Peter Jackson’s King Kong – 俺が怒りのメガトンパンチだよ

PC版Peter Jackson’s King KongにはGamers EditionとSignature Editionの二つが存在しており、ダウンロード販売サイトで購入できるものは基本的にGamers Editionとなっている。私が購入したGamersGate版(DRM-Free)も例外ではなくGamers Editionであったのだが、実はこれが名前ばかりが小洒落ているだけの代物であり、やや高額なパッケージで売られているSignature Editionやコンソール版に比べると、わざと快適にプレイできないように作られたUbisoftの罠だったのである。

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まず、オプション設定が保存されない。そのためゲームを起動する度にアスペクト比を直すことになり、非常に面倒くさいのだが、そもそもキーコンフィグが不可能であったり、画面の上下に強制的に黒枠が挿入されたり、FOVが歪であったりと、「お前らPCゲーマー(=海賊版ユーザー)はこんな劣悪な環境でも遊ぶの?プゲラ」とでも言わんばかりの挑戦的な設計となっているのだ。あと、検証動画を見なければ知ることは無かったが、ロードが不自然に長い。要因はPlayStation 2とのマルチプラットフォームなのではないかと軽々しく思っていたのだが、「ローディングが存在しないSignature Edition」との比較を目にしてしまうと、激しい怒りが湧き上がってくる。他にも、多少の段差を登れないのを筆頭に、巨石を持ち上げられないといった細かなバグで進行不能になったり、強制終了する場所も多く、酷いの一言。一応、XP環境でも試してみたが、OSを変えれば直るというタイプのバグではないようなのでSavedataを拾ってきて、ゲームが順調に進まない時には飛ばすようにした。もちろん前述したとおり、強制終了する度に設定が消えるため、何度もゲーム起動後にオプションを開き直すわけだが、その際に毎回Uplayをアンインストールしたい衝動にかられたのは言うまでもない。

さて、ゲーム内容についてだが、人間パートは(一人称)視点を動かすのが苦痛という理由からアクションゲームとしての価値は低い。映画体験という面からは、かなり雰囲気が出ているように思うが、一本道を往復させられることが多く、水増し感が強いのが残念である。かわって、キングコングのパートでは三人称視点となるので、通常の操作性でコングを派手に暴れさせることができるので、こちらはなかなか良いように感じる。人間に比べ、コングパートの時間が短めなのが気になるが、映画ファンであるならば、最低限の満足感は得られるだろう。最後に唐突であるが、私はUbisoftが大嫌いだし、キング・コング(2005)もコンピュータ・グラフィックスしか評価しない。

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あのHalf-Life 2をも下回るFOV 70(?)の極狭画面。さらに上下に黒枠が入るといった腐った視界では、各チャプターをクリアすることはできても、楽しむのは不可能に近い。視野角を狭くして臨場感を上げるという手法も、度を越せば不快でしかないのだ。Signature Editionでは黒枠を外せるようだが

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◆キングコングの迫力は合格点

Just Cause 2 – 近頃は女騎士をジャスコに誘うのか

乗り物で移動する時間が無駄としか思えない性分なのでこの手のゲームを楽しむのは苦手だが、頭を空っぽにしてエージェントRicoのド派手な活躍を見ていると、多少は移動時間を我慢してもいいかなという気分になる。馬鹿馬鹿しくて華やかで爽快感があって、任務をこなすのが楽しいからだ。難易度は前作(Demo)の時にも感じたが、マウス操作による銃撃が強すぎるため、かなり低め。ただ、低めであることが気軽さや快適さにうまく繋がっているので、よく調整されているように思う。

過去4Gamerのベンチマークレギュレーションにも選ばれたゲームエンジンの 「Avalanche Engine(Version 2.0)」は草木、水面、砂漠、夕日、雲、炎、爆発などの環境全般の描画が美しく、島国『パナウ』を魅力的に映しだすことに成功している。また、単純な美しさだけでなく、エンジンの安定性も相当なもので、今回プレイしたGTX970環境下ではどのような状況でも120fps(垂直同期)に張り付いたままであり、強制終了も無かった。つまりは、綺麗で軽くて安定しているという理想的で優れたゲームエンジンなのである。個人的にはフレームレートが落ちたとしても、もっと爆発を派手(下品)にして欲しかったが。

  • マウス操作の銃撃が強すぎて、武器強化に興味が沸きにくい
  • 自分の意思でDLCを購入していない場合はSteamから外すのを推奨。様々な意欲が減る。
  • 道無き道をバイクや車で進むのは難しく、許されていない感じ。数少ない窮屈さ
  • 非武装の要人NPCが率先して前線に突っ込むのが不自然で仕方がない
  • 14時間ほどでクリア。欲深くないRicoの最後の判断を清々しく思う
  • 短所に目をつむり、頻発するバグまで楽しめる(許容できる)ゲーマーほど、本作を気にいるだろう
  • 私の故郷にジャスコは無かった

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◆爆発は多いのだが、破壊が少ないのでカタルシス的なものは感じない

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◆現実で山を登って山頂にたどり着くと、目に映る風景が不思議とすべて綺麗に見えるように思うが、Just Cause 2も上へ上へと登る機会が多く、ふとあたりを見回してみると、いつの間にか風景が綺麗に見えたりするのである

以下スクリーンショット集

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Zuma’s Revenge! – 求められるのは判断速度

買おうか買うまいか悩んでいた時に丁度よくOriginで無料配布されたので、ありがたく頂いた。本作はカジュアルなパズルというジャンルに属しているのだが、どのようなゲームか理解するには実際のプレイ動画を見てもらったほうが早い。基本的には同じ色のボールを三つくっ付けると破壊できるという単純なルールであり、他のパズルゲームのように連鎖要素もある分かりやすい、馴染み深いものだ。

