Medal of Honor: Pacific Assault – 歴史を知る意味でも(10)

本作は太平洋戦争を舞台にしたタクティカルな味付けのシューターである。数年前アクション寄りのMedal of Honor: Allied Assaultをプレイした後に本作のDemoを動かしてみたことがあるのだが、あまりの毛色の違いにひどく戸惑ったことを覚えている。しかし、ここ最近ようやく落ち着いたゲームをクリアできるようになってきたので、ふと存在を思い出してやってみたわけだ。…が、あまり面白くなった。その要因はあまりにも基本に忠実かつ窮屈なシューターだからだ。つまりは注意深く索敵を行い、慎重に射撃し、無駄弾を減らし、できるだけ被弾を減らせ、ということなのである。一応はリーダー格の指示に従ったり、味方部隊に指示を飛ばせるので、頭の良さそうなAI(=良いとは断定できない)に頭の良さそうなAIをぶつけるというBrothers in Armsに近いゲームとして遊べなくもないが、面白みに繋がっているように感じなかった。分かりやすいのは制圧射撃を指示し敵の注意を引いている間に別方向から襲撃するといった戦術なのだが、戦う場所が狭いため、自由度以前に答えが半分見えているようなものだ。付け加えると、私は指示を飛ばすのがド下手なので、自分自身で気合を入れたAimでゴリ押ししていく方が良い結果になることが多かった。

ただまぁ、面白くないからといって、それがすなわちダメゲーかというとそうでもない。なにしろ糞真面目に一人称視点型戦争体験ゲームを作ろうと思えば、面白くなくなるのはある種当たり前なのだ。白兵戦に限って言えば、M1ガーランドを持ったアメリカ兵に対して日本兵が正面から戦うわけがないし、ジャングルの中で日本軍が迷彩服を着ながら待ち伏せるという戦闘も実際に多くあったのだろう。CoDであればこれをゲーム(娯楽)としてプレイヤーに苦労をさせず楽しませように作るが、本作MoH:PAでは歴史をなぞるという遊びをプレイヤーに提供したかったように思う。そのため爽快さとは無縁だ。先に述べたようにジャングルでの戦闘がゲーム中でも多いわけだが、視野性は非常に悪く、ゲーム(娯楽)としてはありえない程に敵(日本兵)が発見しづらい。せわしなくちょこまかと動き回ることからも頭はおろか、体に当てるにも一苦労だ。そんな苦しい戦闘をある程度フォローしてくれる衛生兵がありがたい。彼は各Mapにつき四回という制限付きだが体力を全回復してくれるため、ゲーム全体の緊張感を保たせつつも、ある程度の失敗を帳消しにしてくれるのである。このさじ加減が本作で一番優れている点だ。アクションゲーマーでも頑張ればなんとかクリアできるような難易度設定。確かに万人に好かれるというわけではないが、珍しい題材を扱っているわけであるし、盛り上がるスクリプト演出や迫力雰囲気抜群のサウンド+EAX、戦争に巻き込まれたアメリカ新兵の心境、アメリカ側からは見た零式艦上戦闘機などが描かれており、全体を見てみれば質の高いゲームであることに間違いない。歴史の勉強も兼ねて日本人かアメリカ人ならば一周遊んでみるのも悪くないように思う。

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◆ある日の真珠湾。先日演説された「リメンバー・パールハーバーを和解の合言葉に」は流石に「核なき世界」と同レベルにしか聞こえない。日本側の開戦連絡が遅れたとか意図的に石油を止められたとかドイツの同盟だったからとか中国が宣教師を大量に受け入れたとかイギリスに頼まれたとかいろいろな話があるわけだが、わざわざ調べないと手に入らないそんな情報よりも、日本軍が奇襲している絵面がポンと映像で出回ればアメリカはおろか世界中からも悪者にしか見えないわけで

mohpa 2016-12-22 14-05-51-57_R
◆衛生兵のジミー。分隊全員を回復させる頼りになるヒーラー。四次元ポケットから無尽蔵に回復剤を取り出すくせに、主人公トミーにだけは四つしか渡さない鬼畜でもある。大人の事情で不死の肉体を持っているが負傷しないというわけではないので、瀕死になりながらも自分で自分を治療するブラックジャックのような芸当も見せてくれる。シュール。重ねて言うが、彼が居るおかげで戦闘難易度がマイルドになっており、根気があればどのようなプレイヤーでもクリアできるように思う

