DINO CRISIS – 三十人目のレジーナ

20年ほど積んでた本作を難易度Normalでクリアまで。イメージとしては突然恐竜が襲ってきて、ハラハラドキドキが連続するホラー色の強いサバイバルを想像していたが、実際のプレイは謎解きが中心となっているので、手に汗握るものと考えていたコントローラーからは手を放し、代わりにメモ帳にゴリゴリとヒントを書き込みながらの進行となる。実のところ、この謎解きがスムーズにいくほど弾薬と回復材に余裕が出てくるので、「生き延びることが快感になる」といった売り文句からは想像ができないほどパズルやひらめきの能力が重要だ。弾薬が余り気味の麻酔弾で適当に恐竜を眠らせ、謎解きに時間と頭を使っていると、時おり自分がなんのゲームを遊んでいるのかわからなくなる。

刷り込みなのか実際にそうなのかは分からないが、私自身、本作の元となっているバイオハザード2が完成されているシステムだと考えており、そこから違いを出そうと変更した部分があまりうまくかみ合っていないように感じた。特に戦闘部分が気になるところで、ゾンビよりも手強い敵に恐竜を選んだアイデアは良いが、ラジコン操作に慣れていないプレイヤーにはかなり難しいように思う。ここで話が終わっていれば、恐竜の理不尽さを感じられるデザインとして整合性が取れていたと思うが、一度恐竜に食い殺されると残りコンテニュー29の文字を目にすることとなる。え、残機制だったの?これは売り上げに響くレベルで難しくなったのを理解した上での譲歩なのだろう。しかし、残機30のアクションゲームでは緊張もパニックも起こりようがない。一応はノーコンテニュークリアに褒美を用意したり、マルチエンディングでリプレイを促してはいるようだが、解法を知った後の謎解きゲームのリプレイが楽しいとは考えにくい。どうしても、ちぐはぐな印象が付きまとう。


◆恐竜大好き小学生にはやや厳しいというレベルの謎解きが多い


◆ティラノサウルス。でかい恐竜との疑似接触体験という価値は高い

Mafia: The City of Lost Heaven – 適切な負荷か(2)

本作はクドくて面倒な場面が多い。しかしそれらが、必ずしもマイナスだけを意味するわけではない。プレイヤーへの適切な負荷はビデオゲームを味わい深くするための必要なものであると考えられる。スイスイとあっさり進むゲームが楽しいのだろうか?きっと楽しいには楽しいが、どこか薄っぺらい、ひと時の娯楽や時間潰しといった側面が大きいように思う。記憶からもすぐに抜け落ちる。

本作は主人公トミーが元タクシードライバーかつ新入りということもあり、運転する場面をやたらと求められる。アジトであるサリエリ・バーからミッション遂行場所までの毎回の行き帰りの運転ははっきり言って面倒だ。法定速度と交通ルールを守らなければならないというオマケもつき、問題が起きないよう安全運転するだけで面白みの無い時間を長時間強いられる。しかし、このダルくて面倒な負荷がだんだんと良く思えてくる。問題が起きぬよう神経を使い運転するという行為が現実感を高め、それが仮想都市ロストヘブンでの活動と重なることで、ゲームへの没入感が高まっていくのだ。先ほど書いた「安全運転するだけで面白みが無い」というのはアクションゲームとしての視点であり、それを差し引いても、余るほど増えた没入感がマフィアを疑似体験するアドベンチャーゲームとしての価値を大きく高めている。


◆DirectX8時代のグラフィックとは思えないほど細かく書き込まれた主要人物の顔(表情)


◆禁酒法時代のマフィア抗争

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Raven Keep – 月明り(27)

先日公開されたQuake(1996)のtotal conversionであるRaven Keepをクリアまで。2時間ほどで真のエンディングまで到達できる思うので、程よいボリュームだ。基本的には雰囲気ゲーなので、戦闘も謎解きも適度で、小粒なアクションアドヴェンチャーとして触りやすい。


◆キーワードはカラスとゴシックと月明り


◆広い場所は移動可能な範囲が大きい分だけオリジナルQuakeよりも戦闘がぬるい

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Unloved – 最後に愛は勝つ(59)

2010年にCacowardsに選出されたホラー系PWADのUnlovedをクリアまで。雰囲気や戦闘難易度もよく出来ており、遊びやすい。HereticやHexen、新規の敵など多彩な敵が登場し、かつ、それらの投入タイミングも上手で、ほどよい緊張感が持続するようになっている。やや進行ルートが分かりにくい点(Hub構造)もあるが、不満はそれくらいもので結構お勧めできる。

Croixleur Sigma Deluxe Edition – 時間対効果最高(3)

「彼女たちの『卒業』」という実績を解除するところまで。これはすべてのストーリーを追ったことを意味するが、グローバル達成率が今現在3.3%と低めであり、少し悲しい。ゲーム内容はすさまじく単純で、円陣で沸いてくる敵をひたすら倒していくだけ。できる限り素早く、ダメージを食らわないように、行動を最適化していくのだ。難所がボスのみということで、本質的には自分と戦うゲームなのである。

最も気に入っている点は移動時間が極端に少ないことだ。そもそも敵をぼこぼこにしたいだけのプレイヤーにとって移動は時間の無駄と感じることも多い。それならば、いっそ無くしてしまえばいいという、このゲームの潔さをとても心地よく感じる。


◆触ればすぐに分かると思うが、このゲームは空中にいる敵の処理が肝となっている。ただ、最優先で対処するのが正解なのかはその都度、画面を見ながら判断しなければならないのが面倒でもあり面白いところでもある


◆困ったら奥義を使って状況を立て直すのだ。カメラワークの問題でどうしてもミスが起こりやすいため、奥義のほか、魔力開放などの緊急回避が脊髄反射で発動できるのが理想的

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