DAIKATANA – 進行度50%(1)

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京都編とギリシャ編の二つをクリア。ボリュームのある作品なので久しぶりに記事を二つに分けてみた。まず京都編だが、世間で言われている通り、なかなかの酷さだ。やたらと主人公の体が引っかかる狭いMapで、小さく素早いうえに動きの予想がしづらいカエルやトンボを相手にするのは結構なストレス。もしかしたら富野作品のファンかつ重度のクソゲーマーならば「落ちろ蚊トンボ!」などとノリノリで遊べるかもしれないが、9割以上のプレイヤーには「クソ」と一蹴される代物だ。別の視点から、ジョン・ロメロはプレイヤーが嫌がることをよく知っているからこそ、あえてわざと、このようなレベルデザインをしたことに対して奇才という風に評価できなくもないが、それは熱狂的なファンであるかひねくれ者であり、素直な考え方ではない。付け加えると、音の定位も異常に悪いため、戦闘面において耳が使える場面が無い。これにより上空から攻めてくるトンボの対処の面倒臭さが上がる。同時期にでた同EngineのSoldier of Fortuneの音の定位はとても良かったのだが。

一応というか、個人的には京都編は笑える系のクソゲーであると明記しておきたい。「あ~なんでこうちゃったのかなぁ」「戦闘つっまんねぇなぁ」「サイドキックシステム要らないっしょ?」「わざと武器を使いづらくしただろ!」「やっぱり白い粉でも吸ってたんじゃないかな…」と全編にツッコミどころしかないので、肩の力を抜きやや斜に構えた感じで遊ぶと結構愉しめるからだ。酷いのは確かだが思ったほど酷くないというのが素直な感想。これが笑えない系クソゲー代表のHaloあたりだと「なぜ俺がこんな漢字ドリルみたいなことをせにゃならんのだ」と殺意めいたものが沸くのだが、そういうのとは大きく違う。同じクソゲーカテゴリでも、やはり笑える系に属している方はかなり救いようがあるように思う。ゲームの最終目的は楽しむことであり、ゲームそのものがたとえつまらなかったとしても、もちろん面白い方が良いのだが、プレイヤーを楽しい気分にさせてくれるのであれば、それはそれで十分なのではないだろうか。少なくとも日本語版Ver1.1ではそのように感じた。

ところ変わってギリシャ編はかなり面白い。その面白さとはMapを進めていく楽しさだ。文章ではうまく伝えられないが、先を見てみたいという心を大きく刺激される。京都編よりはマシとはいえ戦闘は相変わらずつまらないし、サイドキック(味方NPC)が足を引っ張るわで、大刀(Melee)に爽快感が無いわでアクションゲームとしては酷いものだが、Map単体の質は間違いなく高い。ここまでくると、アクションアドヴェンチャーとして評価した方が良いのではないかと思えてくるほどだ。Rune(2000)あたりも同じで、戦闘が微妙でも先に進むのが面白かったし、それと同様のカテゴリに分類したいように思う。続くノルウェーとサンフランシスコもこのギリシャと同じくらいの質であれば良いのだが。

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◆タイトルにもなっている近接武器の大刀。強めの調整にはなっているものの、振り回して楽しいものではない。不可解で不快な一回のクリックで二回切りつける糞仕様は、やはりロメロが影響を受けたというクロノトリガーのオマージュだろうか?(主人公クロノの最強武器「にじ」はクリティカル率70%の壊れ武器で、クリティカル時には二回切りつける演出が抜群に格好良く、爽快感と強力さを同時に味わえた)

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◆無限に使える体力回復装置が各所にあるため、理不尽さを感じるような難しさではないが、80年台RPGのように少し進んでは回復のために戻るといった作業めいた行動に感心はできない

Duke Nukem – BGMが無いと寂しい(21)

GOG版(販売終了)のゲームファイルを強引にWindows98SEに移動させMS-DOSモードで動かしクリアまで。装備品はS3 Savage4 Pro+Creative AWE64 Gold+Microsoft SideWinder GamePad。どのようなゲームかを一言で言うならば、レトロな2Dスクロールアクションというのがしっくりくる。特徴としては主人公Dukeを大きく映しすぎている点だろうか。実は数年前に触ったDuke Nukem: Manhattan Project(2002)でも「Dukeにカメラが寄りすぎて敵が映らない!」と不満に思っていたりもしたのだが、初代からその仕様であったと分かったので、ある程度の納得はできた。つまりは緻密なゲームバランスよりもキャラクター性を押したゲームということなのだ。

