Outlast – どこか笑える素直なホラー

ネタバレ文章。とにかくホラー部分の作りがやけに素直なのが印象的だった。「そろそろプレイヤーを怖がらせてくるな」というタイミングが読めるし、そこを切り抜けた後には暗視用バッテリーとテキストが置かれ、プレイヤーが一息つけるような”間”も十分に用意されている。そこから少し進むと、「あっ!そろそろ来るぞ!」というのがやはり分かるし、一二時間もプレイしていればそのパターンが繰り返されていることにも気が付くはずだ。ある程度ゲームに親しんでいる者ならば、このパターンをどこで壊してくるか警戒し始めると思うが、それが最後まで崩れることはなかった。なので、素直なホラーゲームだなぁと素直に思った。もし、プレイヤーを本気で怖がらせるならば、パターンが通じない=どこに気を張ればよいのかわからないという状況を作るべきなのだが、そうしなかったということは恐怖よりも物語を売りにしたかったのかもしれない(難易度Normal)。

また、序盤は「ロッカーに隠れる」というのが安定行動になっており、ロッカーに入るだけで敵が簡単に見失ってくれるのが完全にコントであり、ギャグだ。しかし、「ロッカーに隠れるだけ危機回避できるのは流石につまらないなぁ」と思い始めたあたりで、しっかりと敵がロッカーを開けプレイヤーを探し始めるようになるのである。この素直な難易度上昇に私は恐怖ではなく、安堵した。普通の感性を持った人間が常識的なゲームバランスを考えて、何回もテストプレイを行い、テスター達の意見を取り入れ、売れるゲームにするため最終的にこうなったんだなぁという確信からだ。悪趣味なホラーマニアがニタニタしながらプレイヤーに小便をチビらせる気満々で作ったMod(=儲け度外視の趣味作品)とは根本的に違うということ。なんというかこう…殺人鬼に追いかけられるというのは確かに恐怖ではあるのだが、攻めてくるタイミングがある程度予測できるのならば、どうやっても巨大な恐怖(驚き)には結びつかないだろうなというのが簡単な感想である。

OLGame 2016-07-16 17-47-47-42_R
◆ベッドの下に隠れてやり過ごす。何故バレない!?と突っ込んで笑えたのは最初だけで、後になるほど白けていく

OLGame 2016-07-15 17-30-11-70_R
◆主人公はクライミングの経験者なのだろうか。指先だけで体重を支え移動する場面がシュールで笑える。痩せたジャーナリストにしてはずいぶんと指の力が強いこと。それとも火事場の馬鹿力?

Higurashi When They Cry Hou – 鬼隠し編(1)

ずいぶんとたくさんの作品が出ているのは知っていたけれど、よく調べてみると全部で八話構成だったんだね。えらく巨大だなぁ。Steamだと今のところ三作目まで出ていて、半年に一つのペースで新作(英語訳)が発売しているわけだから、全部をSteam版で追うとなると、読み終わるまでにあと2.3年かかっちゃうってことなのかな?かな?それはまぁさておき、今回プレイしたのは一番最初のOnikakushi(鬼隠し編)ということで、プロローグにあたるらしいけど、やっぱりっていうか事件の根っこの部分がほとんどわからないんだよね。だから推測のしようがないんだけど、クリア後のおまけで登場キャラクター達が推理ごっこしてるから、それに乗っかる形で僕も少し考えたことを書いておこうかな。

  • 以下ネタバレあり
  • 犯人予想は一応人間派。ただ、全てが人間の仕業ではないように思う
  • ラストの主人公の言動は幻覚の可能性もあるので、事実としては扱わない
  • 薬のサンプルとメモの一部の持ち去り。メモを全部持っていかないことにメリットがあった?

HigurashiEp01 2016-06-24 18-53-30-24_R
◆立ち絵の手がおかしい。というのが正常な感覚だと思うが、プレイしているとだんだん可愛く見えてくる

かな?かな?って書きたかっただけ

Alchemy Mysteries: Prague Legends – ゲーム性は有る

Sinister CityというADVが結構面白かったので、同開発会社の本作にも手を出してみた。内容はアイテム探し、つまりはHidden Objectという名前のジャンルらしいのだが、私はこの手のゲームにまったく触れていないので本作がどの程度の難しさなのか説明できない。ただ一つ言えるのは、行ったり来たりの移動が多いため非常に面倒だということだ。難しいかどうかで言えばそれほどでもないのかもしれないが根気が必要なのは確かで、ヒント機能を使わないのであれば錬金術士になったつもりで辛抱強くマウスをクリックし続けてもらいたい。物語の方は意外性に欠けやや微妙かもしれないが、雰囲気は錬金術という題材をうまく活かせていて中々良い感じである。

AlchemyMysteries_PragueLegends 2015-11-30 21-56-18-86_R

Sinister City – 酒か炭酸でも飲みながら

なんとなくADVを遊びたいと思っていた時に、公式で日本語が入っていて格安だったので購入してみた。システムは標準的なpoint-and-clickとなっており、怪しそうなところをポチポチ調べていく流れだ。難易度カジュアルだと、一定時間ゲーム内で進展が無い場合、勝手に正解の場所が青く光ってしまうため、自力でクリアしたいというのであれば難易度を上げるのが良いだろう。カジュアルゲームとはいえ、あまりに早く正解を示してしまうのは考えもので、これは難易度別ではなくオプションで調節できるようにして欲しかった。

また、本作はカジュアルゲームにとって重要な効果音に、耳障りの良いものを取り入れており、クリックするのが気持ち良い、心地よいというところまで作り上げてあるので、これは素直に褒めることができる。物語の方とは言うと、陽気な監督が撮ったB級吸血鬼映画といった感じで、内容はあってないようなもの。しかし、クスリと笑える箇所も多いし、決してつまらないというわけでもない。何か飲みながら気軽に読み進めるのが良いだろう。最後の展開はとても後味の悪いものとなっているが、「後味の悪いものをお約束のごとく用意してくれる」というのが、私にとっては安心へとつながり、とても安らぐのである。あー…やっぱりこうなっちゃうのね♪

SinisterCity 2015-10-20 22-05-48-86_R
◆B級C級映画のノリで繰り広げられる喜劇的な吸血鬼の物語

SinisterCity 2015-10-20 21-55-39-25_R
◆ポイント・アンド・クリックの後にはミニゲームが待っている。適度な難易度で頭の体操に丁度よい

Estranged: Act I – 映えるParticle(5)

ホラーアドベンチャーの本作を90分ほどでクリア。パズル難度も易しめなので、なんとなく短いModを遊びたいなという時に良いのではないだろうか。素直な作りも好印象だ。

  • Source Engine(2013)特有の透明感あるグラフィックが美しい。特に水、炎、電灯
  • ゾンビは無音で接近してきて厄介だが、体力が低いので釣り合いは取れている
  • 謎解きはHalf-Life経験者にとって、どこかで見たようなものばかりで簡単すぎるかもしれない
  • 箱を壊したり迂回してもアイテムは置かれていないので、雰囲気を味わいながら真っ直ぐに進むのが良いと思う
  • 途中にあるオフィスは白基調に緑や赤が混じっており、Mirror’s Edgeのような配色でとてもクールだ

hl2 2015-07-08 18-34-30-95_Ra