Maneater – 喰って大きく強くなる

本作は普段から俗にサメ映画と呼ばれる劣悪な映像作品集で時間を浪費してしまっている物好きなユーザーには向いているものの、それ以外の正常な感覚を持っている人間にはあまりお勧めできない(開始一時間だけという制約なら美味しいところだけ摘まめるのでアリ)。

というのも本作は母サメの復讐というストーリーがあるにはあるのだが、実際には子サメを操作し、亀やナマズなどから人間、海洋生物へと食物をひたすら食べて体を大きくすることだけが目的なのだ(Sporeの序盤やThe Mawに近い)。単調なレベル上げと言い換えてもいい。申し訳程度のオープンワールド要素があるもののゲーム部分だけを見ればクリックしているだけに近い。レベル一つ上がるごとに大きくなるサメの体に喜びを見出せるようなサメ好きであれば全編を通して楽しいのだろうが、それでないのならどこかで退屈を感じるはずだ。


◆背びれを見せつけて人間を驚かせるジョーズごっこ。こういうなりきりは割と大事だ。恐怖が最高のスパイスってか?


◆サメ映画界では海水はもちろん、沼地砂地内陸雪山上空宇宙空間さえも人間には安全な場所が存在しないのが常識となっているが(フィクションのミルフィーユ)、本作のサメもレベルが上がると共に肺活量も上がっていき水中以外の行動範囲が広がっていく。ああ、エスカレートとは良いものだ

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Grand Theft Auto V – メインミッションのみ

前作GTA4のシングルはストーリーがしっかりと進むので成りあがっている感があり、舞台のリバティーシティ全体もかなり大きさの割には作りこまれていて生活感を感じられ、力強く走る電車からも街が生きているようにも感じられた。

本作GTA5はというと上記GTA4の利点以外をすべて上回っており総合的に大変優れたゲームだ。こちらを好むユーザーの方が多いだろう。理由はとにかく遊びやすいことに尽きる。乗用車も運転しやすくなり、シューター部分で難しい場面もなく、飛行機やヘリコプターなどの特殊な乗り物操作も三回失敗するとスキップが可能になるため、プレイヤーがゲームを投げ出さないように配慮されている。それなりのやる気さえあれば、クリアまでいけるという設計だ。


◆とにもかくにもGTA5はトレバーを描きたかったのだと思う。彼ほど近寄りがたく、悲しく、不幸で複雑なキャラクターの映像は長編ドラマかボリュームのあるクライムアクションゲームでなければ描けない。ドラマでは尺的に描けたとしても、登場シーンから漂う彼の異様さに視聴者の心は即座に離れてしまい細かく目を向けてもらえないだろう。

その点、本作はフランクリンやマイケルといった別の主人公の視点から、有能だが問題のある仕事仲間として半ば強制的に身近にいる無視できない人間として接し続けなければならない。プレイヤーの心を繋ぎとめる仕掛けだ。逆に考えるとこのような濃いキャラクターを出さないと主人公が三人いる意味や単調な長時間のアクションゲームに満足感を出せなかったのかもしれない


◆エクストリームショートカット(いつもの)

Duke Nukem 2 – Rigel Engineでプレイ(25)

Duke Nukem 2(1993)を現代的な環境で快適に実行できるようにするRigel Engineを用いて、難易度Mediumにて一周。Xbox 360パッドの場合はボタン替えの必要なく、USBポートに差し込めばそのまま遊べるといった感じだ。ゲーム部分はショットを撃ちすぎると先の回復アイテムまで壊してしまうため、様子を見ながら慎重に進めるか、アイテム配置を覚えるかの二択という前作Duke Nukem(1991)とほぼ同じ設計。鍵を見つけたりアンテナを壊した後に来た道を戻る展開ばかりなので、探索系2Dプラットフォームが好きならば楽しめると思うが、そうでないのなら面倒に感じるかもしれない。


◆上からの被ダメを抑えることがクリアへの近道。このスクリーンショットでは分かりやすい状況を映しているが、実際のプレイでは天井が見えない場所で毎回上キーを押し、視点を上に動かし敵がいるのかをチェックする


◆メカニックのデザインは後のDuke  Nukem 3DやDuke Nukem Forever: The Doctor Who Cloned Meでも見ることができる。いわば原型だ

American McGee’s Alice – クリア報告

1X年ほど積んでた本作を難易度Normalでクリアまで。雰囲気が良くとてもよく出来ていたので、最初から最後まで楽しい気分を維持しながら遊べた。実際にプレイしなければ良さがわからないだろうし、すでに語りつくされていることもあり、これといって言うべき事柄は無いが、プレイヤーへの道案内が上手だったように思う。小さくなったアリスから見た世界や鏡の国、冒険色の強い溶岩や機械仕掛けのステージなど、数多くの不気味なロケーションでも進むべき道がほんのりと記されており配慮を感じた。また、直線的な場所では戦闘が増え、探索部では敵が少なくなるという作りも、アクションアドベンチャーとしてうまい具合だったのではないだろうか。

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Thief Gold – TDPの方が良いのでは

10年ほど積んでた本作を難易度Normalでクリアまで。2.3時間触れば分かると思うが、全体的によく出来ている。序盤は特にThiefというタイトルそのままのイメージで盗賊ごっこを堪能でき、アクションゲームのユーザーにも丁度良い。ただ、オリジナルのThief: The Dark ProjectからGoldへと変更された際に追加されたThieves’ Guild、The Mage Towers、Song of the Cavernsの三つのミッションは本当に同じ開発が作ってるのか不思議に思うくらい冗長で、質も多分悪い。よってそれらが含まれていないThief: The Dark Projectの方が完成度が高い気がしてならない(他の拡張パックと違い追加ミッションを外すことができない)。


◆敵は鳥目なので、とにかく影(暗闇)に潜り込んでしまうのが定石。音の低位もよく、EAXに対応しているサウンドカードを所持しているならばAlchemyを用いることで、没入感が高まり、本当に闇に紛れている感じがでる


◆派手で悪趣味な宝箱をロックピックでこじ開ける。お宝を売却した金で次ミッションが有利になる買い物システムとの兼ね合いのため、自然とガッツポーズがでるような高価な品物は入っていない・・・はず