RIP 3: The Last Hero – 縮小してくれれば佳作(3)

過去作のRIPは無駄な要素をそぎ落とした純粋なアクションシューティングとして優れていただけでなく、軽く頭を使うように作ってあるのが素晴らしかったのだが、今作は冗長で密度がスカスカな平凡なゲームになってしまった。

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◆グラフィックは向上し、リッチな感じになった

初代RIPとRIP2はワンステージが60秒以内と短く、しっかりと作りこんであろうがなかろうがプレイヤーにはわからないまま次に進むのが良かったのだが(本当はよくないけど)、RIP 3はワンステージ120秒のうち中盤の60秒がダラダラと敵が湧いてくるだけの事故らない射撃作業になっていて、かなりの退屈を感じる。ステージ開始と最後の30秒はソコソコ。「60秒の作業」と書くと短く感じるかもしれないが、全100ステージの殆どが同じ構成となっていて、実質半分の50ステージ分が緊張感のない作業という計算になるので、RIPシリーズの良さを完全に消しているように思う。

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RIP 2は火力を最優先で上げないと詰んだので、同じように火力を真っ先に上げた、その結果、苦戦はほぼ無し。前作とは違い、取得できるスキルがツリー方式になったので、火力不足で詰まないように改善された。本来は喜ぶべきところだが、その代償としてあまりに自由度が無くなったので、レベルアップした時の楽しみは大きく減った。またEXPの溜まる速度は遅くなっており、周回プレイ前提のためか一週目で全部のスキルは取得できない。ファック。

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頭をつかう要素よりもアクションゲームとして進化させたのは理解できるが、ワンステージが長すぎて敵を倒す爽快感よりもくどさがでてしまっている。ステージ数が100に増えているのだから、一つ一つをもう少し短くすべきだ。使用キャラクターを増やしたり、周回プレイを前提にしたりと、アイデアが無いのにコンテンツを水増ししたような感じを受ける。最初から最後まで楽しくなかった。

RIP 2: Strike Back – 攻撃力をあげないと詰む(2)

結論から書くとキャラ成長要素が罠となっているので、最優先で攻撃力をあげないと詰むことになる。このことに二回目のニューゲームで気が付き、三回目で無事にクリアできた。

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初回のプレイでは選択したキャラクターが悪かったのか、ゲームの難易度が高すぎるのかわからなかったが、ステージ10を超えた当たりで進めなくなってしまった。最初からやり直した二回目のプレイでは、難易度Easyにしたというのにも拘わらず圧倒的な火力不足を感じたので、三度目の挑戦は最初から火力をできる限り上げることでクリアまで一直線に進められた。

本作は単純なアクションゲームとなっているが、1ステージ60秒ほどの中に山場がいくつか用意されていて、適度に頭を使わないとクリア出来ないようになっているのが良い。初見殺しをバンバン入れてくるのが不快にならないのも、リトライしやすいゲーム性のおかげだ。

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ゲームの説明が後になってしまったが、本作は前作と違いキャラクターの移動が可能なっており、固定砲台を操作するRIP1から正統な進化と言える。もちろん固定砲台を操作するステージもあれば、戦車、ヘリコプターに乗り込む場面もあるので、基本的に単純なアクションシューティングのままである。


珍しいキャラクタースキルを上げてみる性格が災いして無駄に苦労を重ねてしまったが、火力さえ確保しておけば、好きなだけ撃ちまくれるので中々楽しめるゲームだ。

Dead Space 3 – 大きすぎた期待(9)

四肢切断を中心とする細かいAimを遊べると期待していたDead Space 3だったが、意味のないストーリーとくだらない痴話喧嘩を見せられる比重が増えていて、銃を撃てる時間が少なくなっていたのが残念だ。さらに言えば登場人物の会話がつまらないを通り越して不快という域に達しているのに、スキップできないのがより事態を深刻にさせている。もしも同じ路線でDead Space 4を作るというのならばいっそ映画にして欲しい。

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グラフィックだけ優れていれば

Dead Space 3のグラフィックはとても綺麗だ。得意の宇宙空間はもちろん、宇宙船内部、雪山、各種パーティクル、ゴミの一つ一つまで細かく作りこんでいる。私自身、グラフィックが優れているならば、ゲームプレイがお座成りであったとしても許せるが、本作はその度合を遥かに通り越している。問題点はCo-opを重視したバランスで製作されているためか、シングルで遊ぶと頻繁に挟み撃ちに遭って意図しないダメージを受けてしまう。その不意に受けたダメージの埋め合わせをどこでするのかというと、大量に取得できる回復薬だ。操作するアイザックは銃を撃つ度に長く硬直してしまうため、ヒットアンドアウェイ戦法を取ることができず、回復剤を頼りにダメージを覚悟して確実に銃弾を当てるという、肉を切らせて骨を断つ戦法になりがち。こうなるとホラーでもアクションでもないヌルいだけの作業だ。

