぶち抜き、機銃戦は味方に補助してもらいながら、ジャガーノートが見えたら爆発物をぶつけまくる。敵の出現から終わりの合図(ゆるいスローモーション)までを、そんな一連の流れのように実行できた時は最高に特殊部隊っぽくて気分が良くなる。


◆なんだかSpec Ops: The Lineの感想としては異質になった気がする。それはそれとして思ったよりも物語に入り込めなかったのが残念だ

カルトに厳しいギャル – カルトの首を狩ると

難易度は見敵必殺(3/4)とこころをころせ(4/4)で計2週。小気味の良いゲームでボリュームも1時間ちょっとで終わるくらいなので手に取りやすい。Steamストアのレビューでも言われているが、難易度がちゃんと優しいとのことだ。最高難度でもレーダーを見ながら慎重に進めば殆どのプレイヤーがクリア可能かと思う。

近年では珍しいほどプリミティブな作りなので特別言うことは無いが、歴戦のFPSプレイヤーは前を向いていた方が良いだろう。難しい、意地悪、ヘンテコなゲーム経験の蓄積によりクリアリング箇所の比重が前ではなく横や後ろへ広がっていったため、逆に前から普通に被弾するかもしれない。すぐに修正できるとは思うが前述した通り、とても素直なゲームなので、目の前とレーダーと美少女だけを見ていればOKなのである。


◆弾薬がレーダーに表示されており取りこぼすことは少なめ。火力不足には陥らないだろう。アサルトライフルが使いやすく強力なので、弾切れになるまでずっと握ったままという戦術も悪くない。状況に応じて武器を切り替えるのに不慣れなプレイヤーに優しい


◆とりあえず右クリックのマチェーテでカルトの首を跳ねておけばヨシ!奇跡のカーニバルを開幕させよう

Medal of Honor: Allied Assault Breakthrough – Community Launcher Test(13)

MoHAAを現代のPCでも簡単に遊べるように手助けしてくれるCommunity LauncherをGOG版に適応して難易度Medium(2/3)で一周してみた。1080pに最適化されているようだが、今回は1440pにてプレイ。クリアまで異常は無かったように思う。今回Alchemyを使ったEAX2は効果がやや薄めだったが、DSOALを使ったこちらの動画が気に入ったのであれば導入に挑戦してみるといいだろう。XP環境があれば勿論そちらでも。


◆つまらない。ゲーム内容はこれだけで説明できる。全編を通してAllied Assaultを超えている、いや並んでいる場所すらもない。時間の無駄だ。意地悪なゲームが好きなプレイヤーはどうぞ


◆悪天候、市街地、遠くからの狙撃…うっ頭が…!

Fallout 76 – すぐに影響を受ける奴(9)

Amazon Primeの実写ドラマを見て興味が出てきたので、同時期に配布されていた本作にも触れてみた。軽く一周するだけのつもりだったが、思いのほかメインシナリオが巨大で時間がかかった。熱心なファンほど理想や拘りがあるのだろうが、バニラ状態でFallout3.4.NVを遊んでいた私からすると、似たような感じで遊べて違和感は少なかった。当初は大分違ったようだが現在は過去作と近いゲームになっている。大きな違いは全ての行動に伴う微妙なラグ(0.2秒ほど)であるが、戦闘難易度が高いわけでもないため、神経質になるほどではないように思う。


◆気に入っているのはAmerica’s Playgroundのメインクエスト。訳アリ家族を手助けするシナリオだが、煽り選択肢と私の邪な行動により、とても修復できそうにないほど悲惨な結末となった。いや、しかし「これを選べば円満な解決となります」といったゲーム側から用意された選択肢をそのまま選んで、人様の家族仲をコントロールする方が傲慢で気持ち悪いのではないか?


◆ゲーム後半はかなり飽きが来ていた。アーマーに乗ってショットガンをぶっ放していただけなので実質DOOMと変わらない。MOPRGちっくなゲームジャンルを理解して急がず、のんびりとプレイした方が良いのだろう。

立場や居場所を作るべきか

76に限った話ではないが、Falloutの濃い物語を十二分に楽しむには立場や居場所が必要なのではないかという気がしてきた。放浪の身ではなく大なり小なりどこかの陣営に席を置き、世界の住人として振舞うという話だ。各陣営のリーダーに時おり手を貸すだけのプレイも気軽で心地よいものではあるが、これでは他のRPGと大差がなく味気ないように思う。

完璧には程遠い癖の強い陣営(共同体)であっても、その中で上手に立ち回っていくのがロールプレイを楽しむということなのかもしれない。過去に4の記事でイエスマンルート(無頼という意味)が欲しいと書いたことがあるが、これは都合の良いプレイを求めすぎていた。もう少し失敗やネガティブな気分を許容して、どこかに所属する方が製作者の想定した面白さを享受できるだろう。