ひぐらしのなく頃に解 罪滅し編 – 説教臭い(6)

説教くさいではなく説教臭い、そんな微妙な言語感覚が伝わるかはさておき、今回のシナリオは竜宮レナのキレッキレ劇場だ。ゲームを始めるまで竜宮レナには鉈を持った血生臭く、狂気めいたイメージを持っていたのだが(各メディアに触れていない場合の一般的なイメージだと思う)、ゲームのプレイが時間が長くなるほどそのようなイメージは消えていった。おどけている時も多いが、彼女は実に聡明で、物事を真正面から正確に捉えることができ、その本質的部分を瞬時に見抜くことができている。その頭の回転の速さは相手が返答に困るような質問、指摘からもうかがえるだろう。また、問題に対する解決能力も高く、加えて実行力をも持ち合わせている点が、恐ろしくもあり、頼もしくもある、とても魅力的なキャラクターだ。そんな彼女が日々何を考えて行動していたのかが分かる今回のシナリオというのは、それだけでも価値があるように思う。結構な部分を興味深く読むことができて満足だ。

少しゲームから外れるが、獄中の手記や精神科医の書籍などにも度々書かれているよう、反社会的な行為を行う人達にも意外と(失礼だが)しっかりとした論理があって、それに基づいて行動していることも抑えておく必要がある。怒りに任せた突発的なものばかりではないということだ。つまり倫理や常識といったものが、少し抜けてしまうだけで、意外と簡単に”普通の人”でもおかしな方向に走ってしまうと言い換えることができる。むしろ、論理的なものがしっかりと積み重なっているほど自分を”正しい”と錯覚しやすく、より深いところにまでハマってしまうのが恐ろしいのである。竜宮レナのように。

  • 「仲間って素晴らしい!」というラストが見えてきた。もっと殺伐として欲しい
  • 物語が繰り返されていることが明示された。でももう残りを考えるのが面倒
  • 今回のシナリオには理解も共感もできる。それほどぶっ飛んでいるように感じない
  • 最初と最後の少年漫画的な展開はちょっと。もっと殺伐として欲しい

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今回のビデオカードはS3 Savage4 Pro(Diamond Stealth III S520)。Diamond社のカードということで他社の同ビデオチップよりも高画質だと想像できるが、パッと見美しいと感じた場面は無かった。デスクトップ画面でもゲーム中でもだ。だが、これは文字通り美しいと感じなかったというだけの話であり、とりわけ酷いということでもない。ようは普通の範囲なのだ。XGA解像度で見る限り多少のボケが入っているものの、落ち着いた発色だし、高画質すぎるビデオカードを見た後だから生まれた不満と言えなくもない。

また、余談のような本題になるが、何故このビデオカードを購入したのかと言うとDOSゲームとの互換性のためである。現代っ子の私はISAバスにサウンドカードさえ挿さっていれば(特にSound Blaster 16)、どのDOSゲーも動くと思い込んでいたのだが、そうでは無かったのだ。RetroGamingPCをいじっているうちにDOSゲーが立ち上がったり上がらなかったりする現象を不思議に思い調べてみると、どうもDOSゲーとの互換性を保っているビデオチップとそうでないものがあるようなのだ。結論からいうと、S3社製がド安定。描画能力を考えれば、どの会社のビデオチップでもDOSゲーには十分な性能なのだが、肝心のゲームが立ち上がらなければ何の役にも立たない。よって、実機でDOSゲーを遊びたい人はS3のビデオカードを一枚は抑えておくのが良いように思う。

ひぐらしのなく頃に解 目明し編 – 外堀が埋まったか(5)

第五話目明し編は第二話の綿流し編の伏線回収が主だった。今作の主人公詩音と魅音の双子に関する二話で腑に落ちなかった部分がすごい勢いで埋まっていくのは心地よい。スッキリしていく。ただ、あくまでそれ以上でもそれ以下でもない。物語の核心部分…つまりプレイヤーが一番知りたい事柄には殆ど触れられなかったため、お預けを食らった感じだ。また、裏側を知ることができたこと自体は良かったが、全体を通した満足度は低い。その要因は主人公詩音の爆発的な感情にシナリオの焦点が当たっていることだ。正直、理解できなくもないがまったく付いていけない。単純に付いていけないのならば、無視すれば済む話だが、どうもその感情の高ぶりが「ひぐらしのなく頃に」のテーマとなっていそうなので、ある程度付き合う必要があるように思えたのだ。

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今回のビデオカードはSPECTRA 5400 Premium Edition(NVIDIA RIVA TNT2 Ultra)だ。このカードは販売会社のCanopusが独自の技術で、3D性能が優れているものの画質がイマイチだったNVIDIA製のビデオチップを高画質にした抜け目のない製品。よって通常のTNT2の画質でないことを断っておく。Canopus独自のドライバを入れてマシンを起動すると青色が美しく見える。Windows98の起動画面の青が透き通っているのだ。デスクトップでのシャープさもかなりのもので、Monster Fusionよりも気持ち下といったところだが、出回っているビデオカードの平均を想像するに十分高画質な部類に入ると思う。ゲーム中ではレナの制服と梨花の髪…つまり青だが、非常に美しく見える。うまい言葉が見つからないが、綺麗に見える青色が出ている感じだ。

ひぐらしのなく頃に 暇潰し編 – まだ足りない(4)

