Imagination World TC V2 – おおらか(25)

2002年公開のImagination World TCをオーバーホールし、2010年に公開されたのがImagination World TC V2だ。とにかく射撃感の良いゲームで、撃った瞬間に心地よい手応えを感じたプレイヤーはクリアまで楽しめるだろう。名前から想像できる通りロケーションも豊富、かつ各ステージも終盤までコンパクトなため遊びやすい。

今回遊んだV2はEDuke32に3Dモデルを適用する方式が固定されているのだが、私の環境では数か所でテクスチャバグが起こり、そのうちの一つは進行不能状態まで陥ったため(dnclipで回避)、後発だからといって上位互換になっているかは不明だ。ひょっとしたらV2ではないV1(スプライド描画)の方が動作安定しているかもしれない。


◆既視感を覚える手と銃。前述した射撃感の良さをゼロから作っていたのならば、凄まじい出来だとべた褒めしたが、残念ながらアセットというか、どこかで見たり触ったことのある銃をそのまま移植したといった感じだ。混ぜ方自体には高いセンスを感じるが…おおらかな時代のModである


◆Build Engineの癖を理解できていれば、ピストルを超遠距離で活用させることができる。こういう限られた箇所でメイン武器の弾薬を節約することがゲームの進行を大きく楽にさせる

Back in Business – 疑似じゃない3Dでやった方が(24)

全4MAP(+ブリーフィング)で構成されるDuke Nukem 3D modの『Back in Business』に触れてみた。本来は三つの鍵を集めて進む単純なシューターであるDuke Nukem 3Dから、いくつかmap内でやるべきことが増やされており、かなり革新的なmodとなっている。

単純で直接的な「シャワーを浴びろ」といったものなら負担にもならないが、「二つの化け物をデミュテートしろ」といったざっくりとした指示のもと、新登場の改造スプライト(画像)相手に格闘するのはバニラの解法から遠く、なかなかに骨が折れる。ルート探しも過去の経験が通じない特異なものばかりで難易度が高いように感じた。風変りなDN3Dのmodを求めているユーザーにしかお勧めできない。

Duke Nukem: Alien Armageddon – New Invasion(23)

Duke Nukem: Alien Armageddonは近年出来上がったDuke Nukem 3DのTotal Conversion。新しい武器、敵、NPCに加え、人工知能搭載のグラマラスな美女が共闘してくれる(彼女と操作キャラクターを交代することもでき、M4やDesert Eagleなど追加された強力な武器が使えるようになる)。プレイ感覚は自然な拡張パックといった感じで心地よく、相当このゲームが好きな開発者が作ったんだろうなと思う。

今回遊んだのは「New Invasion」という当Modに含まれたエピソード。目を引くMap全体の外観や思わず足を止めてしまう小物やポスターなどにも相当力が入っており、mapをうろうろしているだけでも相当楽しめる。そのクリエイター魂(サービス精神?)が抑えきれなかったのか、最初のステージだけやたらと繁雑になってしまっている。触ってみようという人は是非2ステージをクリアまでを目標にしてもらいたい。すべてが煩雑でないと分かるはずだ。あと知る必要は少ないと思うが、ストーリー的には公式拡張パックDuke Caribbean: Life’s a BeachとDuke it Out in D.C.の間の話となっている。


◆「レーダー付けたから、多少難しくしても大丈夫でしょ?」という意志を感じる。戦闘から謎解き、ゲームの隅から隅まで経験者を想定した作りになっている


◆遠くから狙撃してくる敵が増えた分だけ、対抗できるようにとRailgunを持たされる。このあたりの調整によりゲームバランスが多少変わっている

Duke Nukem 3D: 20th Anniversary Edition – Episode5(22)

完全新規のエピソード『Alien World Order』が追加されたということで買ってみた。20年ぶりに追加されたEpisode 5は結構な力が入っており、ファンならば容易に価値を見出だせると思う。分かりやすい新要素としては火炎放射器と高耐久型のエイリアンが追加されたことだが、どちらもオリジナルのDuke Nukem 3Dのバランスを破壊しないよう、うまく調整されていたように感じる。テンポも良く、強力な武器で大ボスと戦う機会も多いので、全体を通して出し惜しみをしていない印象を受けた。過去作のファンを想定したうまい作りだ。思いきり銃が撃てて楽しめた。

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◆追加された火炎放射器はポンッポンッと火炎弾を出すタイプのためテンションが上がらない。Duke Nukem 3Dのα版にはFlamethrowerという名前で製品版Freezethrowerの変わりに存在していたらしいが・・・?

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プレイバック機能。死ぬと進行状況のロードをどこからでも選択することができる。画像を見れば察しが付くと思うが、死んだ3秒前にでも30秒前でも300秒まえにでもゲームを戻すことができる。クイックセーブすらも不要な究極の復帰システムだ。さらっとアクションゲームの寿命を十歩縮めたような気がしないでもないが、当然オプションから切ることもできるので、お好みで

Duke Nukem – BGMが無いと寂しい(21)

GOG版(販売終了)のゲームファイルを強引にWindows98SEに移動させMS-DOSモードで動かしクリアまで。装備品はS3 Savage4 Pro+Creative AWE64 Gold+Microsoft SideWinder GamePad。どのようなゲームかを一言で言うならば、レトロな2Dスクロールアクションというのがしっくりくる。特徴としては主人公Dukeを大きく映しすぎている点だろうか。実は数年前に触ったDuke Nukem: Manhattan Project(2002)でも「Dukeにカメラが寄りすぎて敵が映らない!」と不満に思っていたりもしたのだが、初代からその仕様であったと分かったので、ある程度の納得はできた。つまりは緻密なゲームバランスよりもキャラクター性を押したゲームということなのだ。

アクションゲームとして特徴的なのは“銃を撃ちながら進むと回復薬が壊れる”といったもの。通常の回復剤には肉と薬の二種類が在り、肉に光線が当たればこんがりと焼けて回復量がアップしたりもするのだが、薬の方は先言った通り壊れてしまう。そして敵と一緒に出現するのは圧倒的に薬の方であり、肉は一息つけるような安全な場所にあるわけだ。ここでDukeが巨大である点と絡んでくる。Dukeを主役として目立たせている分だけ、ゲーム画面全体が狭くなり先の見通しが極めて悪いのだ。そのため敵の姿が見えたら、もうDukeの目の前に迫っているといった状態になる。だからこそ、危機回避のため銃を撃ちながら進みたくなるわけだが、適当に乱射しているとすごい勢いで回復剤が壊れていくため、少しずつ歩いて敵と回復剤を識別しながら行動していくのが定石となる。逆にHPが満タンの時は回復剤を無視し破壊しながら銃を撃ちながら進んでも良いわけだが、初回でHP満タンの状態をキープすることは極めて難しい。そういうわけでアクションゲームの仕組みとしてはよく出来ているのか、そうでないのかよくは分からないが、実際にプレイしてみると不思議と面白く、3D Realmsのレベルデザインが優れている証なのかもしれない。

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◆DOSゲーのキャプチャ方法が分からなかったのでDosboxでのスクリーンショット。リアルキャプチャー(デジカメ)かハードウェアキャプチャー機器が必要だろうか?

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◆本作は三つのEpisodeから成り立っている。Episode1と3はよく出来ている…というか普通なのだが、2はボリュームアップを狙ったのか、意味があるとは到底思えない巨大で粗雑なレベルが多い。例えるなら、小学生が休み時間に書く巨大迷路のようなものだ