Quake – ノスタルジックに三周目(15)

ノスタルジックな気分を味わうための用意した道具はVoodoo3とATキーボードとボール式マウスの三つだ。Voodoo3はGLQuakeを通してGlideで描画してみた。一言で言えば自然な美しさといった感じだろうか。HUDのチラつきを完全に抑えられなかったのが残念ではあったが(時間をかければ手段は見つかりそう)、idの想定した色合いを十分に堪能できたように思う。満足感がある。Darkplacesに高解像度テクスチャを乗せたanti-aliasingマシマシのグラフィックも確かに綺麗ではあるが、あまりに現代的すぎるのだ。見栄えを追求するあまり原色からも離れてしまっているし、なによりQuakeの正しい姿を知る意味で、今回新たに組んだRetro Gaming PCでプレイして良かった。

ATキーボードはVoodoo3と違い、わざわざ用意したのではなく、コレクションから引っ張りだしたもの。Windowsロゴキーが無いだけで今日のキーボードとさほど変わりない。が、ボール式マウスの方は近年のゲーミングマウスと結構違っていて、光学式(DeathAdder)よりも明らかに動きがぎこちなかった。物理的に動くボールをセンサーで読み取るという仕組み上、仕方ないといえば仕方ないのかもしれないが、特に違和感を感じたのは、とっさに振り向く動作(180度回転)の時だ。マウスを強く押し付けないとボールが回らないし、その力を入れた状態で素早く動かさないことには視点(レティクル)も高速に動かないのだ。わかりにくく用語を使うならばリフトオフディスタンが存在しないということ。やさしくデバイスを持つ私からすると、あまりに不自然な姿勢を強いられるので、次も使おうかなという気分にはならない。ボール式マウスというのは元来ゲーム用を想定して作ってたわけではないと思うが、今回の結果から(ゲーミング)マウスの進化を感じられてなかなか興味深かったように思う。

  • 難易度Normalで軽く一周
  • モーションコマ(?)が少ない?現代のQuakeに馴染んでいると敵の動きがぎこちなく、ping200の世界に見える
  • Episode1-3はいつ遊んでも面白い。Episode4はいつ遊んでもつまらない

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◆紫色の暗雲が滑らかに流れるところが一番Glideっぽい?

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◆ShamblerかわいいよShambler

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World War II GI – 戦争は地獄だから

世間では目の前の戦車に対して上官からなんとかしろと命令され、単独で忍び寄り何事も無く戦車の足にプラスチック爆弾を貼り付けてさくっと解決するようなゲームくさい戦争ゲームが好評なようだが、本作World War II GIにそのようなプレイヤーを喜ばせようとするOmotenashiは存在しない。戦車と目が合った時には既に撃ち殺されているのだ。別に目が合わなくても向こうの千里眼によって一方的にゴミクズにされることもままある。戦車だけでなく、空爆も脅威だ。降ってくる条件が分かりづらく、目視も困難なため、プレイヤーが危険を感じた時にはもう黒炭になっていることだろう。目がダメならば耳、つまり回避の頼りになるべきは飛行機の音ということになるのだが、危険な音が聞こえてから走り始めても間に合うことはほとんど無く、大抵はハンバーグになる運命から逃れられない。

というか、そもそも兵器以前に敵歩兵の認識距離と反応速度と銃精度も異常なので、通常戦闘からしてキツイ。攻撃面もこちらの銃精度が低すぎるため、先に撃ち始めても当たるのか倒せるのかどうかが運頼みであり、敵が銃撃を喰らってもひるまないことを加味すると、HPがいくら有っても足りないのだ。そのためどうしてもクイックロードを多用することになり、HPを減らさずに切り抜けられたらクイックセーブといった流れの「作業」になりがち。これを端的に言うと「超クソゲー」ということになるのだが、一個人(プレイヤー)の思い通りにならない、または事故によって簡単に命が消し飛ぶというのが『戦争』だとするならば、これはこれで現実的なのではないかと言えなくもない。…前作NAMは同じ理不尽ながらまだ辛うじてゲームとしての体を成していたのだが。

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◆地獄のような敵の銃撃と地雷の中、腐った精度のトンプソンで応戦しなければならないゲーム開始直後のオマハビーチ。DL販売で気軽に購入した現代っ子は間違いなくここでゲームを投げる

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◆Episode 2は室内の戦闘が増え、雰囲気とプレイ感覚もRtCWに近くなるので、辛うじて遊べなくもない

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Wolfenstein: The New Order – いい仕事していますねぇ(4)

ああだこうだいう必要のないくらいよく出来たゲームだった。内容的にはウルフェンシュタインシリーズというよりReturn to Castle Wolfensteinのリブートだと言えるが、実際には第二次大戦から14年後の1960年が舞台となっており、その時代には到底作れないような(RtCW以上の)未来的ロボットが多数登場するため、主人公の名前が同じというだけのSci-Fi作品と言えなくもない。ただまぁ、先にも述べたとおり、オールドスクール型のFPSが好きな人間には大変楽しめる内容となっているので、大人の事情など細かいことは気にせず普通に遊ぶのが良いだろう。

本作のよいところは適切な難易度設定により、適度なやり直しを求めてくることだ。ボスの倒し方からルートの進み方、ステルスの成否、通常戦闘など雑にプレイするとすぐに咎められてしまう。かと言って、ギチギチな作りというわけではないし、”普通に”遊んでいるだけで今時のシューターには無い、そこそこの高さのハードルを飛び越えるような気持ちの良い”ゲームを遊んでいる感覚”に浸ることができる。具体的な話に絡めていないため説得力に欠けているのは自覚しているが、優等生タイプから一歩も二歩も進んだ本当に優秀なゲームなので、リトライが苦ではないプレイヤーは是非触れてみてほしい。

