Sonic the Hedgehog – いんちきクリア(3)

Steamで配信されているSEGA Mega Drive and Genesis Classicsに収録されているSonic the Hedgehogをクイックセーブを使いながらクリア。序盤であるZONE2からプレイヤーを殺す気満々のステージ群を相手にコンテニューが条件付きというゲームの作りに愕然としたものだが、エミュレーターの機能として、有るものを使っておけの精神で各ステージ開始時にクイックセーブを軽く行い、ゆるく遊んでみた。コンテニューに条件が付いていることにもびっくりしたが、それ以上にソニックが走れないことにびっくりした。一寸先は闇とでも言えば良いのか、ずらりと初見殺しが並ぶステージで走ることはそく死に結びつくため、終始おっかなびっくり画面をよく見て慎重に歩いて進むこととなる。ここに”音速のハリネズミ”といった印象は全く無い。

面白いか面白くないかで言えば、正直分からないところだが…私のように一度だけクリアして終わるプレイヤーはいくつかの思いっきり走れるステージを除き、面白み以前にネガティブな感情ばかりを感じるように思うが、繰り返しMapの形を覚えてソニックを生き生きと走らせようとする根気のある、又はソニックに惚れ込んだり、アクションよりもレースゲーマー気質の強い人は気に入るのかもしれない。

SEGAGameRoom_2018_03_31_18_16_19_938_R
◆イケメンハリネズミのビジュアルは完全に任天堂のヒゲおやじを超えている

SEGAGameRoom_2018_03_29_23_12_24_912_R
◆始めこそ好印象を持ってスタートするが、無茶苦茶な難易度のステージに加え、ソニック自身の貧弱なブレーキ性能、リングを一つでも所持していれば死なないシステムを無視する二段階ダメージでの即死など、キャラゲーのはずなのにだんだんとソニックが嫌いになっていく不思議。Super Meat BoyのMeat Boyに近いか。その点マリオで死んだ際はハンマーブロスだったりトゲゾーあたりに怒りの矛先が向かうため、マリオ自体に腹が立つことは少ない。本作に触れてみると、如何にスーパーマリオブラザーズがアクションとしてもキャラゲーとしても上手に作られていたかが分かる

続きを読む

Mirror’s Edge – 難易度Normalで二週目

本作は一人称視点でパルクールを行う爽快なアクション。また、その個性を潰さないための銃撃戦縮小。透明感と窮屈さが混じり合った美しくもどこか退廃的な雰囲気を、より身近に感じさせるためのPhysX導入など、非常に意欲的な作品だ。今回は約10年ぶりのリプレイということになるが、相も変わらず興味深く遊べた。ゲーム内容は”死んで覚える”という古典的なものだが、一人称視点での泥臭いアクションゲームというのは現在でもユニークなままである。特にビルからビルへの飛び移りに失敗した際の落下する感覚はプレイヤーがネガティブな感情に支配されるほどの大きな衝撃であり、ゲームへの没入感が高い人ほど、忘れられない体験をさせてくれた本作のことを好きになるのではないだろうか。素晴らしい。

MirrorsEdge_2018_03_21_23_58_37_513_R
◆このミラーズエッジってゲーム、本当に凄いんです!なななんと、遊びながら高所恐怖症が克服できるんですよ!!そんなゲーム聞いたことありますぅ?ほんと、方向キーとジャンプボタンだけの簡単操作ですし、普段ゲームを遊ばない方にこそやっていただきたいんですよ。透明感のある北欧風のビル群を駆け抜ける気持ちよさを体験しましたら、あんなにも怖かった高い場所がいつの間にか好きになっていること間違いなし!クリアした頃には、憧れで終わっていたハイキングや観光地のガラス床への恐怖心なんてなんのその。楽しいだけのゲームではなく、あなた自身の成長をも兼ね備えたこのミラーズエッジ、ジャジャネットタカタ頑張りました!今回に限り特別に金利手数(ry

MirrorsEdge_2018_03_22_00_20_08_527_R
◆ヘリコプターが追ってくる時はPhysXの時間でもある。Nvidiaのビデオカードを使っている人は逃げ道よりも景色に注目してみよう(!?)

以下PhysXの写真とか

続きを読む

Brutal Wolfenstein 3D – ピリ辛調味料(6)

ゲーム性だけを見ればWolfenstein 3D(1992)はかなり退屈なゲームだ。如何にして死なないようダメージを抑えるか、つまりは丁寧にクリアリングするだけなのである。後年になればクリアリング(又は偵察)の成功が直接的な楽しさに結びつく高度なステルスゲームも登場するが、残念ながらWolf3Dはそこまでの粋に達していない。『Brutal Wolfenstein 3D』はそんな退屈なゲームに暴力的な快楽と理不尽な死を与えてくれるModで、撃って愉しく興奮できるゲームへ変えることができる。過剰な視覚的褒美を含めた総合Mod、又はファンがやり直すための動機づけの存在としてはなかなか評価できるが、もとがWolf3Dということもあり、どうしてもBrutal Doomのように強くお勧めできるアクションシューターとはなっていない。

gzdoom_2018_03_07_14_45_30_445_Ra
◆残虐に敵を倒すとブルータルボーナスとしてヘルスが5ポイント加算される。調子に乗るとすぐにヘルスが溶けるので要所々々で意識しておくと生存率が上がる

gzdoom_2018_03_19_11_25_51_654_R
◆お決まりのハンドサイン。High Resolution Packを導入するとゲーム内の雰囲気が結構変わる

