Unreal Tournament 2003 – まぁまぁ遊べるシングル(8)

軽く遊んでみて気になったのはプレイ感覚の「重さ」だ。このUT2004より重く、UT99やUT3よりは軽いといった感覚は私の肌にかなり合っていた。重さというのは主に野太い武器の発射音からと狭いMAP構造からきていたように思う。音の方は耳障りよく聞こえるよう直した2004に比べ、2003は聞いていると少し疲れるほどである。特にMinigunとRocket Launcherは相手を瞬時に溶かしてしまうような轟音を響かせるのに対し、威力がそれなりというのが実に不釣り合いで馬鹿馬鹿しくて笑える。もう少し音について言うと、Shock RifleのプライマリがQuake2のBlasterを彷彿させるショボさで、撃つ度にため息がでるほど酷い。その代わり、ショックコンボを成功させた際の爆発音は非常に派手なものとなっており…これはこれでやりすぎなくらいで、ヘッドホンで足音を聞き分けるような本気のプレイをしていると耳が壊れる勢いだ。これにはプライマリ発射音とコンボ成功音のアンバランスさを楽しんでもらおうとか、初心者にもっとコンボを使ってもらいたいといった思惑があったように思うが、2004で修正されている通り、上手くいかなかったようである。

MAPの話はとても単純で全体的に狭い。アウトドアのような開放感のある場所でのびのびとドッジジャンプ移動できる2004に比べると、2003は室内が多く、息苦しく、曲がり角も多いことから、ドッジジャンプを行う際には気を使う場面が多い。ただ、個人的にはMAPは狭めの方が好みであるし、BOTと戯れているくらいではごちゃごちゃの混戦になりやすく、お祭り感があって好きだ。ただまぁ、やはり人間と遊ぶというのならば、2004の方に分があると言わざるをえない。

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◆2004で難易度設定ミスを経験したので、今回は一段階下のAverageでシングルをプレイ。2004に比べ単純なゲームモードが多いし、Averageでプレイしている分にはプレイヤー自身の力で状況を打破できるので、遊んでいて楽しかった

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◆退廃的な世紀末におけるガス抜き装置だったUnreal Tournamentは、いつの間にか地下格闘技から一般的な娯楽へと変わってきたらしい。対戦相手を睨みつけ「やんのかコラ」と威嚇挑発するあたりはもう完全にプロレスだ

Unreal Tournament 2004 – がんばってくれっ!!(7)

Epic Gamesに無かったことにされているUnreal Tournament 2003をより良く知るために、うまい具合に改良され未だ世界中で愛されているUnreal Tournament 2004を先にプレイしてみた。シングルプレイの難易度は何も考えずに初期状態のExperiencedに設定したのだが、これが結構な失敗だった。私の腕前ではオブジェクティブ系ルールの試合をほとんど動かすことができなかったため、始終味方BOTに向かって「がんばってくれ!」「がんばってくれっ!!」と祈るばかりのふわふわした感じの時間を多く過ごすこととなった。どうもExperienced(経験者向け)という難易度は、ちょっと遊んだことあるんだぜ!といったレベルではなく、日常的にマルチプレイで遊んでいるような100時間プレイヤーを指していたようだ。

  • アンリアル的な色彩が美しい。UT99よりもUnrealのDNAを感じる
  • 味方BOTの頭が良く、指示を出さなくてもうまく働いてくれるが、過信は禁物
  • 各モードの感触はDM=TDM>>>Double Domination>>>Bombing Run>Capture the Flag=Assault
  • 人間同士で遊ぶならDouble DominationとBombing Runはかなり楽しめそう
  • シングルプレイクリア時は各ゲームモードの優勝カップ4つが見えるだけ。UT99と違い表彰されることもない。手抜きだろうか?まったく喜べない

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◆チーム一丸となって旗を持ち変える時が一番UT(スポーツ系FPS)っぽくて心地よい。こういう時には大抵カバの顔して「すごい一体感を感じる」と画面の前でつぶやいている

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◆Assaultでは主に乗り物を回復する後方支援。味方BOTの頭が良く、放っておいても目的を達成してくれるのがめんどくさがり屋には嬉しい。ただ、お任せプレイが通用しない場所も当然存在するので、そういう時にはやはりプレイヤーの指示と力押しが必要だ

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Quake 2 – 至極普通に三周目(16)

3dfx OpenGLによって描画される景色を見ながら至極普通に難易度Normalをクリア。「色合い」といった単純な言葉で言ってしまっていいのかわからないが、3dfxのビデオカードを使うと確かにゲームの雰囲気が変わる。なんというか自然なのだ。自然で美しいのだ。一度これを味わってしまうと、3dfx対応ゲームをその他のビデオカードで動かそうとは思わなくなるだろう。それほどに違いがある。このご時世にわざわざGlide Wrapperなるものが開発されている理由も分かるというものだ。

  • ブラスターの銃声はやっぱり失敗だと思う
  • 各主要武器が強すぎるのは問題ないが、持ち運べる弾薬の量はやっぱり多すぎる
  • 絶対的に面白いのは同年に出たUnrealの方であるが、気楽に遊ぶとなるとQuake2の方だろう
  • 公式最終パッチ3.20を当てるとAudio EngineがIASへと変わり(?)、システムを判断して自動でA3DかEAXに切り替えて立体的な音を出してくれるようになる…はずなのだが、Consoleを見る限るどうも上手く動いてくれなかったようだ。しかし耳で聴く分にはなかなかの音の定位であったため、A3D1.x相当で動いていたようにも思う(AU8830装備)

