ひぐらしのなく頃に 綿流し編 – 思考保留(2)

Steam版鬼隠し編をプレイし、続きが気になったので、物語が最後まで読めるパッケージ版をまとめて購入してみた。そういうわけで今回は二話目の綿流し編であるのだが、最後まで読んだ感想としては「何を考えれば良いのかわからない」といった感じ。思考の材料が本作と一話目の鬼隠し編しかないため、それと強引に結びつけるような推測もできなくはないが、もっとスマートに解を出したいため、今回は脳みそを使わないように決めた。最後、梨花のポケット入っていた”物”は分かりやすいヒントになっていると思うが…。推理とは少し離れるが、オリジナルのテキストはSteam版鬼隠し編に比べて全体的にコミカルさとギャルゲーの要素が色濃い印象だ。三話目の祟殺し編もこちらに近い雰囲気なので、Steam版は怪奇色を強めるためを少々落ち着いた感じに書き直されている気がする。

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今回は実験的にMatrox G400MAXでプレイ。デスクトップ画面を見た瞬間に分かるシャープさが美しい。当時は発色と画質でこの手のゲーマーに人気だったようだが、実際にゲームを動かしてみるとそれほど綺麗な印象はない。目が肥えたからだろうか、特別な調整が必要なのだろうか、それともCRTが前提なのか。

Outlast – どこか笑える素直なホラー

ネタバレ文章。とにかくホラー部分の作りがやけに素直なのが印象的だった。「そろそろプレイヤーを怖がらせてくるな」というタイミングが読めるし、そこを切り抜けた後には暗視用バッテリーとテキストが置かれ、プレイヤーが一息つけるような”間”も十分に用意されている。そこから少し進むと、「あっ!そろそろ来るぞ!」というのがやはり分かるし、一二時間もプレイしていればそのパターンが繰り返されていることにも気が付くはずだ。ある程度ゲームに親しんでいる者ならば、このパターンをどこで壊してくるか警戒し始めると思うが、それが最後まで崩れることはなかった。なので、素直なホラーゲームだなぁと素直に思った。もし、プレイヤーを本気で怖がらせるならば、パターンが通じない=どこに気を張ればよいのかわからないという状況を作るべきなのだが、そうしなかったということは恐怖よりも物語を売りにしたかったのかもしれない(難易度Normal)。

また、序盤は「ロッカーに隠れる」というのが安定行動になっており、ロッカーに入るだけで敵が簡単に見失ってくれるのが完全にコントであり、ギャグだ。しかし、「ロッカーに隠れるだけ危機回避できるのは流石につまらないなぁ」と思い始めたあたりで、しっかりと敵がロッカーを開けプレイヤーを探し始めるようになるのである。この素直な難易度上昇に私は恐怖ではなく、安堵した。普通の感性を持った人間が常識的なゲームバランスを考えて、何回もテストプレイを行い、テスター達の意見を取り入れ、売れるゲームにするため最終的にこうなったんだなぁという確信からだ。悪趣味なホラーマニアがニタニタしながらプレイヤーに小便をチビらせる気満々で作ったMod(=儲け度外視の趣味作品)とは根本的に違うということ。なんというかこう…殺人鬼に追いかけられるというのは確かに恐怖ではあるのだが、攻めてくるタイミングがある程度予測できるのならば、どうやっても巨大な恐怖(驚き)には結びつかないだろうなというのが簡単な感想である。

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◆ベッドの下に隠れてやり過ごす。何故バレない!?と突っ込んで笑えたのは最初だけで、後になるほど白けていく

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◆主人公はクライミングの経験者なのだろうか。指先だけで体重を支え移動する場面がシュールで笑える。痩せたジャーナリストにしてはずいぶんと指の力が強いこと。それとも火事場の馬鹿力?