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◆ヌルめのステルス。ステルスとランボーのどちらにも特典があるため進行スタイルはプレイヤーのお好みで

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◆特別好きというわけではないが、Wolfenstein 3Dの画面を見ると気分が落ち着く

今回も「面白いゲームを遊んでいる最中には脳が止まる病」につき文字が少なめ。それと思った以上に本作を楽しめたため、開発陣の過去作であるThe Chronicles of Riddick: Escape from Butcher Bayにも手を出したところ。まだ序盤ではあるが、とてもいい感じだ。

Titanfall – オーガ先輩に戦力外通告(2)

ゲーム内で言うところの二世代目(Generation)を終わらせた。つまり二回目のランク50を達成だ。今回のプレイでは一周目に使っていなかった武器を重点的に使い込んでみたのである。

  • R-101C カービン…相変わらずのガチ装備。強いプレイヤーが多い時に持ち変える
  • G2A4ライフル…サプレッサーがイケてる。ヘッドショット狙えるならソコソコ
  • ヘムロックBF-R…無理。もう少し威力が高くないと使い込む気が起きない
  • R-97 コンパクトSMG…多めの弾倉を活かしたバラ撒きが思ったよりもいい感じ。見直した
  • スピットファイア LMG…スラマーMOD(威力上昇)を付けた時のロデオアタックが超楽しい
  • 両スナイパーライフル…Mapと対戦相手によっては使えるけど、消耗戦には向いていない気がする
  • EVA-8 ショットガン…Mapを覚えてから使えるようになる武器だった。動きまわったり、リスクを減らす目的でキャンプしてみたりと動と静の使い分けが面白い

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◆当初はオーガにトリプルスレットを持たせてのんびり弾をばら撒いていたが、Titanfall2発表の影響なのかアークキャノンをうまく使う経験者たちが戻ってきたようで、活躍できなくなっていった。搭乗して直ぐさま視界を潰され、直ったとところでまたも視界を潰れるというのはさすがに面白くない。よって、途中から4連ロケットとダッシュチャージとビッグパンチを組み合わせた近距離戦特化のアトラスに変更。これがなかなか「タイタンを操作している感触」に優れ、気持ちよく遊べた。実のところ、撃ちながらシャーシャーすべってパンチで仕留めるんだから、タイタンというよりかアーマードトルーパー臭いのだけれど

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◆スピットファイヤ+スラマーでタイタンの装甲をゴリゴリ削る。タイタン側は対応装備を持っていないと為す術なし。逆に対応装備を持っている、または持っているカスタムクラスに変えてくるというのでれば、こちらは敵タイタンの装備を知っているという状況なわけで、タイタン同士で直接ぶつかる時に活かすことができる…かもね

Far Cry 2 – FC3後の二周目(4)

中盤でもうプレイヤー側の戦力が過剰になってしまい、目標がなくなり、あまり面白くなかったFar Cry 3の後に前作のFar Cry 2を難易度Normalでやり直してみた。二周目ということで肩の力を抜いてプレイしていると、やっと各所で言われているような”魅力”に気が付けたような気がする。俗にいう目的なくぶらぶらする楽しさをいうヤツだ。本作はゲーム側から「あれをやれ」「これをやれ」といった制約がほとんど無い。近年のゲーム(洗練されすぎた?)では意外と自由にやっているつもりでも、次にやるべき事柄がほんのりと示されており、自分の意志でやっているのかどうか分からなくなってしまうものなのである。しかしながらFar Cry 2は素でやっているのか、狙っているのか完全に投げっぱなしジャーマンな作りになっている。つまり「遊び場は用意したから、後は勝手にやれ」ということなのだ。

その遊び場でクリアを優先したりや単純な楽しさを求めた場合、せっかくの仕掛けが単調で味気ないものへと変わってしまうため、プレイヤーは出来る限りその遊び場で自ら楽しく遊ぶ工夫をしなければいけない。ゲーム側が常にプレイヤーを楽しませてくれるわけではないのだ。ここが人を選ぶ要因なのだろう。私も一周目にはクリアを目指しすぎていたこともあり、なんだか作業感を感じながら進めていたが、大きな間違いであった。正しくは気ままに仕事を請け負って、気ままにアフリカ兵を狙撃してみたり、なんとなく行ったことのない場所にジープを走らせてみたり、計画的に貨物車にロケットランチャーをぶっ放してみたり、理由もなく森林を燃やしてみたり、不意にシマウマを轢いてみたり…ということなのだ。また、遊びには付きものであるおもちゃ(銃器)が当然必要となってくるわけだが、それを得るための探索兼地味なダイヤモンド探しが苦痛だと、ちょっとこのゲームを楽しみにくいかもしれない。最後に、楽しさを維持するため、単調さを回避するためにも1日に1時間程度のプレイが有効であることを明記しておきたい。なにやら無理してゲームを楽しむような姿勢に思われるかもしれないが、実際に遊んだ経験があるなら2時間ほどで集中力が切れることも分かってもらえるはずだ。なにより長時間プレイヤーを釘付けにすることが、すなわちゲームの価値というわけでもあるまいし、このくらいがフリーローミングとして丁度よいのだと思う。

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◆進行をランダムに邪魔される傭兵ライフを楽しめるかどうか

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◆面倒になるとすぐにロケットランチャーをぶっ放してしまう悪癖

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