Red Faction II – 障害物が壊せても(5)

プレイし始めてすぐに違和感を覚えたのは頻繁に入るロードだ。MAPを少し歩いただけですぐにロードに移る様はまるでHalf-Life 2のようだが、あちらよりもローディングが高速であり、ほぼ一瞬で終わるため大きなストレスにはならない。確かに没入感を阻害されるためムッとする時もあるが、難しい戦車や潜水艦のミッションの時はローディングが入ることによって耐久値が回復するので、ホッと一安心もする。一長一短だ。何故このようなぶつ切り状態になったのかはわからないが、通常のFPSではなくアーケードライクな作りだと受け止めれば、それほど不自然ではないように思う。問題があるとすれば、初代Red FactionがHalf-Lifeのような没入感を重視した連続性のある素晴らしい作りであったのに対し、続編である本作がその真逆になってしまっていることだろう。

ロード以外の部分はと言えば、アーケードライクでありB級であり、全体的に安っぽい印象だ。大きな特徴は、大量に置かれている落とされる回復剤と自動回復のおかげで、プレイヤーは非常に死ににくいうえ、武器の火力も高いので余裕を持った戦闘が可能になっている点。本来これほど優位であるならば、やりたい放題し放題で気持ちよく遊べるはずなのだが、敵の湧き方がロシアゲーもビックリなほど不自然なものとなっていて、簡単に背後を取られるので、クリアリングの意味が少なく、不快感が大きい。前述した通り、プレイヤーは回復手段に非常識なほど恵まれているのだが、さすがに開発もあまりに簡単になりすぎると気付いたからか、強引に戦闘バランスを整えようとして「死なないんだからこれぐらいやっても平気でしょ?」と言わんばかりに敵を滅茶苦茶な位置に沸かせてHPを削ろうとするのが、まったく面白くない。それでも発売当時であれば時間つぶし程度の価値はあったように思うが、現在ではとてもとても。最大の難点はやはり銃声がショボすぎることだと思う。これが標準以上だったら、もう少し気分よく敵をなぎ倒していけたのだが。

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◆実は正確に敵を狙うよりも、適当に乱射してオフィス用品やガラスなどを巻き込むのが正解。そこそこ派手に壊れてくれるのが、映画や刑事ドラマっぽくて気分が盛り上がる

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◆Geo-Mod(Geometry Modification)により、破壊可能な壁の損傷領域が逐一計算されるので、壁の壊れ具合が毎回変わる。だが、肝心のゲームプレイにはまったく影響なく、むしろ他のゲームでは予め決められた壁を一発で破壊して滞りなく進行するのに対し、本作では一度の爆破でプレイヤーが通り抜けられる空間を確保できるとは限らないので、二度三度ランチャーを撃って破壊領域を増やす必要がでてくる。グラフィック技術に興味がなければ、手間が増えて面倒としか思えないだろう。もし、Geo-Mod 2.0(Red Faction: Guerrilla)が世の中に出なければ、ずっと批判されるだけのものだったはずだ

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Red Faction – 途切れない流れが素晴らしい(4)

Red Faction: Armageddonが予想に反して楽しめたので、初代はどういうゲームだったのか興味が湧いてきたので軽く遊んでみた。予想よりも破壊は重視されていなかったが、集中力を途切れさせないようにする連続性のある作りは非常にうまくできていたと思う。本作はHalf-LifeのようにMAPとMAPの間に途切れを無くすことで没入感を高めており、私もつい夢中になり世界に入り込んだままクリアまで遊んでしまった。それにテクスチャが細かく、グラフィックが丁寧なのも一役買っている感じだ。BGMも良い。

銃撃戦は楽しめなかったものの、それ以外は現在から見ても高水準のゲームなので遊んで良かったと思う。また、Pure Factionという非公式のクライアントも使ってみた。解像度をFull HDに変更できたり、バグ潰しやマルチの機能を強化してくれる優れものだ。(私の環境だけかもしれないが、会話文字が見えなくなってしまったので、ログの表示からなんとかごまかしごまかしプレイした)

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戦闘システムが好みではない

戦闘システムは割りとオーソドックスなものとなっているが、気になったのは敵のAIが的を絞らせないように頻繁に動きまわる点だ。いや、動きまわること自体は良いのだが、反応が良すぎるのが困った。どうもプレイヤーの対角線上を意図的に避ける傾向にあるので、丁寧に狙いを付けるほど当たらないのだ。なので、なんとなく敵に向かって連射するほうがよく当たる上に、「外した」というストレスがかからないようになっている。もちろん悪いバランスの取り方ではないが、自分のAim技術を無視されてしまうのがどうも好きになれなかった。

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◆Rail DriverとX-Ray機能の組み合わせは壊れ気味

  • 乗物全般は楽しめた。ラスト付近で運転技術を求められたのも悪く無い
  • ステルスパートは強制的に武器を取られてしまうので面白くなかった
  • ショットガンの威力をもう少し高めにして欲しかった。後半では使いにくい
  • もうちょっとGeo-Mod(Game Engine)を効果的に使っても良かったのでは?
  • Rail Driverはパーフェクトダーク(Nintendo 64)のファーサイトみたいで懐かしい。敵味方ともに一撃で即死なのは笑えたので、バランス崩壊気味なのは気にならなかった

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Red Faction: Armageddon – よりよく破壊できる(3)

Unreal2で好きになったブラックホールを発射する銃が使えるということで軽く触ってみたのだが、非常に遊べるゲームになっていたので驚いた。Red Faction: Guerrillaから比べるとTPSでありながら「走り回ってショットガンをぶち込めるクラシックなシューター」になっていたので初代や2に戻したのだろう。これは非常に好感が持てる。人間(EDF)にチマチマとアサルトライフルを当てていくGuerrillaの戦闘はあまり好きではなかったのだ。

