F.E.A.R. – 難易度Hardで二週目(7)

結論から言えば難易度Hardはそれほど面白いシューターではないように思う。というのも、敵があまりにも機械丸出しの反応速度と射撃精度だからだ。それに対しプレイヤーは被弾を抑えた撃ち合いでの勝利が難しく、敵を見かけたらすぐさまスローモーを使わざるを得ず、単調なゲームになりがち。ストーリー的にはむしろ正しい姿と言えなくもないが、アクションシューターとしては疑問だ。難易度がNormalであるならば、比較的余裕があり、切羽詰った状況に陥りにくいので、ある程度プレイヤー自身でスローモーを使うタイミングを決めることができる。この遊びの幅こそがビデオゲームにとって重要であると考えるので、Normalが適切な難易度だと確認できた。Normalの満足感を最も高くするゲーム作りは極めて正しい。

  • 永続的に体力とゲージを増やすアイテム収集はゲームを大きく有利にする
  • 敵を溶かすような破壊力のグレネードが爽快
  • EAX HD4は相変わらず素晴らしい。ヘッドホンor多chスピーカー推奨
  • 終盤でピストルの出番を作ったのは全体を見ると正しいがやや強引な印象

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◆リーン動作+スローモー+ヘッドショットが基本

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◆あるま。FEARシリーズを合計すると30時間以上プレイしていることもあり、彼女を見ても何の感情も沸かなくなっている

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Bulletstorm – 難易度Hardで二週目(3)

難易度をHardに上げ、FlawlessWidescreenでFOVを広げ、全てのシーンをスキップしてクリア。難易度とFOVについて深い理由は無く、とりあえず快適に、とりあえず難しくしてみた、といったところ。スキップについてはCoDを皮肉ったPVを出した手前(EAの指示?)、どれほどシューター以外の無駄な時間を飛ばせるのか興味があったので検証。これは思いのほか健闘していて、開始30分以降のイベントシーンをほぼ全て飛ばせるようになっていたので、近年のゲームにしては思い切りが良いように思う。アクションに集中できる。個人的にはスキップ誤操作防止を作って、全てのイベント会話を破壊しても良い。

予想通りというか難易度をHardに上げても、ゲームは難しくならなかった。というのも、本作はMelee(近接攻撃)がスキルショットという形でかなり重要な位置にあり、むやみに敵の攻撃力を上げてしまうとMeleeが使いにくくなり、突き抜けた個性が死んでしまうからだ。そもそも本作はプレイヤーが敵に一方的にやっつけてスコアを稼ぐだけの”フルボッコ系FPSエンターテイメント”ということもあり、敵は甘噛ばかりでプレイヤーを本気で殺しにこない。それがNormalだけでなくHardでもそうだったということだ。また、面白いか面白くないかで言えば、一周目と同様にChapter4(全7Chapter)までは楽しめた感じ。およそ、このあたりで武器のアンロックが完了してしまい、ポイント(お金)が余るので、スキルショットへの意欲が大きく下がり、急速に消化試合ムードに変わっていく。さらに言えば、このスキルショットシステム自体もかなり薄っぺらいので、二週目のプレイともなれば、いや、先にも書いた通り一周目からなのだが、とても飽きやすい。正直CoDをDisれるほどの出来ではないのだ。

今回People Can Flyがコンソール向けに操作を簡略化し頭を空っぽにして遊べるようにした明るい雰囲気のBulletstormであるが、それとは逆にPeople Can Flyの元メンバー達(The Farm 51)がPC Gamer向けにコアで渋く暗い調整したNecroVisionを開発したのを思い出した。両者はとても対照的である。DOOM(1993)がPCでもコンソールでも楽しめるような懐の深い(?)作りであるように、Painkiller(2004)も両者が楽しめるようなバランスであると私は考えているのだが、彼らが別の開発チームに分かれ、味付けが逆方向のゲームを作った。別段それが良いとか悪いという話ではなく、単純に開発者たちの方向性という奴は同じチームにいても結構違う、または変わっていくものなのだなぁとそこはかとなく思った。

