Half-Life 2の初期ビジョンを再現したMod。今回遊んだDivision 1.2の範囲では、とにもかくにもCity17が大きな存在感を示しており、そのデザインは本家HL2よりも退廃的な印象を強く受ける。銃が手に入る時間も本家より長く設定されているため、コンバインに支配された絶望的な街並みを歩き進んでいると、だんだんとプレイヤー自身も滅入ってくる。HL1の続編であるとか、シューターというよりも悪趣味なアート系のように思えた。銃が手に入った後は、大体いつものHL2となる。
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Half-Life 2: Update – MModで軽く(10)
数年前から気になっていたHalf-Life 2オーバーホールmodのMModをHalf-Life 2: Updateと組み合わせて一周遊んでみた。ほとんどの場所を難易度Hardでクリアしたものの、一部あまりにも難しくてEasyまで下げざるを得なかった。このあたりは敵AIや武器性能が調整されていることを頭に入れたうえで柔軟にプレイするのが良いだろう。
久しぶりに一周遊んでみるとなかなか楽しめたというのが素直な感想だが、これはHL2を久しぶりに触って新鮮に感じたからなのか、Half-Life 2: Updateのおかげなのか、MModの効果なのかはいまいち分からない。また、それらが組み合わさったからこそ楽しかったのかもしれない。よくは分からないのだが、楽しく遊べたというのは、それはそれでMModもUpdateもオーバーホールmodとしては成功していると言えるのではないだろうか。導入したプレイヤーの気分が明確にマイナスになってしまえば、それこそオーバーホールではないただの質悪いmodなのである。「遊びやすくなってるかも?」くらいが丁度いいのかも。
◆敵からの被ダメージが大きいため、ショットガンで瞬殺を狙うのが近距離での定石
◆Source Engineの得意な水面と夕日の組み合わせ。無印Half-Life 2(2004)をプレイしていないとイマイチ美しさの向上具合が分からないかもしれないが
Entropy : Zero – 小難しい(8)
本作は本編Half-Life 2よりも11ヶ月前の物語ということで、基本的なシステムもHalf-Life 2と同様だ。このように経験者を想定しているため、戦闘と謎解きの難易度は上昇している。上昇自体に疑問は無いが、私にはどうも味気が無いように感じられた。戦闘面はGravity gunの無いHalf-Life2:Deathmatchを想像してもらえればよいか。Source Engine特有の直接的な撃ち合いのつまらなさが出てしまっている。謎解きは難しいというよりも分かりにくいといった類のもので、Walkthrough動画の再生数を見るに詰まる人が多いようだ。Steamストアで紹介されているとはいえ、公開一ヶ月のModで再生数2万越えは黄色信号のように思う。
主人公を本編敵側の不気味なコンバインに設定しているため、意図的にゲーム全体を無機質にしていることを差し引いても、やはりゲーム全体に味気がない。味気ないことと難しいのが合わさると、なかなかゲーム(娯楽)としては厳しいものがある。難しさと面白さとが結びついていればそう問題にならないが、どうもそのようになっていないようなのだ。Valveと比べるのは酷かもしれないが、機械丸出しの超Aim反応速度の敵と戦った後に分かりにくい謎解きが入り、また激しい戦闘が待っているといった難しめのMapが連続して置かれているだけで、緩急がなく、疲労ばかりが感じられる。私自身だらだらとした展開のゲームは好まないが、本作は逆に詰め込みすぎだ。ゲーム部分だけを単純に見た場合、小難しいだけといった印象が強い。
◆Manhackを飛ばして人間を襲わせたり、強化Vortigauntと戦ったり、タレット防衛したり、灯りの少ない暗闇での道案内などユニークな仕掛けも多くあるが、総じて人に薦めるほどではない