Higurashi When They Cry Hou – 鬼隠し編(1)

ずいぶんとたくさんの作品が出ているのは知っていたけれど、よく調べてみると全部で八話構成だったんだね。えらく巨大だなぁ。Steamだと今のところ三作目まで出ていて、半年に一つのペースで新作(英語訳)が発売しているわけだから、全部をSteam版で追うとなると、読み終わるまでにあと2.3年かかっちゃうってことなのかな?かな?それはまぁさておき、今回プレイしたのは一番最初のOnikakushi(鬼隠し編)ということで、プロローグにあたるらしいけど、やっぱりっていうか事件の根っこの部分がほとんどわからないんだよね。だから推測のしようがないんだけど、クリア後のおまけで登場キャラクター達が推理ごっこしてるから、それに乗っかる形で僕も少し考えたことを書いておこうかな。

  • 以下ネタバレあり
  • 犯人予想は一応人間派。ただ、全てが人間の仕業ではないように思う
  • ラストの主人公の言動は幻覚の可能性もあるので、事実としては扱わない
  • 薬のサンプルとメモの一部の持ち去り。メモを全部持っていかないことにメリットがあった?

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◆立ち絵の手がおかしい。というのが正常な感覚だと思うが、プレイしているとだんだん可愛く見えてくる

かな?かな?って書きたかっただけ

Postal III – 試される寛大さ(7)

だいぶ値段が下がってきたので購入してみた。ゲームを初めてまず驚いたのが、プログラムの不得意なユーザーが作った2005.6年当時のSourceEngine Modを彷彿させる破壊的なパフォーマンスだ。負荷がかかるとcfgを弄った2600kGTX970Full HD環境下でもフレームレート20を頻繁に下回った。SourceEngineの開発ノウハウが蓄積されているであろう2011年にこの不安定さというのはヤバいとしか言いようが無い。が、しかし、パフォーマンス以外はなんとか許容範囲内である。

というのも、Postalというゲーム自体がユーモアとジョークのみで勝負していると言っても過言ではないため、操作性やAIの挙動などにいちいち突っ込みを入れてもしょうがないのだ。で、そのようなものを世に送り出したロシアスタジオフォロワーTrashmastersのユーモアというやつがどうなっているかというと、これが意外に本家Running with Scissorsと近い感性を持っていて「なかなか評価できる」のだ。願わくば、この唯一の長所を素直に受け取るため、文庫本やスマホなどの暇つぶし道具を手元に置き、超長いローディングでイライラしないよう一工夫するのが良いだろう。

ユーモア★★★★☆
ゲーム性★☆☆☆☆
システム☆☆☆☆☆
ファンから見た面白さ★★☆☆☆
RWSリスペクト★★★☆☆(3だから良いとも言える)

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◆これ以上ないってくらい凶悪犯

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◆形状の卑猥さと耐久力の上がったクロッチー。アクションゲームとして楽しめたのはこのボス戦だけ

S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl – Zoneの水が合わない(1)

中盤から猛烈に面白くなった。最初、精度が低く敵の胴体にすら当たらなかった銃が、少しずつ強力なものに替わり、最終的に敵の頭にバシバシ当てられるようになるのは、単なるレベルアップとは違うトレジャーハント的な成功のようで、とても嬉しく感じる。だからなのか、まだ見ぬ強力な武器を求めて、あちらこちらへと探索散策するのにも心が躍る。しかしながら、面白さは理解できるものの、ややゲームの展開が遅いのが気になる。退屈だなと感じたら景色を見ておくのが本作の楽しみ方だと思うが、その時間があまりにも長過ぎるのだ。直ぐ様銃をぶっ放したくなる血の気の多い私にはやや合わなかった。次作Clear Skyへの意欲はあるが、Modにまで手を伸ばそうとは思わない。あと、現状の問題というか不幸なところはBethesda製のFalloutやElder Scrollsといった強力なライバルが存在していることで、『Zone』に強い興味が無ければプレイヤーが増えそうにない点。開始直後の異様な取っ付きにくさもゲーム飽食の時代では大きなマイナスだ(コアなユーザーには最良であるが)。

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◆ゲーム開始から最後まで鬱屈とした天気のChernobylを歩く

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◆Stalkerの皆さん。(共通の)敵を倒す度に「ハッハーネクスッ」と叫ぶのが、コメディアンの厚切りジェイソンにしか聞こえなかった