Half-Life: Alyx – 偏屈なファン(14)

久しぶりに出たシリーズ最新作として世界観は100点に近いだろう。ファンであれば満足できるに違いない。特徴的なのは序盤に遭遇するStrider、大きな足音を立てて近づいてくる奴はHL2の時とは違う巨大に見合った迫力を感じる。わざわざVR機器を装着して遊んでいる価値をすぐさま感じ取れるだろう。掴みがうまい。VRゲームとしても恐らく優秀だと思う。グラビティグローブを始めとした”VRならでは”の要素も上手に盛り込めているし、もともとテストプレイを重ねているValveらしい丁寧な仕事ぶりを全体から感じとれる。

気になるのはプレイ時間の1/3がアイテム探しになったところか。一番欲しいのは弾薬なのだが、どうも所持弾薬が少ないときに出現率が高くなるようで、安心できない程度に少し余る程度だとドロップが渋く、常に息苦しくなる状態となる。始めは弾薬のついでに合成樹脂も探していた形だったが、武器アップグレードの効果が高いことに気が付き、いつの間にかコチラがメインにすり替わっていった。とはいえ、探索というのは如何せん作業感が強い。自ら選択して集めてはいるものの、どうにも仕向けられていた感は拭えず、多少のストレスを感じながら最後までアイテムを探し集め続けた。もう少し気楽に前だけを向いて進んでいった方がゲームを楽しめた気がする。

射撃より物投げ

嫌悪感というほど強くはないが、VR上で人型の敵を撃ち殺すのは想像以上に生々しい行為だった。ディスプレイ越しとは違い、軽いやっちまった感がある。初めてFPSを遊んだ時を思い返してみると、慣れによるところも大きいとは思うが今後のVRゲームにおいて積極的にシューターを選ぶ気持ちは減っている。その代わりと言ってはなんだが、手榴弾や石など物を投げる行為全般は楽しめている。目に映っている物をひょいと掴んでぽいっと投げてみると、力の入れ具合に応じて放物線を描きながら落ちていく様は、まさに仮想空間といった感じで感動している。次点で弓やスリングショット(The Lab)なども好意的に受け止めている。


◆ガタイの良いコンバインには迫力がある。銃口を突きつけられるのも現実ではないと分かっていても強い恐怖を感じて、思わず即座に手を上げてしまった


◆レーザーサイトの装着改造により可哀そうなAimが劇的に改善された。序盤でこれを付けていればと少し後悔。レーザーサイトの恩恵をほとんど感じたことが無かったため頭を働かせず後回しにしてしまったのだ。冷静に思い返せば同社のLeft 4 Deadでも非常に強かったような

Half-Life: Alyx – 偏屈なファン(14)」への6件のフィードバック

  1. Half-Life: Alyxはほんとによく出来たVRゲームですね。
    マップデザインが本当に精錬されいて、ゲームデザインもほんとに丁寧でした。
    少ない弾薬は少し気になりましたが、その分探索を楽しめたので私はそこまで気にならなかった感じですが。

    個人的に好きなチャプターでは有りませんが、ジェフのチャプターはこのゲームのピークだったと思います。
    Resident Evil 7やOutlastの系統のチェイスホラーゲームと音を立てては行けないというVRならではのギミックはよく融合できてたと思います。

    • まだ良質なシングルFPSを作れるのを確認できたのが収穫でした。
      弾薬ですが、わりと心配性なのでもう少し上限を上げてくれると良かったです。とはいえプレイ時間の経過によりプレイヤーの射撃スキルが上がるのを考慮すると丁度いいくらいなのかも。緊張感は強く感じました。
      ジェフ以降はスタンダートというか穏やかな展開でしたね。単なるホラーに留まらずガスの噴出により、音を立ててはいけないのと口を塞がなくていけないのが目新しいアイデアで良かったです。VR環境下で怪物に寄って来られる迫力とインパクトは相当なものでした。

  2. Half-Life 2のVR Modを試す予定はあるでしょうか?
    リリース初期から様々な快適性に関わるアップデートが配信されて、非常に遊びやすくなっていますし、Episodes OneとTwoにも対応したので、色々試しやすくなってると思いますよ。

    ただ、Oculus Quest 2(有線Link)との相性は悪いでしょうか。私のRTX 2080 Tiとの組み合わせではどうしても90fpsに届きませんが、HP Reverb G2であれば90fpsで安定します。おそらく一回動画をエンコードしてQuestに転送してるからでしょうね・・・。でもプレイには支障はなかったです。

    個人的にはEpisode Twoが一番VR Modを試しやすいでしょうか。Oneはバールの登場がほぼ無いので、バールを振って遊ぶことが出来ませんし。

    • Half-Life 2のVR ModはSteamライブラリに追加してそのままでしたが、先日のアップデート通知を見て、またどうしようかと考えていたところです。Episode Twoのアントライオンの巣には結構な興味があるのですが、それ以上にラストシーンが面倒そうに思えたので、やるなら短めでアリックスが戦闘をサポートしてくれるOneかなぁと考えていました。バールを振るのがどれほど楽しいのかあまり想像できませんが、数回クリアしているHL2よりもAlyxのシングルキャンペーンModの方がいいかなぁとも。Virtual Desktopの動作チェックも兼ねてどれかやってみようかとは思っていますが優先度は高くないですねぇ。

      • Half-Life: AlyxのキャンペーンModであれば、C17EscapeやPost Humanが良かったでしょうか。の質は高かったですよ。サクッと遊べる小柄なボリュームでその分質も高くまとまっていました。

        変化球であればGunman ContractsやHotline Alyxもまあ楽しめるでしょうか・・・?後者はHotline Miamiの前半をAlyxに移植した内容でしたが、かなり荒削りだった印象です。

        大規模キャンペーンであれば、今はHalf-Life: Alyx – Levitationなんてものもありますが、とにかく重いのなんの。私のパソコンでQuest Linkで遊んだときはまともにプレイできないほどの重さで、HP Reverb G2を使ってなんとか動かせるものでした。私もぼちぼち進めてますが、まあスペックに余裕があれば・・・

        • とりあえずC17Escapeをやってみてから考えたいと思います。小さくまとまっていると触れやすくて助かりますね。まだ何とも言えないですが、よい感触を得られたら別の物も遊んでいきたいなと。VR関連の情報ありがとうございます。

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