3DO Doom maps for Modern Engines – 動画で十分か(36)

3DO Doom maps for Modern Enginesはその名の通り3DO版DOOM(1996)のmapをGZDoomやZandronumなどのSource portで遊べるようにしたAddonだ。何故このようなものが最近になってが出てきたかと言えば、2014年に突如ソースコードが公開されたためだと思われる。Mapの構造はAtari JaguarやPlayStationといった他のコンソール機と同じ物のようで、特別目新しくはないが(PC版を超えるという野望があったようだが頓挫した)、3DO版には他の機種とは違う格好良くアレンジされたBGMが採用されており、これが現在における最大の価値と言えるだろう。逆に言うとBGM以外に見どころが存在しないため、実際に触らずともYoutubeで曲を再生するだけでいいかなという気がしないでもないが、そうは言ってもやはり『ゲーム』なので試聴してみて興味が湧いたのならば是非遊んでみてほしい。マスターマインド不在ということもあり慣れたプレイヤーならば二三時間でクリアできるはずだ。

gzdoom 2015-12-06 13-35-18-08_Ra
◆開始三秒後のスクリーンショット。Mapの形が同じであるPlayStation版は独自の地獄的配色で誤魔化せていたが、3DO版は性能の問題か時間が無かったのかPC版に比べてかなり寂しい

gzdoom 2015-12-11 18-57-20-65_Ra
◆PC版のスクリーンショット。意識したことは無かったがこうして見比べてみると意外とカラフルで細かく作りこまれていたんだなと分かる

Alchemy Mysteries: Prague Legends – ゲーム性は有る

Sinister CityというADVが結構面白かったので、同開発会社の本作にも手を出してみた。内容はアイテム探し、つまりはHidden Objectという名前のジャンルらしいのだが、私はこの手のゲームにまったく触れていないので本作がどの程度の難しさなのか説明できない。ただ一つ言えるのは、行ったり来たりの移動が多いため非常に面倒だということだ。難しいかどうかで言えばそれほどでもないのかもしれないが根気が必要なのは確かで、ヒント機能を使わないのであれば錬金術士になったつもりで辛抱強くマウスをクリックし続けてもらいたい。物語の方は意外性に欠けやや微妙かもしれないが、雰囲気は錬金術という題材をうまく活かせていて中々良い感じである。

AlchemyMysteries_PragueLegends 2015-11-30 21-56-18-86_R

DOOM64 TC – 難易度I own Doom!で二周目(35)

数々のPWADをプレイして分別がついてきたのか、全体的にMapを面白いように感じなかった。DOOM64 TCが九割方DOOM64を再現しているという前提で書くが、1997年当時ならいざ知らず、2015年現在で即死上等の無駄に行ったり来たりをさせるようなクドいデザインは単純に面倒なだけだ。64版には重い効果音や沈みそうなBGM、気の滅入りそうな雰囲気などの良い面もあるが、ことMapに関しては繰り返して遊べるほど作りこまれていないように思う。

  • 仕掛けが難解かつ失敗時に即死というような罰がキツすぎて好きになれない
  • Baron of HellとHell Knightの配色が似過ぎていて、MAPによっては一瞬で判別できない
  • Pain elementalはPC版よりも高い頻度でロストソウルを吐き出すので非常に厄介
  • ゲーム後半のショットガン兵の配置場所は素直に上手いと思う

Absolution 2015-11-28 13-13-08-72_Ra

Timeshift – 時ヲ操リ敵ヲ殲滅セヨ

本作は『Timeshift』と言うだけあって時間を遅らせる、止める、巻き戻すといった三つの行動が肝となっている。戦闘を有利に展開させるのは勿論、進行を妨げる障害を取り除く用途にも使われ、早い話が全編で時間を操りながらゲームを進めるのである。戦闘は体力自動回復方式を採用しているが、体力上限が低く設定されているため正面からの撃ち合いは非常に不利。ということで開発者の意向に従い、ガンガン時間を遅らせて(Bullet time)敵を殲滅していくのが良いだろう。はっきり言ってプレイヤー側が有利すぎてシューターとして面白いわけでがないが、格闘漫画の超能力キャラクターになったつもりで遊ぶのならば、なかなか面白いように思う。敵の意識外から遠距離攻撃で仕留めにかかるというのは実に気持ちがいい。