暇潰し編とは名ばかりの出題編最後の核心部分に触れるシナリオ。それを最後まで読み終わっても「まだ判断材料が足りないな」というのが素直な感想だ。薄々気が付いていたが、このゲームは論理で謎を詰めていくのではなく、想像で物語を補う方が大事なのだ。それが難しい。わりと真面目に読み進めているものの、きちんとした事実が少なく、ふわふわしたものを繋ぎ合わさないといけないのである。その繋ぎ合わせが合ってるのか間違っているのかが不明瞭すぎて気持ち悪い。しかし、それに耐え、辛抱強く、自分の”想像した正解シナリオ”が正しいのかどうかを大石刑事のように泥臭く調べ(リプレイし)ながら確かめていくのが理想的な遊び方なのだろう。

また、人間の仕業とオヤシロ様の祟りという二重構造のせいで物語が非常に理解にくくなっているわけだが、それとは関係なく、微妙な論理的思考が可能でありながら夢見がちでオカルト大好きっ子の私からすると、どこまでを現実的に考え、どれほどオカルトを混ぜていいのかが分からなくなる。本作に限った話ではないが、物語が筋道通りに進んでいる状態がもっとも心地よいのは確かだが、オカルティックがミルフィーユのてんこ盛り状態になると…そう、現実離れすればするほど逆に「ありえるなぁ」と素直に納得してしまうことも多いため、そのような人間が直感的に推理をしてしまうと、実は○○○がオヤシロさまの○○○で○○○を○○○に○○○できたりして○○○も○○○を有していて○○○を余裕で○○○とか、レナが○○○によって戻された時にはすでに○○○でこれが礼奈へ○○○というような、伏せないで書くと馬鹿にされそうな内容が自然と頭に浮かんでしまうのだ。このような妄想を頭から振り払いながら事実を積み重ねて道筋を作っていくのはとても疲れることなのである。

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今回使用したビデオチップは3Dfx社のVoodoo Banshee。製品名で言うとDiamond Multimedia社の「Monster Fusion」だ。某巨大掲示板群のログを読む限り、同じVoodoo Bansheeのチップでも販売会社によって基盤の品質、つまり画質が大きく違うらしいので一応記載しておく。Diamond社のはかなり良い方らしい。同社のOriginal Driverを当てた後にデスクトップ画面を見てみると、Windows98デフォルトの壁紙が美しい。背景の緑色が妙に濃く見えて艶めかしいのだ。それでいて全体のシャープさもなかなかのものである。Matrox G400MAXには劣るが…というか、G400がやりすぎなくらいに尖っているので、Monster Fusionの方が自然で綺麗に見える。まぁ好みの範疇だろうが。実際のゲーム画面では緑だけでなく全体的に色が濃く見え、かなり好みだ。Serious Engine 3以上のゲームを起動すると、いの一番に色調を”Vivid”に設定し直すほど濃い色が好きな私にはなかなか合っているビデオカードであった。

ひぐらしのなく頃に 祟殺し編 – 確かな情報が少ない(3)

お気に入りの沙都子に焦点を当てた三話目の祟殺し編は、ホラー色が強く満足感の高いものであったが、同時に不快感も強かった。不快の源は主人公圭一の独善的な思考と不可解な行動だ。「カルシウム足りてる?」といった突っ込みでは間に合わないほどのレベルで今までの彼とは別人なのだ。それらをまとめて”祟りの表現”として狙って書いているのならば良いのだが、そうでないのならばあまり褒められない。推理の面では、圭一の主観的なテキストが多いことから、確かだと思える情報が少ない。よって前回と同じで「どこに頭を使えばよいのかわからない状態」のままだ。理想はオマケモードでもほのめかされているように鬼隠し編をやり直すのが一番なのだろうが、だんだんと物語から心が離れ始めているので、さっさと次に進もうと思う。

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今回使用したビデオカードはATI社のRage 128 Pro(ALL-IN-WONDER)。スクリーンショットでどこまで伝わるかはわからないが、赤み帯びた色味が実にこの手のゲームに向いている。大げさかもしれないが、デフォルトの状態ではどのビデオカードよりもキャタクターに血が通っているように見えるのだ。流石ATIはこの発色を売りに市場で戦っていただけのことはある。ただ、その発色以外はかなり酷いもので、デスクトップ画面(XGA)をチラ見するだけでも滲みボケているのが分かる。動画やゲームでは気にならないだろうが、通常のPC使用には限りなく向かない。

ひぐらしのなく頃に 綿流し編 – 思考保留(2)

Steam版鬼隠し編をプレイし、続きが気になったので、物語が最後まで読めるパッケージ版をまとめて購入してみた。そういうわけで今回は二話目の綿流し編であるのだが、最後まで読んだ感想としては「何を考えれば良いのかわからない」といった感じ。思考の材料が本作と一話目の鬼隠し編しかないため、それと強引に結びつけるような推測もできなくはないが、もっとスマートに解を出したいため、今回は脳みそを使わないように決めた。最後、梨花のポケット入っていた”物”は分かりやすいヒントになっていると思うが…。推理とは少し離れるが、オリジナルのテキストはSteam版鬼隠し編に比べて全体的にコミカルさとギャルゲーの要素が色濃い印象だ。三話目の祟殺し編もこちらに近い雰囲気なので、Steam版は怪奇色を強めるためを少々落ち着いた感じに書き直されている気がする。

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今回は実験的にMatrox G400MAXでプレイ。デスクトップ画面を見た瞬間に分かるシャープさが美しい。当時は発色と画質でこの手のゲーマーに人気だったようだが、実際にゲームを動かしてみるとそれほど綺麗な印象はない。目が肥えたからだろうか、特別な調整が必要なのだろうか、それともCRTが前提なのか。