Stubbs the Zombie in Rebel Without a Pulse – 好きな人は好き

最初に知ったのはGAMELIFEのレビュー記事にて。発売から16年後の2021年に現環境に適応させたVerが再リリースされたため、当時のDemoを触って以来ちょうど昔を思い出す感じで一周遊んでみた。…一番初めにGAMELIFEへのリンクを貼ってしまうと、私が書ける事柄がなにも無くなってしまうわけだが、気が付いた点を箇条書きにしていこうと思う

  • 序盤こそカジュアルな雰囲気ゲームとなっているが、中盤以降はステルス要素が必要となり、終盤はパズル要素が強くなってくるので難易度はやや高め
  • 主人公のスタッブスは時間経過で体力が自動回復。そのため解法を間違った場合でも時間を使ってクリアできる場合もある
  • チェックポイントがこまめに置かれているのは良いが、セーブスロットが1つのため詰みセーブが起こる可能性あり。ここはかなりのユーザーから不満の声がでているはずなので修正できたのではないかと思うが


◆序盤は大量のゾンビを引き連れて多勢に無勢で人間に襲い掛かれる夢のシチュエーションを堪能できる。襲った人間は死後さらにこちらの味方になるのだから、凄まじい倍々ゲームだ。この辺りが楽しさの最高潮だという気がしなくもない


◆Qキーで敵キャラ1体を操る洗脳が行える。銃器を持った敵を狙えば射撃も可能となるので、大分楽に戦闘を行えるようになる。後半は遠距離から撃たれる機会が増えて接近が難しくなるため、なにかしらの工夫が必要だ

Rez Infinite – 技術が追い付いたか

ジャンル的にはレールシューターと言われるものだが、ゲーム性はあってないようなもの。なんとなく視線を動かしてターゲッティングした敵に追尾機能付きのレーザーを発射していれば、いつのまにかクリアできているだろう。本作の価値は視覚や聴覚を刺激してくるアーティスティックな部分にある。サイバー空間、ネットワーク社会、ハッキング、TRON、電子ドラッグそういった単語に興味があれば是非触ってみるといいだろう。Meta Questを持っていれば体験版で雰囲気を掴むこともできる。


◆オリジナル版(2001)からPCやPS4へ移植する際に追加されたArea Xのステージは圧巻の出来。刺さる人には刺さり続ける作品に思えた

S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl – いつもの(4)

長すぎてだるい、というのが正直な感想だ。長くても30時間ほどでクリアできると勝手に思っていたが倍ほどのボリュームがあった。しっかりと物語を進めたという点(?)は評価できるが、いかんせんプレイヤーに集中力や理解力を求めてすぎている気もする。序盤はまだしも中盤は長距離移動が多く、30分歩いた後に話を聞いてまた次の目的地まで30分歩くだけといった展開が結構な頻度で起きる。スカスカで巨大でゾーンに対して、歩いているだけで世界観に浸れて楽しいといった心酔しているプレイヤーでなければ苦行のようにも感じるだろう。

現代のゲーム(娯楽)としては面倒で時間を食うだけの”終わっている”レベルであるが、ここを2006年当初から変えなかった点がこのゲームの高評価に繋がっているのだろう。GSCは下手に迎合せず、誰が自分たちを評価しお金を落としてくれるのかをしっかりと理解できているようだ。この判断は自体は簡単だが、しっかりと実行できるところは流石である。


◆当たり前だが15年も経てばグラフィックは大幅に向上する。長いシェーダーコンパイルに不満が無いわけではないが、退廃さと美しさが入り混じった独特の景色を見るとネガティブさは薄まる


◆適切な武器を装備しリーンを使いながらしっかりと相手の頭を狙うのが基本的なスタイル。本作は敵が圧力を掛けてくる距離が決まっている場面も多く、キツイと感じたら大きく後ろに下がるとわりと楽になりがち

みんな大好き塊魂アンコール – かたまりだましい~♪

Xbox360のパッドを使用して一周。私は物を長持ちさせるというのが自慢で普段から手の取る物は極力やさしく触れているのだが、ここ数年で記憶にないほどパッドに力を込めながらプレイしていた。本作は操作はなかなか独特で、初めのうちは思い通りに塊を転がせず苦労するだろうが、操作に慣れる頃には”ゲームルール”の理解も恐らく進んでいるはずだ。ここで言うゲームルールというのはゲーム内のクリア条件ではなく、開発者の想定している道筋に素直に乗っかるという意味である。

本作は基本的に既定ルートを外れると時間内に塊を大きくできず失敗となる。小さい物を巻き込みながら塊を大きくするというゲームの特性上、どうしても時間制限を設けないと面白みが無くなってしまうからだ。だらだらと塊を転がすだけで大きくできるならば作業となってしまうため、ゲーム性の担保としてしょうがない部分もあるのだが、ここに気が付くとやや熱が冷めてしまう。そういった余計なことを考えなければ、塊をどんどん大きくしていって障害物をゴリゴリと巻き込み潰せるようになる設計はユニークであり、後半には高い爽快さも感じられる。カジュアルなゲームとして見れば、遊びやすく上手にまとまっていて良いのではないだろうか。


◆初めは部屋の中に落ちている小物をまとめる程度の塊


◆大きくなった塊は最終的には高層ビルやピラミッドなど人が作った建造物全般を巻き込めるまでになる。こういった馬鹿馬鹿しいエスカレートさはゲーム的な表現として最上級だと思う

Dead Island 2 – 正統な進化はしたが

強そうな説明文からジェイコブと迷ったがダニを選択し一周。前作と同じくゾンビををぶん殴るだけのゲームであり、それを分かっているユーザーの期待には十分応えられている出来。前作で大きな不満だった「せっかく作成した武器がすぐに威力不足になる」という問題にはマッチレベルという金銭追加で解決できるようになり、不便だったファストトラベルも容易に実行できるようになった。スキル面も内容はともかく気軽にリセットできるようになって失敗や後悔のマイナス感情は減っただろう。

そういうわけで全体的に遊びやすくなったものの、便利さで言えば”並み”になったというだけだし、前作の不便さは今となっては強めのサバイバル感があり味があったようにも思える。今作は便利になった反面、アクションゲームとしての色合いが強く出ており、この辺りはシリーズのファンでも好みが分かれそうだ。不穏さが減って雰囲気も明るめになった。普段は明るいゲームを好む私も前作との変わりぶりに若干戸惑いを感じる。決して悪いゲームではないが、目新しい体験ができるというわけでもないのでお薦めはしづらい。出来ることが増えていく3~7時間が楽しさのピークだった。


◆お気に入りの武器はバット。火力と射程と攻撃速度のバランスを考えるとバットだけがまともという感触だったのだが、使用キャラクターやスキル構成で変わるのだろうか?


◆銃は属性と組み合わせるとオイルへの着火や水面へ電気を流したりと便利に運用できるが、いかんせん弾薬が少なすぎる。撃たせたくない気持ちが伝わってきて、あまり気分が良くない。先日遊んだDead Island: Riptideは使い切れないほどの弾薬が手に入り、好きに撃ってくれというヤケクソ具合だったが、むしろこのくらいの方が良かった。殴っても撃っても良いという選択の許可は、普通のプレイヤーが殴り飽きることを見越しての調整だったと思う。10時間以上殴り続けて飽きないのは脳筋プレイヤーの中でも相当な”エリート”のはずだからだ