本作で重要なのは連鎖を作るよりもスピードを重視して場にあるボールを消すこと。私だけかもしれないが、PopCapの作るゲームにありがちな「ゲーム開始から数時間まったく難易度が上がらない状況」に暇を持て余して、ひたすら連鎖を作るプレイを繰り返していたら、いつの間にか連鎖を作るゲームと勘違いして終盤でドツボにハマってしまった。実は本作はステージごとにボールの配置場所が変わるため、後半になっていくに連れて連鎖の発動(発火)が困難になっていくのだ。また、システム的に二連鎖でも成功すれば迫り来るボールを押し戻せ、状況を大きく好転させられるので、苦しい時こそ大連鎖で一発逆転を夢見たくなるのだが、それこそが破滅への第一歩なのである。あくまで余裕のある時に連鎖を狙うのが最善であり、無理に連鎖を狙わず、三つずつスピーディーに消していくのがクリアへの近道なのだ。

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余談になるが、Wikipediaによると著作権や特許権等の知的財産権が保護しているのはゲーム中の表現、キャラクター、内部のプログラムといった部分であり、遊びのルールやコンセプトのアイディア部分は対象になってはいない。よって日本のアーケードゲーム『パズループ』と酷似していても、問題が無いらしい。なんだかなぁ。

Freedom Planet – 動かしていて気持ちいい

Official Trailerを見てもらえればどのようなゲームかすぐに分かるはずだ。見たまま、愛らしいキャラクター達を操作してゴールを目指すスピード感ある2Dアクションである。注意すべき点は、タイトルに片仮名で「フリーダムプラネット」と表記されているものの会話や音声が英語であることと、ゲーム終盤には罠が数多く仕掛けられ容易にダッシュができず前半と触り心地が変わるくらいのもので、基本的には制限が無く、急いでゴールに走り込むも良し、実績解除に勤しむも良し、風景を眺めるも良しの自由な作りなので、豊かな表情とモーションのキャラクター達を愛でながら、優れた操作感のゲームに身を委ね、何も考えずにプレイするのが良いと思う。

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爆走の快感

本作で一番気持ちよくなれる瞬間は、やはりImmunity to all attacks(マリオで言うところのスター)を取得した後だろう。元々の状態でも操作感が良く、スピード感も申し分というのに、無敵状態になってステージを好きなように駆け抜けるのは、強い恍惚感へと変わる。加えて、移動速度が上昇するのがうまい。これによって通常時との差別化が明確になり、特別な場面(お祭り感)であることを感じられ、高揚する。近いものは『星のカービィ スーパーデラックス』だろうか。今にして思えば、移動速度の上がらない無敵など、単純にダメージを受けないというだけで、なんと面白みのないことか。変化球としては『スーパーマリオワールド』が無敵時間内にマリオが体当りした分だけスコアが増えていき、最終的にいくつも残機を増やせる仕様であったが、ひねり過ぎだ。やはり”アクションゲームにおける無敵”に必要なのは、ずば抜けたスピード感とそれを心置きなく味わえる安心感で、それらによって生み出される原始的な快楽なのだと思う。

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◆Immunity to all attacksを取得するとメインテーマをアレンジした最高に気分が上がるBGMと共に全力疾走が可能になる

POSTAL 2: Paradise Lost – 馬鹿健在(5)

10年の歳月を経て発売したPostal 2のDownload Contents「POSTAL 2: Paradise Lost」を難易度Averageでクリア。ボリュームがあり、値段の割にRWS社の気合の入りまくった本DLCはファンにとってマストバイアイテムであることに間違いないので、すぐさま購入して再度下品な世界に入り込んでもらいたいと思う。逆に、本編を遊んでいないプレイヤーには核破壊後のパラダイスシティがどのように変わったのがわからないため、プレイ済みのファンと比べてあまり散策を楽しめないかもしれない。また、メタ的なネタも多いため、本当は拡張パックのPostal 2: Apocalypse Weekend、映画版Postal、続編のPostal 3に触れておいたほうが良いのだが、所詮はお馬鹿ゲームなので、あまり神経質になる必要もないだろう。主人公のDudeは恐妻家で、Mike Jは開発のRunning With Scissors社プロデューサー、Zack Wardは映画版PostalのDude役で、Postal 3が全世界で不評だったということだけ知っていれば十分だ。ややネガティブに書いてしまったが、結局楽しめるかどうかは知識ではなく感性によるところが大きいので、面白そうだなと思ったら是非プレイしてみて欲しい。

実際のゲームプレイで気になったのは、ヘルスパイプ(即時HP全回復+α)の置かれている場所が異様に増えたことだろうか。特に気合を入れてアイテム探しをしたわけではないが、少し怪しい場所をチェックしたり、本編で印象に残っている場所を見て回るうちにパイプがドンドン溜まっていった。パイプが一つ一つ増えていく様子は500円玉貯金のようでかなり気分が盛り上がるのだが、最終的にラスボス戦で30個ほどのパイプを持っているという半無敵状態になってしまい、死ぬ気配がまったく無く、ゲームの最終局面としては最悪な展開に。しかしまぁ、こんなゆるく自由な展開もPostalらしくていいんじゃないかなと前向きには考えているが。

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◆やや見慣れない葉っぱの収穫を手伝うようなごく普通の日常生活シミュレータ

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◆貴様のディルドと俺のハンマーのどちらが強いか…試してみるか?

>> 以下お下品だったり黒いユーモアだったりするスクリーンショット集

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