アクションゲームとして特徴的なのは“銃を撃ちながら進むと回復薬が壊れる”といったもの。通常の回復剤には肉と薬の二種類が在り、肉に光線が当たればこんがりと焼けて回復量がアップしたりもするのだが、薬の方は先言った通り壊れてしまう。そして敵と一緒に出現するのは圧倒的に薬の方であり、肉は一息つけるような安全な場所にあるわけだ。ここでDukeが巨大である点と絡んでくる。Dukeを主役として目立たせている分だけ、ゲーム画面全体が狭くなり先の見通しが極めて悪いのだ。そのため敵の姿が見えたら、もうDukeの目の前に迫っているといった状態になる。だからこそ、危機回避のため銃を撃ちながら進みたくなるわけだが、適当に乱射しているとすごい勢いで回復剤が壊れていくため、少しずつ歩いて敵と回復剤を識別しながら行動していくのが定石となる。逆にHPが満タンの時は回復剤を無視し破壊しながら銃を撃ちながら進んでも良いわけだが、初回でHP満タンの状態をキープすることは極めて難しい。そういうわけでアクションゲームの仕組みとしてはよく出来ているのか、そうでないのかよくは分からないが、実際にプレイしてみると不思議と面白く、3D Realmsのレベルデザインが優れている証なのかもしれない。

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◆DOSゲーのキャプチャ方法が分からなかったのでDosboxでのスクリーンショット。リアルキャプチャー(デジカメ)かハードウェアキャプチャー機器が必要だろうか?

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◆本作は三つのEpisodeから成り立っている。Episode1と3はよく出来ている…というか普通なのだが、2はボリュームアップを狙ったのか、意味があるとは到底思えない巨大で粗雑なレベルが多い。例えるなら、小学生が休み時間に書く巨大迷路のようなものだ

Singularity – Raven先生の次回作に

良いゲームだった。点数にすると84点から77点の間くらいだろうか。確実に売れるゲームを作ったといった感触だ。Half-LifeやF.E.A.R.やCryostasisやTimeshiftなどの人々に受けている要素をうまく混ぜて、面白いように調整して作ったというのは、さすが長年FPSを製作してきたRavenと言うべきか。が、しかし、やや薄っぺらい印象を拭えない。なぜならば一周遊べばそれで満足できてしまうような作りだからだ。二週すると違う面が見えてくるという意見もあるが、基本的には「どこかで見た要素を組み合わせたゲーム」であり、「中盤以降の主人公がオーバーパワー」であり、「アイテム拾いが面倒」なので、二週目をやろうと意欲が湧かない。二つ目と三つ目に関してはDeadSpaceのように高難易度の高難度化とパワーアップ状態の引継ぎを組み合わせる形でプレイヤーを誘導できるように思うが、一つ目の「どこかで見た~」を覆すほどの仕組みと面白さと力強さをSingularityは明らかに持っていない。長年FPSを遊んでいる層だと、あ~FEAR(ジャパニーズホラーorお化け屋敷)っぽいな~、あ~Half-Lifeぽいな~、あ~Legendaryっぽいな~といった一週目から既視感バリバリのプレイになっているはずだ。近年FPSを始めた層は分からないが、少なくとも私にとっては本作は一周で十分なゲームなのである。

…と、ここで話をひっくり返すが、実はそんなことはどうでもいいのだ。今まで話した意見というのは一般的な開発会社であればという話であり、作ったのがRavenだと別の話になる。そもそも過去Ravenの作ったHeretic、Hexen、Soldier of Fortune、Quake 4、WolfensteinといったFPS達は全体の出来はさておき、銃を撃った感触が抜群に良く出来ていた。逆に本作Singularityは全体の出来が良く、銃の感触がスカスカといった真逆になっていることに注目したい。私のような五感を重視して遊ぶFPSゲーマーにとって、Ravenがこのようなゲームを作ったことは非常に痛手である。市場を理解しているから彼らだからこそ「ああ、ついにお前らもこういうゲームを作るようになったのか」と残念な気分になる。まったく人(ゲーマーor私)というのは我侭なもので、Ravenがくどい戦闘ばかりを用意すればやり過ぎだと言い、優等生的で優秀なゲームを作ればまた別の不満を言う。しかしながら、Ravenは有能な集団なのである。恐らく現在の彼らはCoDの外注にて資金的余裕があるはずなので、DOOM(2016)が世間に受け入れられているのを見ながら、本作のような高いまとまりのシステムかつ、銃を撃つ感触の良い最高のQuake5やそれに変わるピュアなシューターを作ってくれるのではないかと大きく期待している。なにしろ市場をよく見ているのだから。

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◆壊れた橋の時間を戻し直す。UnrealEngine3で開発した最大の利点はこのビジュアルだと思う。実に見栄えが良い

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◆ひとつ上のスクリーンショットで分かるようにビジュアルは強化されたが、その弊害として実弾武器の感触が悪化した。もともとUE3は実弾武器には向かないのかもしれないが、Tom Clancy’s Rainbow Six: VegasやMedal of Honor: Airborneなどを見ている限り、絶対に無理というわけではなさそうだ。しかしながら、出来上がったのは意図的なのか技術的な問題なのか、撃っていてあまり面白みを感じないものだったのが残念