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Halo: Combat Evolved – つまんにゃい

最初に断っておくが、今回遊んだのは英語版であり、かつ字幕が存在しないことから、私のヒヤリング能力不足によりストーリーや会話などは一切評価できない。よってシューター部分だけに絞って書く。こう…ハッキリ言うには勇気がいるのだが…超つまらなかった。メタスコア的に言えば53点から33点の間くらいだろう。何がどうつまらないのかと言えば、尋常ではなく単調なのだ。同じような景色のMapをグルグル周り同じ武器で同じ敵を同じように倒し、やっと目的を達成したかと思えば、見飽きた場所をグルグルと戻り同じ武器で同じ敵を同じように倒す流れが多すぎる。スクリーンショットや動画を見れば一見ロケーションが豊富なようにも思えるが、DOOM3やVietcongのような「同じように見えても全然違うといったプロフェッショナル(ある種の異常者)の作り込み」とは真逆。つまりは緑生い茂るアウトドアから青い宇宙船内まで幅広く揃ってはいるものの、実際に遊んでみると失望的なほど単調な一本道なのだ。それをさらにスタートまで戻させる作りは害悪としか言いようがない。ただでさえシューター的な面白味や快感の無いゲームなのに、労力やアイデアを使わずにロケーションだけを増やした結果が、苦痛のともなう作業の長時間化に繋がっているのだ。特に室内は似ている場所が多く「コピペで作ったんだろうな」とため息しか出てこない。

遊ぶ前は同社のMarathonと比較しようと考えていたが、マシンガンの暴れ具合以外に共通点が無かった。豊富なSF的ロケーションと重めのプレイ感覚からUnreal 2が比較対象としては妥当のように思うが、シューター部分でU2よりも優れている部分が存在しないことから、比較にならない。また、適当に手榴弾を投げ込んで適当に手榴弾を回収できるあたりがCall of Duty 2に似ていたり、大量のエイリアンを倒していく絵面がスターシップ・トゥルーパーズ(1997)を彷彿させたりもするが…とにかく、本作は会話が拾えないとまるで面白くない。拾えても面白いかどうか。

  • 音質は抜群に良い。EAXの効果もそこそこ
  • 序盤は単調だと気が付かないので、そこそこ楽しい。中盤からは苦痛のともなう作業
  • 最後の最後はリロードが間に合わないほど敵が押し寄せてきて、大量のグレネードも飛んでくるので辛うじて楽しめる

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◆このゲームが650万本も売れたのか…。複雑だ。マルチが面白かったのか?

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◆格好良いところは確かに格好良いのだが

No One Lives Forever – 難易度Normalで二週目

最終セーブの日付が2008年ということで、約8年ぶりのリプレイである。馬鹿みたいな数のFPSをプレイしてからのリプレイということで、当時受けた衝撃が遊び始めたFPSに興奮していただけだったのか、それとも本当に面白くて衝撃的だったのかが判明してしまうため少し心配だったが、思い過ごしだったようだ。リプレイして確信した。NOLFは本当に面白いゲームだ。間違いない。そのためというかなんというか「面白いゲームを遊んでいる時には脳が動かない」持病が発症してしまい、書く事柄が無い。メモも取っていない。話を膨らませる気力も無い。の無い無い尽くしだ。申し訳ないがゲームの内容や批評についてはGAME WatchFF2400.jpの優れた記事を読んでもらいたい。

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◆主人公ケイトの戦闘能力が高いため強引に攻略することも可能だが、ステルスっぽくプレイした方が楽しめる。完全なステルスでないというのが遊びやすいポイント

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◆受付嬢が席を外した隙にコーヒーへ下剤をドボン。全体的にコミカルな要素が強い

以下どこかで見たようなスパイ七つ道具のスクリーンショット集

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Call of Duty 2 – 難易度Hardenedで二周目(22)

先日Call of Duty(2003)の難易度Hardenedをプレイした苦い経験から、本作をHardenedで遊ぶのにも危険な予感がしたのだが、初回と同じ難易度(Normal)で二度で遊ぶのもそれはそれで面白くないと思ったので、少々複雑な気持ちでHardenedを選んだ。結論から言うとロシア編は大変満足のいくものだったが、イギリスとアメリカ編はまぁまぁといったところだろうか。まずロシア編だが、前作から最も良くなった部分、つまりはグラフィックだが、それが大幅に向上し、煙や雪などを高度なパーティクルにより描画することで戦場の臨場感や迫力を増やすことに成功している。その圧倒的な光景を見ながら遊べるようなシューター部分も、これまた適度な難しさとなっていて、目と手(腕)の両方で素直に楽しめる出来になっている。よってロシア編だけ(まで)は間違いなくCoDの続編であり”Call of Duty 2″と言える。