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◆こういう色彩感覚は好き

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◆大きいことは良いことだ

10 Sectors – 言いたいだけ(41)

10 Sectors(2000)はSectorを10個に制限して作ってあるのが特徴のMegawadです。そのSectorというやつなんですが、Doomの擬似3D空間を描画するのに必要なVertex(頂点)、LineDef(線)、SideDefなどで設定した基本的な構築物(主に壁)がどのように連結しているかを伝えるものです。極端に言えば、こいつが無いとWolfenstein 3Dと同様に天井の高さが一定の平面な空間となってしまうでしょう。もちろん、これはSectorの仕事のほんの一部であり、酸性の床やエレベーターなどいろいろな部分で使われています。この説明でピンときたかもしれませんが、実はこのWAD”Sectorが10個に制限されている”のが如何に大変かを理解していないと真の価値が分からないのです。つまりMap作成経験のある人向けということ。ゆえに、その経験の無い私ではどこがどのように優れているかわかりませんので先に謝っておきます。DOOMすいません。

言いたいことが言えたので話をひっくり返しますが、とりわけ特別な知識がなくてもシンプルで結構楽しめるWADでした。近年…というか、DOOM発売から10年経った2004年あたりからのWADは異常に複雑かつ高難度で、10年選手ではない私には楽しめないものが多いのです。その点10 SectorsはDOOM1のカスタムMAPのような感じで、全体的にあっさりして遊びやすかったです。点数をつけるとしたら77点くらいでしょうか。まぁまぁお勧めできます。ひとつひとつのレベルが小さいのも好印象。

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◆制限のせいか、だだっ広いところや狭く区切られたところが多い

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◆狭い場所でサイバーデーモンの同士討ちを強制される。基本的にはまったりしたレベルが多いものの、コミュニティの公募から32レベルを選んだということで、激しいMapperのものも混ざっている

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Call of Juarez: Gunslinger – 頭撃ってハッピー(3)

好きではあるが西部劇やその時代背景には詳しくないため、その手の話は他のレビュアーに任せて、いつも通りアクションゲームとしての感想を書く。最初に感じたのは非常に”まとも”であることだ。前作The Cartelを触れてみれば分かると思うが、アレはうんこにゲロをトッピングしたような凄まじく酷い代物で、Dead Islandの片手間に作っていたとか、有能な人間が去ってしまったとか、CoJシリーズの未来を大きく心配させられたものだ。しかし、本作を触ってみると、それは思い過ごしであったことに気付く。やはり彼らTechlandは出来る子だったのだ。最重要部分である銃を撃った感触もBound in Blood時代に戻ったようで、とても良い感じ。そのBiBでは弾がまっすぐに飛びすぎることにやや味気無い印象であったが、今作ではスコア制が導入され、弾がまっすぐ飛ぶことに対して前向きな感情を与えることに成功している。さらにストーリーも軽めのものに変更されていて、スコア制との調和もうまくいっているように思う。率直に言ってゲーム作りが大変上手だ。

  • 大作ではないが、優秀なシューターに間違いはなく、値段分は絶対に損しない
  • 嬉しい日本語字幕だが、戦闘中にも会話がドンドン進むため、シングルタスク脳には辛い
  • マウスだとライフル銃が最も安定して強く得点稼げるので、近接銃器が息抜き程度の存在
  • QTEが存在するものの低難易度かつ、ペナルティも少ないためストレスは少ない
  • リロード時間が早くなったのはゲーム的には良いが、雰囲気的にはマイナス

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◆相手のガトリング砲から身を隠している場面。見えづらいかもしれないが正面に石があり、それが転がっている図。実はこの石、ガトリング砲が当たって岩石から削れたもので、それが物理演算されながら転がっている。いやーすごいChrome Engine 5すごい。フレームレートがやや不安定なのも、こういう地味な場所にパワーを使っているからなんだろうなぁ。物理演算だけでなく、単純な見栄えや色合いもゲーム特化といった感じで好印象だ

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◆ダサ格好良い!?強敵と戦う前のカットインは大体こんな感じ

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DAIKATANA – 主に戦闘について(2)

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ノルウェーあたりまで来るとサイドキック(味方NPC)を開始場所に放置し(Stay命令)、プレイヤーが敵を殲滅し安全を作ってからサイドキックを連れてゴールに向かうといった、本作の基本的な概念を根本から否定するような異常行動に対して、何の疑問を持たなくなってくるので、”やや面倒で質の悪いアクションシューター”という評価に落ち着くだろう。もしもバカ正直にサイドキックと共にゲームを進行してクリアまでいったとすると、ディスプレイかキーボードかマウスか壁かプレイヤー本人のどれかが壊れている状態のように思う。