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◆Quake2全体を通してみると、このような場所でも明るい方なのだ

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◆残念ながらRailgunだけはSource portでエフェクトを改造したモノのほうが格好良い

以下、NVIDIA、ATI、Source port、3dfxのごちゃまぜスクリーンショット集。なお、厳密なテストでないことを断っておく。

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Unreal – 難易度Hardで二周目(6)

あー良かった。ほんと良かった。すっごい良かった。…他に言うことがないな。補足というか言い訳であるが、あまりに面白いゲームを遊ぶと私は意識がゲームにしか向かなくなるので、脳みそが働かず、文章化するための素材(ネタ)をメモしなくなる。よって、これを書いている今もノープランであり、意欲がほとんどない。意欲がない要因は既に語り尽くされていることもあるし、PCゲーム道場Do Survive UNREAL(Archive)などの熱意あるテキストが存在するからだ。価値を見いだせるとしたら、リアルタイムではない発売から10年経った2008年と2016年に遊んだ意見のはずであるが、それがあまりにもありきたりなうえ薄っぺらいので、実は書くのがとても恥ずかしい。「Unrealは2016年現在から見てもまだまだ美しく面白く最高のFPSのままである」「謎解きが難しいかもしれないが損しないので未プレイならば是非遊んでみてほしい」「Unrealを超えるFPSは今のところ存在せずUnreal 3に期待するほかない」

  • Flak Cannon – Secondaryが扱いやすく火力も高く燃費も良い。超強力
  • UTだと溜め専用になってるGES Bio Rifleも、Primaryの威力が高いのでばら撒きに使えて新鮮
  • 辺りを照らすFlareの持続時間が短く有限なのが良い。DQ1のたいまつ的な不安感がある
  • 自分の操作技量の成長も感じるが、60Hzと120Hzの液晶の違いもある気がする
  • Level 24:Bluff Eversmokingは広大でありがなら密度があり、高低差も上手く使っていて非常に質の高いマップだ。これほどのデザインはそうそうない
  • Level 10:Terraniux UndergroundのカッチョイイBGMが昔のトラウマ。何時間も道に迷っている時に人を急かすような激しいテンポの音楽がずっと鳴っているというのが、精神的にかなりキツかった。

三大FPSの一つをプレイした記念にニコニコ大百科を見ながら適当に順位をつけてみた。適当にね。
Unreal = Marathon = Half-Life = Deus Ex >DOOM = Quake = Call of Duty = Far Cry = Portal = Crysis > Duke Nukem 3D = Return to Castle Wolfenstein = DOOM3 = S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl = Half-Life 2 = Bioshock = Call of Duty 4: Modern Warfare >>> Wolfenstein 3D = Borderlands

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◆初回のプレイではキーボードの操作に不慣れだったこともありSkaarjと戦う度にヒーヒーあばあば言っていた記憶があるが、今では余裕を持って距離によって適切な武器に切り替えられるようになったので、処理気味の戦闘ばかりになってしまった。自分の成長を確認できたという意味では良かったが、やはりUnrealというゲームは多少ゲームが苦手だったり操作に慣れていないくらいの方が敵の奇襲にワーワーきゃきゃー騒ぎながら楽しめるのではないかと思った

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◆Level 2: Nyleve Fallsの開始直後。スクリーンショットで見るとなんてことはない一枚だが、狭苦しい宇宙船から脱出した開放感に加え、Unrealの世界と空気と美しさが一気に押し寄せてくるというEpic Games最強の仕掛け。この圧倒的な攻撃に為す術もなく数々のPC Gamerが虜になってしまったはずだし、発売から10年経ってプレイした私もこれを切っ掛けにPC Gameにどっぷり浸かってしまったのである

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S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl – Zoneの水が合わない(1)

中盤から猛烈に面白くなった。最初、精度が低く敵の胴体にすら当たらなかった銃が、少しずつ強力なものに替わり、最終的に敵の頭にバシバシ当てられるようになるのは、単なるレベルアップとは違うトレジャーハント的な成功のようで、とても嬉しく感じる。だからなのか、まだ見ぬ強力な武器を求めて、あちらこちらへと探索散策するのにも心が躍る。しかしながら、面白さは理解できるものの、ややゲームの展開が遅いのが気になる。退屈だなと感じたら景色を見ておくのが本作の楽しみ方だと思うが、その時間があまりにも長過ぎるのだ。直ぐ様銃をぶっ放したくなる血の気の多い私にはやや合わなかった。次作Clear Skyへの意欲はあるが、Modにまで手を伸ばそうとは思わない。あと、現状の問題というか不幸なところはBethesda製のFalloutやElder Scrollsといった強力なライバルが存在していることで、『Zone』に強い興味が無ければプレイヤーが増えそうにない点。開始直後の異様な取っ付きにくさもゲーム飽食の時代では大きなマイナスだ(コアなユーザーには最良であるが)。

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◆ゲーム開始から最後まで鬱屈とした天気のChernobylを歩く

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◆Stalkerの皆さん。(共通の)敵を倒す度に「ハッハーネクスッ」と叫ぶのが、コメディアンの厚切りジェイソンにしか聞こえなかった