しかしイギリス、アメリカ編になると、演出や特殊なシチュエーションが前に出過ぎてシューター的な面白さが軽視されているように感じてくる。初回のプレイならば戦車や砲撃を見ながら「うおーすげー」などと新兵気分ではしゃいでいれば良いのだが、先の展開を知っている状態(リプレイ)だと演出よりもシューター部分に目がいってしまうわけだ。そうして注意深く見てみると、どうも作っている側にネタ切れというかヤケというか行き詰まりのようなものが感じられる。激しい戦闘を演出したかったと言われればそうかと一定の理解はできるが、敵の配置があまりにも雑なのだ。特にインドア戦闘が酷く、一つの家屋から10人以上の兵士がワラワラと出て来るような出来の悪いバリューFPS的な展開が多々あり、とてもではないがCoDプレイヤーが求めているようなゲームになっていない。思えば彼らIWは3年以上も似たようなゲームを作り続けていたわけだし、変化という変化はもうこのあたりしか残されていなかったのかもしれない。CoD4は現代戦に移ったし。

  • 音の作り込みとそれを増幅させるEAX3の効果は抜群。ヘッドホンと共に戦場を感じろ!
  • 体力の自動回復速度は早いので、テンポを乱しているといった印象は受けなかった
  • やっぱりKar98kとMP44は最高やな
  • 中盤から難易度が大きく上がるのはアクションゲームとしては自然なことだが、それが没入感を重視しているCoDのシステムと合っているかは分からない
  • 敵が頻繁に手榴弾を投げてくるが、基本的にプレイヤーはしっかりと画面を見ていれば回避できるように作られている。このあたりは何かうまく調整されているのではないだろうか。CoD:WaW(Treyarch制)の手榴弾地獄から考えれば、CoD2の殺す気の少ない手榴弾は制御されていると考える方がしっくりとくる

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◆鮮やかなビル破壊。と共にプレイヤーの達成感を増幅させるBGM

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◆敵がマシンガンや戦車が道を塞いでいる時はスモークグレネードを投げて対処。これ自体は良いアイデアだが、ピンチの打開方法が全編を通してこれだけになっているのは、かなり単調な感じがする

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Outlaws – ファニングの悪魔的魅力

GOG版を難易度「Good」でクリア。Goodは三つある難易度のうち一番低いものであるが、それよりも上の「Bad」と「Ugly」はドMかつクソゲーマーの西部劇フリークしか楽しめないような破壊的な調整となっているので、実質的にこのゲームは難易度の選択ができないものだと思っていい。そのGoodだが、明らかに後付けで「Good」と名称変更されたようなもので、他のゲームで言うところのまんまEasyなのだ。よって銃撃戦はとても易しく、撃ち合いでゲームオーバーになることはまず無いだろう。その代わりなのか、本作の謎解き難易度は高い。スムーズに進むと2.3時間で終わるほどのボリューム(全9レベル)なのだが、進行ルートや鍵の場所がわかりにくく、数時間…いや人によっては十数時間プレイしてもクリアできないだろう。雰囲気がとても良いゲームなので、自力クリアにこだわって放置してしまうよりかは、Walkhroughを見てさくっと進めてもいいと思う。

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◆世の中には撃ちまくりと言われるシューターが数多く存在するが、本作ほど「撃ちまくり」という言葉が似合うゲームは無い。というのも殆どのプレイヤーが選ぶであろう難易度Goodだと、ファニングショットでガンガン敵を蹴散らしながら前に出ることができて、これが本当に爽快なのだ。颯爽と現れ高速で敵を撃ち抜きながら小気味の良い音とともにで弾を込め直す一連の動作は、あたかも自分がスーパーガンマンになったかのような感覚に陥る。ここまでの作り込みレベルになってくると武器を撃つだけで楽しい気分になり、敵が弱いことなど気にならなくなる。敵を倒すのが気持ち良いのではなく、当てる前、そう撃ってる段階で、もう満足感が訪れるのである。参考動画。

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◆遠距離担当のショットガン

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