Chex Quest HD – 狂気か趣味か計算か(2)

本作はChex社のスナックシリアル食品に付属されていたChex Quest(DOOMのTotal Conversion)のHD版。mapの形はおおよそオリジナルに近いと思われるが、やや煩雑になった気がしないでもない。とはいえ目の前の敵を倒し、赤青黄色のカギを手に入れて進むことに変わりはないので、さほど悩むこともないだろう。

注意点としては、Unreal Engine 4で制作されているため、それなりに要求されるスペックが高いこと。そして一時間ほどでクリア可能なボリュームの小ささだ。GZDoomを通して快適にオリジナルを一度遊んだ身(+Chex社の製品が手に入りにくい地域のゲーマー)としては、大きな価値のあるリメイクとは思えない。今回は96年と違い、ゲーム本体(CD-ROM)を配るのではなく、HD版のプレイアブルキャラクターのアンロックコードが商品に付いてくるようだ。今日日のヤングor大きなお友達に疑似3Dシューターがウケるのかは分からない。


◆当たっているのか外れているのか、よくわからないフワフワした射撃の感触


◆シューターを邪魔する視界の狭さも、個性(キャラゲー)の範囲内として許せなくもない

Metro Exodus – RTX観賞用(4)

最終ステージで敵のラッシュを凌いだ後のハンドルが正常動作せず進行不能に陥った(バグ?)。再起動しチャプターをやり直しても改善されないため未クリア。今回は過去作よりも自由に探索可能なセミ・オープンワールドのシステムが採用されているが、原作ありかつ超人として描かれていない主人公アルチョムとの相性はやや微妙。積極的にサブクエストをこなしても戦力の向上幅が小さく、他のアクションゲームやRPGほどの成果を期待できない。また、戦力を微増強してもメインクエストがステルス戦術を推奨しているため、派手に暴れると後味の悪い結果となる。結局、登場人物のお使いをこなすことにより、物語の厚み(温かみ)が増す程度の意味合いしか持たないのだ。

RTX2060でもFHDなら少し設定を落とすだけでRTX(High)の60FPSが安定しており、思ったよりも快適にRTXでの旅が楽しめた(思ったよりというのは超負荷のQuake2 RTXを動かした経験からだ)。リアルタイムレイトレーシングは太陽や月の光で特に分かりやすく、ビデオゲームの表現力がまた一歩向上したなと技術の進歩を感じられる。ゲーム面ではあまり評価できなかったセミ・オープンワールドもRTX技術を見るための”コース”と考えれば、なかなか趣があってよろしい。今回使用した2060では同時にPhysXを入れると、負荷がかかる場面で不安定になってしまったが、純粋なパワーとRTコア性能が大きく向上した3000シリーズならば、過不足なく動かせるだろうし、その状態でプレイする本作は一段とその価値を高めるだろう。


◆差し込んでくる日光部分がレイトレーシング。動画を見た方が分かりやすいか


◆大部分が野外での行動となるが、やはり息苦しさを感じる地下鉄(メトロ)の方が居心地がいい

Mushihimesama – 人と比べない

まず上手なSTGプレイヤーの存在を豆腐の角に頭をぶつけてピンポイントで頭の中から消し去りましょう。これだけでも十分過ぎるのですが、もう一歩踏み進めて、ワンコインクリアという開発者側の要求も無視できると、なお良いです。Steam版Mushihimesama(虫姫さま)を購入された方は電子決済にて遊ぶ権利を得ているので、硬貨(コイン)が関わっていなはず。100円を投下して遊び始めたわけではありません。いわば”ゼロコイン”です。コンテニュー画面が出てきましたら、何も考えずボタンを押してゲームを再開させましょう。コンテニューしてもゼロコインはワンコインにもツーコインにもなりません。屁理屈でゴリ押し。あと、時たまスコア稼ぎという遊び方も耳にするのですが、こればかりは私スコアというものを見たことがないので、解説のしようがありません。本当に申し訳ない。

比較対象が少ないので強くは言えないが、虫姫さまは操作していて楽しいSTGだと思う。難易度Normalでは敵の出現するペースが上手で、気が付いたらステージが終わっているという感じだ。没入感が高い。他のタイトルに比べると不満を感じる時間が無く、目の前の敵に集中するだけで良い。敵の攻撃密度がそこそこの割に、自機の当たり判定が小さいのも遊びやすさに繋がっているような気がする。半分目で見て、あとの半分は運任せの回避が成功すると、自分の実力でないと分かっていてもやはり嬉しいものだ(良い傾向では無いが)。このあたりから、撃って避けて面白いなと感じ取りやすいだろうし、手に取って長く触れればその分だけ上達するように思うので、まずは尻込みしているユーザーの意識レベルを下げることまで下げてみてはどうか、というのがこの記事の趣旨。

Ghostbusters: The Video Game – よくできてる

難易度カジュアルを選択。ハードとの二択だったので、のんびりと遊ぶことにした。カジュアルといっても、全体を通して適度な面倒くささが設定されており、”簡単”と感じることは少なく、厄介なお化けを退治し、ミッションが終わるたびにゴーストバスターズの一員として一仕事終えたような達成感を感じられる。映画ファンにとっては絶妙な難易度と言えよう。

その反面、ゲーマーにとっては、数々の経験を頭から追い出した方が楽しめるように思う。特に、NPCの「急いでくれ」という指示を無視してアイテム探しをしているようだと、せっかくプレイヤーを脅かしに来たお化けを見逃すという大罪を犯すことにも繋がる。隠されたアイテムの手前では「PKEメーター(発見に必要な装備)を装着しろ」としっかりメッセージが出てくるので、安心して目の前のポルターガイスト現象やラップ音に恐怖()しよう。

Far Cry 5 – ストロングスタイル(8)

初期状態は所有できる武器数に制限がかかっており、意図的にプレイヤーのみの活躍でミッションがクリアしにくいように調整されている。メイン武器に中距離重視のアサルトライフルを選択すれば、遠距離と近距離がキツくなるといった感じだ。加えて所持武器が少ないということは弾薬の確保にも気を使うことになる。その戦力の補強として、ガンフォーハイヤーという形で仲間を引き連れてゲームを進行させるのが本作の設計であり、骨格だろう。

ガンフォーハイヤーの中でもスペシャリストは単純な戦闘の補助から、固有の特殊能力を有し、会話の相手まで行ってくれる多機能かつ有能な人たち(獣たち)だ。中でも一番お世話になるのは、体力がなくなった時に復活させてくれる機能だろう。無理をしたり、回復材をケチったりして倒れた際、即座に戦場復帰できることのは非常に心強い。怪しげな沸き方をした場合の救済措置に見えなくもないが、とにかく心強い。彼らの中で一番のお気に入りはハーク。指示した箇所に二つ返事でRPGをぶっ放してくれる頼もしい奴だ。ハークの爆破で敵の出鼻を挫いたところに追いRPGで荒らしていく流れで大方のミッションを攻略したが、見栄えが良く、馬鹿々々しく、爽快で良かった。似た光景をBrothers in Arms: Hell’s Highwayあたりで見た。


◆早めにスペシャリストを二人連れて歩けるようにスキルを上げると、一気に難易度が低下する。死をなかったことにしてくれるキャラクターが二人も近くいるというのはとても大きい


◆なんとなく人型の敵、建物、乗り物のどれかを爆破すればOK。非常に単純なゲームだ

続きを読む