Alien Rage – HP自動回復型シューターのスタンダード

最初の印象はBulletstormとUnreal 2の良い所を足して割った娯楽性の強いゲームというものだったが、一時間も遊んでいると非常に高い難易度が気になってきた。とにかく敵の攻撃が精確で激しいのだ、体力自動回復を待つため物影に隠れると強力な爆風で削ってきて、やばいと思った時には既に死んでいる。Bulletstormのようにスコアが稼ぐタイプのアーケードシューターにしては難易度が高すぎてゲームデザインがちぐはぐだと思ったのだが、ゲームの中盤に差し掛かるとその考えは一変する。

「物陰に隠れさえすれば」「カバーボタンを押しさえすれば」そんな安易な単純行動をするだけで体力を安全に回復できる、世間で売れているFPSの方がおかしいのだ。一方のAlien Rageは正面の敵と向き合い、プレイヤー自身が持ち前の技量でHPを回復するための安全な場所を作り出すことを求められる。これは体力自動回復型のシューターとして珍しく、アクションゲームとして真っ当すぎる作りである。つまり本作は「死なない程度に顔出して敵を削っていく」シューターから一歩も二歩も進んでいる。よって体力自動回復が好きではないゲーマーにこそ是非触ってもらいたい。

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◆「ヘッドショットォ…ヘッドショットストリィークゥ…」のアナウンスには妙な中毒性がある

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◆ボスとの戦闘は単調だが、メカニックを含めてかなり気に入っている

Jamestown – 娯楽として優れている

難易度「Normal」が一番下、つまり他のゲームだとVery Easyに相当する位置にあったので嫌な予感がしつつもゲームプレイを開始。数十分後、予想通り最終ステージがアンロックされない事態に陥ったので、難易度を「Legendary」(Normal相当)に設定して、クリアまで突っ走った。いや、最終ステージだけは何度もやり直したかな。

さらりと遊んでみて

海外STG離れした綿密なドット絵と、幻想的なBGM、入力デバイスの親切な設定案内、初心者でも挫折しにくい難易度設定など、どれもが高い水準でまとまっていて非常によく出来たゲームだった。ただ、STGとしてゲームデザインが優れているかはよくわからなかった。(高難易度は特にSerious SamのようにCo-opが前提のように感じる)

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近頃「自機狙い」「自機外し」という用語を覚えたのだが、シューティングゲームの理解度が少なすぎて、うまく文章に組み込めないのが悲しい。

Shadow Warrior 2013 – 楽しめたが、複雑な心境(3)

去年にShadow Warrior Classic Reduxを拡張パック込みでクリアしているたね、思い出補正無しでShadow Warrior 2013と比較できる立ち位置にあったが、いざクリアしてみれば特別比較する必要は無かった。現代にリブートしたShadow Warrior 2013はユーモアたっぷりをそのままに立派にオールドスクールFPSの楽しさを表現できていたからだ。惜しむべきは中盤以降、やや単調になってしまうところか。オリジナルは全編単調だと言えなくもなかったが。

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First Person Melee

Shadow Warriorの剣撃をリアルかアクションのどちらかに分けるとしたら、当然後者だろう。多少エフェクトに誤魔化されているような気もするが、カタナで斬りつける感触は良好で、補助的に銃撃とスキルをうまく使い分けるゲームプレイはユニークかつ爽快で非常によく出来ている。剣撃は爽快感が重視されているため、ずっしりとしたFirst Person Meleeを期待していると肩透かしにあう。そういうのを求めているプレイヤーはDark Messiah of Might and MagicやChivalry: Medieval Warfare、Dead IslandやZeno Clash、Serious Sam 3を遊んだほうが良いだろう。

キャラクターの成長と評価を混ぜたシステム

Shadow Warrior 2013は武器、スキル、パワーの三つをパワーアップさせることができるので、プレイヤーの気に入ったように成長させたい…ところだが、不思議なことに戦闘の度にプレイヤーを評価するシステムも一緒に組み込まれているのだ。つまり、あまりに趣味に走ったキャラクターを作ってしまうと、純粋な戦闘能力を落とすことに繋がるので、戦闘の度に低評価を受けることになる。はっきり言ってキャラクターの成長と評価を一緒にするのは通常では考えられないことだが、オールドスクールシューターを誰にでもクリアできるゲーム性にしたからこそ、「評価」を付けなければならなくなったのかもしれない。本作は経験値を引き継いだ状態で周回プレイが可能なので、最終的には皆が同じ能力のキャラクターになるように思うが、一周しか遊ばないプレイヤーには「評価」が少し気になる。