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レールシューター(一本道)になったのは正解

Red Faction: Armageddonはとにかく無駄な時間が少ない。プレイヤーは戦闘だけをしたいと願えば、移動もムービーもスキップ出来て退屈な時間を消しされることができるのだ。これは敵が出現するだけの単調なゲームという意味ではない。普通に遊べばストーリーを追うこともできるし、MAPを散策すれば弾薬やお金(サルベージ)が落ちているのでゲームを有利に進められる。自由が与えられているというわけだ。

記憶に残らないゲームは悪か

Red Faction: Armageddonは記憶に残りにくい。これはストーリーが味気ないのに加え、プレイヤーへのストレスを極限まで減らしたためだ。逆に言うとアクション性の強い娯楽としては高いレベルのものに仕上がっている。適当に遊んで楽しめる意味ではBulletstormに近いものを感じる。

去年遊んだGuerrillaを思い出せば、建築物を破壊できるのは愉快だったが、後半の戦闘は無駄に難易度が高く、車での移動がつまらない上に面倒だった。楽しめた割合よりもストレスのあるイメージが強く、合わせて考えるとデコボコしたゲームという記憶だ。では来年にArmageddonを思い出すとしたらどうどうだろうか?ショットガンを持って走り回り、強力な武器や兵器で敵を叩き潰せる、グラフィックは軽くて綺麗、ストーリーはまったく覚えていない。そんなところだろう。明瞭な記憶には残らないが、マイナス要素が無く「楽しかった」とプラスの感情だけ思い出せれば、それはそれで良いのではないだろうか。

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◆軽くて綺麗なのでGeo-Mod 2.0(Game Engine)のすごさはDirectX11だと特に実感できる。バイナリをいじると日本語化することができ、ツール導入でFOVも変更できるので、非常に快適に遊ぶことができる

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◆本作を遊ぶきっかけになったSingularity Cannon。発射されたブラックホールは周辺のものを飲み込んだ後に爆発して、飲み込んだものを吐き出す。ものすごく気に入っているのだが、同じ武器枠のロケットランチャーとどちらを持つのか悩む

Red Faction: Guerrilla – 進むごとに気分が盛り下がった(2)

このゲームの面白さは間違いなく破壊であるのだが、物語が進んでいくにしたがい面倒事が増えて、爽快な場面が減っていき、ストレスが溜まるだけになっていく。プレイし始めて10時間までが最高点であり、それ以降は攻略パターンが決まっていくので作業感が増してくる。しかし最後の最後にはなにかがあるかもしれないと思いクリアまでいってみた。

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ラストステージを苦戦しながらクリア。後悔した点はクリアを急ぎすぎてサブミッションを無視したところだろうか。メインミッションをクリアするとそれが引き受けられなくなるので(全クリの後には復活する)慢性的なお金不足に陥る。難易度Normalでは困る箇所がなかったので、金稼ぎを軽視していたのだが、ラストミッションだけが異常な難易度になっており、それなりに装備を整える必要がでてきたのだ。なかでも、レースゲームの苦手な私にはキツすぎる「運び屋」のミッションにまで手を付けなければならなかったのが辛すぎた。単純に難しいというよりも、失敗する毎に3.4分が無駄になるのが疲労感を増やす。

オープンワールドのゲームをクリア優先で急ぎながらやるべきものではないなと学習できたのが収穫だろうか。こういうゲームは気が向いた時に、少しずつ遊ぶというのがベストなのだろう。

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◆目に見えるものは大抵愉快に壊れてくれるので、暇だったり物足りなさを感じたらなんとなく周囲の構造物を壊してみるのがいいだろう

Red Faction: Guerrilla – 派手に壊すお(1)

Red Faction Guerrillaを予約したお!というアスキーアートで有名な本作。予約したのにアンロックされたのは発売日の半年後で、それと同時に75%offになったのが伝説的なネタとなっているが、ゲームの楽しさは本物だった。システムはフリーローミングのようで各地でゲリラ活動(お使い)をこなしていけば、装備が充実していくので後は好きにやってくれという感じ。計算して作ったのかわからないが、ストレスが発散できる場面と溜まる場面が完全に別れていて、その変わりっぷりが妙に面白おかしく、長時間遊んでしまう。

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塔のような縦に長い建築物は支柱を破壊していくことでスムーズに倒壊させられる。破壊後は大きい音を立ててゆっくり崩れていき…煙がもうもうと立ち上る。実に良く出来ている。火星を移動するので必然的に乗り物に乗る機会が多くなるが、全体的に操作性が悪い。ただの移動中ならば問題ないが、時間制限のあるレースミッションになると難しく感じるようになる。

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攻撃アーマーはボーナスタイムだ。目の前の敵や建物を破壊するだけでゲーム性なんてものは存在していないが、破壊時の作りこみが異常で適当にぶっぱなしてるだけで楽しくなる。人質を助けるミッションは、爆発物が使えず射撃メインで穏便に攻めなくてはいけない。その割に敵の数は多く、 射撃の感触自体も良くないので微妙な印象だ。当然調子に乗って乱暴に建物に攻撃すると人質が下敷きになり死んでしまう。

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襲撃ミッションは味方NPCが共闘してくれるので楽だ。立て篭もっている敵をロケットランチャーで建物ごと爆破してやっつけることができるのは、このゲームの大きな特徴だろう。非常にユニークで面白い。ストレスの溜まるミッション後にロケットランチャーを握ると思わずニヤけてしまう。破壊が大好きな人ならマストバイ。