Episode2にあたるギリシャ編はとても楽しめた。他の要素はさておき大刀をブンブン振り回せたからだ。例えそれが質の悪いアクションゲームだとしても、PCゲーム「大刀」の強い個性であることに間違いはなく、バッサバッサ敵を切りつけていくうちに大刀のレベル(威力)が上がっていく様もなかなかビデオゲーム的な満足感を感じる。結構な数のゲームにおける”打撃の威力向上”というのは、意外と数値の大小であることが多く、頭で理解させられることが多いが、本作では刀自身からオーラが吹き出てきたり、ぶった切った敵から血が派手に飛び散るような視覚的な褒美があり、直感的に成長を感じ取りやすい。ここは素直に褒めるべき点だ。しかしEpisode3のノルウェーまでくると大刀の出番が大きく減ってしまう。個人的にはどうも中途半端な印象であるが、客観的には銃器と大刀をバランスよく使い分けでことで戦闘を有利に進められるようになっているので、それなりによく出来ているのだろう。これが最後のサンフランシスコになると、大刀の出番がさらに減る上に近代的で没個性な武器ばかりが登場して、よくあるB級C級FPSになってしまうのがとても残念だった。出番が減るというのは少し違うか、銃器を使うほうが圧倒的に被弾を減らせる。面白いか面白くないかで言えば、その手の安っぽいゲームが大好物なのでまぁまぁ面白く感じたが、最後のEpisodeにしてはあっさりしすぎて、なにやらモヤモヤしたものが残る。やはり面倒な京都とEpisodeの順序を入れ替えて右肩上がりの難易度上昇にするか、よりアクの強いデザインで悪い方に突き抜けた方が良かったのではないだろうか。

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高度なAIとの共闘はどうなる

この度DAIKATANAに触れてみて、HL2EP1(2006)のアリックスと同レベルのAIであれば、ロメロの構想していたゲームが制作可能だったのではないかと感じた。Mapの狭さが技術的な問題でなく、意図したものであるとすれば、おおまかな雰囲気としてUT2003が最も近いように思う。つまり技術が追いついた今こそ、作り直してみれば結構イケるんじゃね?といった考えに繋がるのだが、ここ15年で味方NPCと行動して面白かったFPSがあったかを思い出そうにも、意外と無かったように思う。もちろんアクセントとして一時間程度いっしょに行動するだけならば、そのどれもがそれなりに面白いわけだが、10時間以上の長丁場で通用するかというとかなり怪しい。

また、味方NPCの調整自体も難しく、強くしすぎるとプレイヤーの意欲を減らすだろうし、弱くしすぎるとお荷物にしか感じないだろうし、だからといって同じくらいの力量にするとなんだか気持ち悪く感じるように思う。今言った事柄と私の想像力とFPS業界の歩みを考慮すると、どうもAIのお供が付いた長編FPSは面白いゲームになる気がしない。だがしかし、ロメロとDAIKATANAを否定しているわけではない。96年辺りに「こういうのが面白いんじゃないだろうか」と考えついた彼を敬服するし、むしろ現在よりもさらにAIが進化し、ゲー ムをうまく盛り上げるような自動学習機能の付いた人間くさい”ゲーム専用の人工知能”さえ完成すれば、アドリブ行動も増えるだろうし、プレイヤーの動きを分析し適切なサポートしてくれたりと、なんだか結構楽しくなりそうな気がする。ただ、そこまでAIが発達するとFPS以外のジャンルの方が伸びていきそうではあるのだが。

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◆当たり判定がひねくれ者の大刀。人型の相手には強いが、地を這う小動物や空飛ぶ化物は苦手。空中にいる相手には銃器が非常に当てづらいため、弾薬の節約をかねて「当たってくれー」と念を込めて振り回していた。爽快さと無縁

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◆あらゆる意味でプレイヤーの足を引っ張ってくれる問題児Mikiko。同様の場所でゴリマッチョ体型のスーパーフライよりもスタックする彼女を見ていると…こう、血の巡りが良くなる

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