約12時間で本編をクリア、シークレットは全体の40%を見つけたことになっていたので結構満足。キャラクターを引き継いだ状態で2週目をプレイして、全ての武器とスキルを上げたところで一区切り。楽しめたのは間違いないが、Flying Wild Hogが一歩引き、もっとShadow Warriorをリスペクトできたのならば、より素晴らしいリブートになったと思う。要するにPainkillerやHard Resetの成分をもう少し減らしてもよかったのではないか、ということだ。

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◆絶大な効果のプロテクション

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◆火炎放射器あり。どの武器にも使いどころがあり、死に武器がない

Damnation – レベルデザインと造形美がアンバランス

年末の大掃除という意味で4年ほど積んでいたDamnationをクリア。ゲームの難易度はいつでも変更可能で、大部分をCasualで遊んだ。最初はHardcore(真ん中)を選んだものの、敵の命中率と攻撃力が異常に高いわりに、プレイヤーの命中率が極端に抑えられているため、遊んでいて理不尽さしか感じなかった。難易度をCasualまで落とすことで、敵の攻撃力が下がり常識的な範囲の戦闘バランスになるので、なんとか我慢できるようになる。

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貧弱なプラットフォーマーアクション

アマチュアの作ったTomb Raiderのようで、レベルデザインを念頭に置いたMAP制作ではなく、MAPを作ってから足場を増やしたり減らしてたりしているような印象を受ける。これによりプレイヤーは苦労なくゲームを進むことができるのだが、面白いつまらないよりも先に手を抜いているように感じる。あと、頻繁に「下る」要素があるのもイケてない、ただでさえ「上る」がうまくいっていないのに、「下る」のは文字通り下るだけの作業になってしまっている。Tomb Raiderよりも優れているのは、煩わしい操作系統のおかげで落下死の少ないところか。かなりの段差があっても突起にもペタリと張り付いてくれる上に、かなり高いところから落ちてもダメージが無いのはプラスに働いていると思う。つまらないゲームだけに。

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造形が優れている

単純なゲームプレイに隠れているが辺りを見回せば、なかなか綺麗な建物と風景が広がっている。Damnationは人物、武器、建築物、メカニックのどれを取っても造形のレベルが高い。西部劇が未だに続いているという物語を考えると、非常に雰囲気が出ている。10時間以上のロケーションで使い回しはほとんどなく、恐ろしいまでに力が入っていて素晴らしいのだが、その労力をもう少しレベルデザインに割いて欲しかった。

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風景を眺めるには悪くないが、ゲームプレイを考えると暇つぶしの道具としても厳しい出来だ。

HacX: Twitch ‘n Kill – サイバーパンク風Total Conversion

今回遊んだのはDOOM2のTotal Conversionとして1997年に(未完成のまま?)発売されたHacXをバグ修正して、スタンドアローン(IWAD)に作りなおされたものだ。もちろんGZDoomやDoomsdayなどのソースポートも使えるので、割りと気軽に遊べるようになっている。私がプレイしたのは10年越しに完全版にしている最中というHacx 2.0[r61]であるが、不安定というか作りかけなので、普通に遊ぶのならば安定している(と思われる)HacX 1.2の方がいいだろう。感想としては、最大ヘルス400が一瞬で溶けるような戦闘バランスは尖っていると言わざるを得ないが、それを差し引いてもサイバーパンクな世界がよく出来ているので、好きな人は楽しめると思う。私はかなり楽しめた。

武器が充実するまで我慢

とにかく最初のMAPがつまらない。敵の数が多く、武器も弱く、MAPが異常に広いので、恐ろしいまでに取っ付きにくい。DOOM2の経験者を前提にしてあるとはいえ、人を選ぶのは間違いなさそうだ。少し進むとチェーンガンに相当するSMGを手に入るので、急に戦闘が楽になる。ここいらからゲームを楽しむ余裕がでてくるはずだ。基本的にはDOOMの武器バランスそのままなので頭を悩ます心配はないが、射撃感が異常にフワフワしているので、戦闘感覚はかなり違う。

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◆敵の数は無駄に多い。1度に20体以上の集団が目の前からダラダラと出てくる場面も多く、手を抜いているように感じる

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◆ビキニアーマーのねーちゃんには蘇生能力が有り、DOOM2のアーチバイル的な存在