戦闘の他には時間を操作してパズルを解く箇所がいくつか存在するが、それほど難しいわけではなく戦闘の邪魔にはならない。なので「せっかく時間を操作するユニークな作品なので、もう少しパズルの難易度をあげても良かったのではないか」というような一見建設的な意見を書いてしまいがちだが、実のところパズルと戦闘は程よく組み合わさっていて、単調な戦闘の合間に頭の体操が入る感じで中々心地よくダラダラと遊べる。そんなわけで六時間ほどは楽しい気分でいられたのだが、この辺りが『一芸特化』の限界なのかと少し飽き始めた時にThunderBoltというクロスボウが手に入り、ゲームが急速に傾く。高い望遠率と火力と燃費と弾倉容量を持つこの武器に時間操作が組み合わさると敵との戦闘が完全な作業へと変わるからだ。さらに言えば急にAmmoboxが短い間隔で配置されるようにもなり、ThunderBoltの弾薬が尽きない。小まめに自動小銃の弾薬を拾っていた前半はなんだったのか。ThunderBolt登場以降はパズルの方もアイデア不足なのかパッとしないものばかりで食傷気味。私の感覚からすると尺を三割ほど削ったほうが上手くまとまるように思うのだが、ロシア人の感覚からするとプレイヤーが優位な時間は長ければ長い方が喜ばしいのかもしれない。

  • ロシアゲーかつPCゲームの臭いが強い
  • ストーリーは凝っているように思うが時系列がごちゃごちゃでプレイしながらの理解は難しい
  • 初見殺しが多いものの、オートセーブが適切なのでストレスにはならない
  • キャンプして少しづつ相手の戦力を削るのが有効な場合と逆に前に出た方がいい時がある
  • 後半には敵も爆発物で攻撃してくるが、その攻撃力が高すぎず低すぎずで丁度よい
  • お腹いっぱいになるまで時間を操作できるので、そういうのが好きならばオススメできる

TimeShift 2015-11-14 12-05-27-71_R
◆時間を止めて敵の頭に鉛弾をぶち込む

TimeShift 2015-11-16 11-57-19-95_R
◆時間を巻き戻してパズルを解く

以下スクリーンショット集

続きを読む

Tiny and Big: Grandpa’s Leftovers – 岩を切るだけで高揚

パンツ大好き開発チームBlack Pants Game Studioによって作られた本作Tiny and Big: Grandpa’s Leftovers。大まかなストーリーは主人公Tinyがおじいちゃんのパンツ(偉大なる遺産)を「穿くよりも被る派」のBigに盗まれてしまったため、それを取り返すというもので、笑いあり涙ありの一大スペクタクルパンツ奪還劇となっている。ごめん嘘ついた。

真面目に内容を話すと、このゲームは各所に置かれているオブジェクトを切って、押して、飛ばして、引っ張ってなんとかゴールに辿り着くといったアクションパズルだ。プレイヤーとして嬉しいのは、最初のチュートリアル以外はこちら側に何も強制してこない点。つまり、遺跡に登ったり寺院を下ったりといった大まかな指示はあるが、それを達成するための方法は完全にプレイヤー側に任されており、Tinyの持つレーザーカッターで好きなように道を作り出しゴールを目指せるのである。また、Big以外との戦闘は存在しないので、ゆっくりと見て、考えて、試して、進行ルートを創造できるのも、落ち着いてパズルを解いていくような感じで頭の体操に丁度よい。これ以上の説明となると動画を見たりDemoをプレイしてみて視覚的に理解するほうが早いと思う。

tinyandbig 2015-11-19 21-37-10-94_R
◆驚くほど巨大な岩石を切断可能。非常にユニークであり、このゲームの大きな特徴だ。み”~~

tinyandbig 2015-11-20 13-40-26-87_R
◆良くも悪くも色気のあるパンツは出てこない

うーん、やる気の無さが記事に滲み出てしまっている。こういう時だけ都合よく『PCゲームを食べ散らかす日記』であることを免罪符のように使ってしまうわけだが…まぁあまり深く考えないようにしよう。特別に伝えたいこともないまま自分が書くよりも詳細にレビューしている記事を見つけてしまえば、やる気など出るはずもないのだ。そういえばレビューで思い出したが、GAMELIFE氏の最後のゲーム記事も本作だった覚えがある。