ゲーム性だけを見ればWolfenstein 3D(1992)はかなり退屈なゲームだ。如何にして死なないようダメージを抑えるか、つまりは丁寧にクリアリングするだけなのである。後年になればクリアリング(又は偵察)の成功が直接的な楽しさに結びつく高度なステルスゲームも登場するが、残念ながらWolf3Dはそこまでの粋に達していない。『Brutal Wolfenstein 3D』はそんな退屈なゲームに暴力的な快楽と理不尽な死を与えてくれるModで、撃って愉しく興奮できるゲームへ変えることができる。過剰な視覚的褒美を含めた総合Mod、又はファンがやり直すための動機づけの存在としてはなかなか評価できるが、もとがWolf3Dということもあり、どうしてもBrutal Doomのように強くお勧めできるアクションシューターとはなっていない。
◆残虐に敵を倒すとブルータルボーナスとしてヘルスが5ポイント加算される。調子に乗るとすぐにヘルスが溶けるので要所々々で意識しておくと生存率が上がる
◆お決まりのハンドサイン。High Resolution Packを導入するとゲーム内の雰囲気が結構変わる