They are Alive! – 祖国と職のために戦え

GamersGate版を難易度Mediumでクリアした。本作はロシアのOrion Gamesが制作したバリューFPS(?)だ。ここが開発したゲームはHellforces、The Stalin Subway、The Stalin Subway: Red Veil、Dusk-12に続き五つ目となるわけだが、それらに比べ最もボリュームが少なく、また最も遊びやすいゲームとなっている。一応言っておくが、遊びやすいことが面白さに繋がっているかというとそんなことはなく、体力が自動回復方式に変わった分だけ、元から雑だった敵の配置がさらに雑になったようで作業感が強くなった。個人的にはDusk-12の方がシューターとしてまともだったので、これを焼き直しても良かったのではないかと思うが、市場の反応は良くなかっただろうな。見どころと呼べる点は、従来から続く個性的なBGMと唐突に宇宙人やロボットと戦う超展開くらいなもので、そういうのが好きなプレイヤーは楽しめると思うが…まぁ…。

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◆デュワ!真実のサングラス(仮)を掛けることで、自分の職場と国を侵略し始めた奴らの正体を見破れるようになる

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◆全体的に戦闘の面白いAIではないが、集団で現れるアンドロイドの敵は特にプレイヤーを認識しない系の動きで、集団でプレイヤーを無視しながら位置取りをするあたりが、なかなか気分を盛り下げてくれる

ひぐらしのなく頃に礼 – そう来たか(9)

賽殺し編、昼壊し編、罰恋し編の三つが収録された「ひぐらしのなく頃に礼」を読み終えた。昼壊し編と罰恋し編については中身の薄い喜劇的なシナリオなので特に言うことはない。残った賽殺し編については、通好みだとか真の最終章だとか言われているらしいが、素直に面白いと感じた。本編八話は言ってみれば枝の先部分だけがIF(もしも)の物語群だが、賽殺し編は根っこの部分がIFになっているという”世間によくありそうなIF”の物語となっている。実際にゲームを初めてみると、本編の物語に少々熱を入れすぎたせいか、根底部分が変わるという可能性が完全に頭から消えていたため、大きなショックを受けたし、物語自体も主人公古手梨花にとって絶望的な展開であり、それに引きづられる形で随分とゲンナリした気持ちで読み進めることとなった…が、まぁ、最後まで総じて楽しめた。本編終盤で梨花が精神的成長をしたように、本シナリオでさらに一歩精神的な成長をしているのが、後日談という形のおまけシナリオで締められてるのはなかなか良いと思う。

どうでもいいが、私は古手梨花というキャラクターがあまり好きではない。容姿は好みの範疇であるが、テキストを読む限り、とても不安定なキャラクターだからだ。竜宮レナを除けば主要メンバーは皆、(成長の余地を残した)不安定さが”きちんと”描写されているのだが、古手梨花に限っては不安定な様が”不安定”に表現されているため、多重人格のように思えてならない(テキストに関しては恐らく竜騎士07氏が悩みながら書いていたのだろうから、それに関して批難をしているわけではない。ただ連続して読んだらそう感じたというだけの話だ)。プレイした人間にしか分からないかもしれないが、あのような言動と設定がぶっ飛んだ不安定なキャラクターは正に不気味というより他ない。また、梨花の思考パターンは私自身と似ているところが多く、同族嫌悪的なものなのだろう、それも加わってやはり好きになれない。あと梨花について一番の「学習能力が低いのではないか」という疑問だが、これは本作で少し補足されていて、母親との関係性という心理学的な面からそこそこ納得のできる解答が存在する。これにより多少の見方は変わったものの、やはり不気味な印象に変わりはない。

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今回使用したビデオカードはATI Radeon 9000とMatrox Parhelia(初期型128MB)のアナログ出力とデジタル出力だ。Radeon 9000はアナログで絵を出したのだが、なかなか良い色が出た。近年のGeforceでデジタルハイバランスを少しプラスの方向に弄った、つまりは私がいつも調整しゲームを遊んでいる馴染んだ色だ。それに赤みだけが少し濃く出る感じで、発色に関しては実に理想的で良いビデオカードのように感じた。この色があまりに好みであったため、後に動かしたParhelia様の画質でまったく感動しなかったのが残念でしょうがない(すっごくすっごく期待してたのに!)。Parheliaは確かに非常に綺麗で正確な色の絵が出せる。出せるが、それは私の好みの発色では無いのだ。最後に、『ひぐらしのなく頃に』全11シナリオ読むのに10枚のビデオカードを使うという時代遅れで実験的な試みだったが、やってよかったと大いに思う。やはり自作PCが面白かったのはAGP規格が主流の時代であったし、各ビデオチップや販売会社にも個性が存在し、それらをとっかえひっかえカードを入れ替え画質を比べる遊びは、実際にやってみるとなんとも言えない味わい深さなのだ。もちろん、今の環境のほうが間違いなく良いと理解はしているのだが。