RealRTCW – 高難易度が正解か(5)

RealRTCW – Realism Modはその名の通り、Return To Castle Wolfensteinのゲームプレイをリアルに寄せたバランス調整Modだ。既存武器の微調整、AIの挙動、多数の新規モデル、音の定位改善、経験者に向けた各難易度の差別化、などかなり大規模に変更が加えられている。が、今回私が難易度Don’t hurt me(本ModでのNormal)をプレイした限りではVanilla Return To Castle WolfensteinのBring’em on(Normal)との違いを感じられなかった。

全体的に弾が当たりやすくなり、AIの挙動が幾分か素直になったような気がするので、単純に簡単になっているような感じはするのだが、リプレイということを差し引くと安易に断言はできない。とりあえずDon’t hurt meを選択する価値が低いことだけは分かった。バランス調整Modを導入したとはいえ新鮮なゲームプレイというよりかは、どのようなゲームかを思い出すのがリプレイの目的だったので、大きな落胆は無いが多少残念であったというのが素直な感想だ。改造されたゲームエンジン(ioQuake3の派生版ioRTCW)のおかげで音の定位が大きく向上した分だけ、通常のゲームプレイはもちろん、高難易度でのステルスプレイも面白くなっているはずなので、興味があれば往年のファンは試してみてほしい(雑で無責任な締め)。

RealRTCW.x86_64_2018_03_03_23_48_28_479_Ra
◆無音で梯子を登れるというのは古典的でよろしい。プレイヤーをとても気持ちよくさせてくれる

RealRTCW.x86_64_2018_03_08_23_32_11_852_Ra
◆ナチスやオカルトの二大要素に隠れ気味だが、美女も結構な数登場する。おまけのHD Textures Packを導入し、彼女たちをさらに美人にしてあげよう(?)

以下ネタバレありなスクリーンショット集

続きを読む

L.A. Noire – 楽しさと退屈さが入り混じる

本作はモーションスキャン技術にて役者の表情の取り込みに成功した、極めて優れた表情描画システムを搭載したとのことだったので、てっきり刑事コロンボのように犯人の顔色を伺いながらネチネチと追い詰めていくゲームかと期待していたのだが、実際はポイント・アンド・クリック型のアドヴェンチャーゲーム的な要素が大きく、論理や推理があまり重視されていないように感じた。どちらかと言えば、「こんな感じかな?」といった風に雑に事件を”想像”して詰問していくのが上手くいくというか、最後まで付き合える遊び方のように思う。尋問についてだが、主人公フェルプスの問い詰め方が元々なのか翻訳の問題か、私の推理力不足か、どうも問い詰めの言葉と反証する証拠が噛み合っていない場面があり、なんだかもやもやする。冒頭に述べた表情描画だが、犯人や容疑者を問いただすと、急に彼らの目が泳ぎだしたり、やたら落ち着きが無くなったりと、憧れの刑事ドラマに参加しているように感じられ、とても素晴らしい出来であった。だが、ゲーム性には結びついていそうでいて、その実はあまり結びついていない印象もあり、嬉しさと残念さが入り混じる。

米国版毛利小五郎?

トンチンカンな質問をして犯人をキレさせる、優れた腕っぷしにより容疑者の確保は上手い、迷推理を披露しまくり信頼を落としても視界が暗くなる度に(Loading画面)いつの間にか周囲が優秀な捜査官だと褒め称えてくれるようになる。以上の三点から本作は国民的アニメになりつつある名探偵コナンに登場する『毛利小五郎』を擬似的に体験できるゲームだと考えたい。本作は主人公が極めて優秀な捜査官であるといったシナリオに沿って進行するため、プレイヤーがどんな迷推理で周囲を失笑させても、章をまたぐ度に開発側の都合により推理ミスを犯していない優秀な捜査官へと不自然にリセットされるのである。確かに選択肢別に物語を作るとなると膨大な作業量となり開発がKaroshiするのは目に見えているが、だからと言って常にスーパー捜査官で強引に通すのもプレイヤーを混乱させてしまうだろう。よって日本人限定にはなってしまうものの、Loading画面中に主人公のおっさんが腕時計型麻酔銃を首に撃ち込まれるアニメーションと共に、『”眠りのコール・フェルプス”が事件を大解決!』という一文を表示させれば、極めて自然な形でゲームの設定や進行に疑問を持たなくなるのではないだろうか。

LANoire_2018_02_25_17_19_36_465_R
◆スクリーンショットでは伝わらないかもしれないが、実際のゲーム内で相手の表情や態度を見てみると、すぐさま怪しいというのが分かる。このような肉体的な動きは社会的地位に比例し、上の方にいくほど表情や思惑が読み取りづらくなる

LANoire_2018_02_25_22_34_28_641_R
◆ベンチで新聞を開く尾行シーン。見事なほどコッテコテのベッタベタ

続きを読む