シリーズ最新作としての方向性

初代はホラー、2はアクションを重視したのに対して3はCo-opへの対応と手堅い選択をしてきた。過去作のファンに「ホラーにCo-opを持ち込むな」と言われたとしても、この舵取りは妥当だ。私はプレイしていないが、そのCo-opも概ね好評のようだし大失敗というほど悪くはないと思う。

それよりも大きなミスは、冒頭で触れた「解決させる気のないストーリー」と「それをスキップ出来ないようにした」ことだ。ゲー ムプレイ自体が楽しいか微妙なレベルの出来なのに、追い打ちをかけるようにキャラクター達がプレイヤーの手を離れて無駄な口喧嘩をし始めるのは、プレイ意欲を大きく減らしている。筋の通ったストーリーを作ったのであれば問題にはならなかっただろうが、単純につまらない上に、DLCありき続編ありきの冗長なものになっているので、プレイヤーにスキップする権利を与えても良かったと思う。そうすれば、ESCキーを押すだけでつまらないものから目を瞑れると同時にすぐに銃が撃てるし、気楽に二週目をプレイして武器を改造して楽しもうという気分になっただろう。

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◆登場人物のカーヴァーだけが常識人。次回作があれば彼に主役をやってもらいたい

Shadow Warrior Classic Redux – 二つの拡張パック(2)

Twin Dragon

Twin Dragonは1998年にWylde ProductionsとLevel Infinityという会社が制作し、後にフリーで公開された拡張パックだ。基本的には本編のリソースを利用しただけの平凡なものとなっている。新鮮な体験は少ないかもしれないが、大きな落胆もないので、安心して遊べると言ってもいいだろう。唯一ユニークだったのは、核ミサイルが多めに手に入るステージで、文字通りの「力押し」ができたところか。

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◆み…水野亜美?

Wanton Destruction

Wanton DestructionはSunstorm Interactiveによって開発された拡張パックなのだが、代理店がOKを出さなかったのでお蔵入りになっていた。しかしながら、突如として2005年にフリーで公開されたのだ。詳しい経緯は3D Realmsのサイトに記載されている。

肝心のゲームプレイとはいうと、本編よりも細かいダメージを喰らいにくくなっているように感じた。というのは、開けた場所が少なくなっていたので、敵側が先にこちらを見つけて一方的に撃ってくる展開が減っている(武器の関係上、遠距離の敵に即座に反撃しにくい)。その代わり出会い頭での戦闘比率が増えることとなるが、これには特別困ることはないだろう。確証はないが、敵のスキンを変えたついでに、認識距離か反応速度も落としているかもしれない。

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◆強風の中で飛行機から落ちないように移動

Red Faction – 途切れない流れが素晴らしい(4)

Red Faction: Armageddonが予想に反して楽しめたので、初代はどういうゲームだったのか興味が湧いてきたので軽く遊んでみた。予想よりも破壊は重視されていなかったが、集中力を途切れさせないようにする連続性のある作りは非常にうまくできていたと思う。本作はHalf-LifeのようにMAPとMAPの間に途切れを無くすことで没入感を高めており、私もつい夢中になり世界に入り込んだままクリアまで遊んでしまった。それにテクスチャが細かく、グラフィックが丁寧なのも一役買っている感じだ。BGMも良い。

銃撃戦は楽しめなかったものの、それ以外は現在から見ても高水準のゲームなので遊んで良かったと思う。また、Pure Factionという非公式のクライアントも使ってみた。解像度をFull HDに変更できたり、バグ潰しやマルチの機能を強化してくれる優れものだ。(私の環境だけかもしれないが、会話文字が見えなくなってしまったので、ログの表示からなんとかごまかしごまかしプレイした)

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戦闘システムが好みではない

戦闘システムは割りとオーソドックスなものとなっているが、気になったのは敵のAIが的を絞らせないように頻繁に動きまわる点だ。いや、動きまわること自体は良いのだが、反応が良すぎるのが困った。どうもプレイヤーの対角線上を意図的に避ける傾向にあるので、丁寧に狙いを付けるほど当たらないのだ。なので、なんとなく敵に向かって連射するほうがよく当たる上に、「外した」というストレスがかからないようになっている。もちろん悪いバランスの取り方ではないが、自分のAim技術を無視されてしまうのがどうも好きになれなかった。

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◆Rail DriverとX-Ray機能の組み合わせは壊れ気味

  • 乗物全般は楽しめた。ラスト付近で運転技術を求められたのも悪く無い
  • ステルスパートは強制的に武器を取られてしまうので面白くなかった
  • ショットガンの威力をもう少し高めにして欲しかった。後半では使いにくい
  • もうちょっとGeo-Mod(Game Engine)を効果的に使っても良かったのでは?
  • Rail Driverはパーフェクトダーク(Nintendo 64)のファーサイトみたいで懐かしい。敵味方ともに一撃で即死なのは笑えたので、バランス崩壊気味なのは気にならなかった

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