Painkiller Hell & Damnation – ファンの戯言(9)

難易度Nightmareを鼻歌交じりにクリア。大体は気分によって武器を変え、好き勝手に動き回り、調子に乗りすぎてヘルスが50辺りまで下がると、立ち回りを手堅くし持ち直していくといった具合だった。本作を一言で言えばコンソールゲームユーザーへ向けたPainkillerフランチャイズ販促用リメイク作品だ。これ以下の文章はシリーズ経験者に向けたものである。本作はUnrealEngine3による強化されたビジュアルや新しい武器とストーリー、怪しい日本語吹き替えなど、過去作のファンを惹きつける要素が無いこともないが、一度触れてみればやはりPainkiller: Black Editionの方が良いと感じてしまうのではないだろうか。その要因が刷り込みによるものなのか、アクセルジャンプ絡みの挙動のせいか、サイコさや陰鬱さが減った雰囲気のせいか、単純なボリューム不足のせいか、新鮮味の少なさからか…よくは分からないが、とにかくBlack Editionの方が良いのである(刷り込み)。

Redemption化したか

過去Painkiller Redemptionを”ボーリング”と評したレビューを見事だと思ったが、実はこのHell & Damnationもなかなかのボーリングゲームと化している。なにしろ新武器Soul Catcherのプライマリが貫通性能を持った攻撃で、敵配置もそれを見越したように変更され、無印よりも品のない湧き方なのである。無印同様に立ち回ると、どうも火力不足に陥る場面が出てくるため、敵を直線状に集めてからSoul Catcherで一気に切り裂くのが有効となる。確かに爽快ではあるのだが、これはGrenade LauncherやRocket Launcherの仕事と被りすぎている。倒した敵の魂が出現している時間とMapの構造と自身のアクセルジャンプの技量とを図りながら、上手に無駄なくリズミカルに魂を回収していくのがゲーム性の中核を担っていると考えている私からすれば、本作のボーリング化は劣化と言わざるをえない。

敵を集めてドカーン、まとまった魂を回収し、デーモン化してまた敵を蹴散らしていく流れがはたしてPainkillerである必要があるのか疑問だ。Redemptionは非常識なほど弾薬が制限されているためボーリングしなければいけない状況が発生したのだが(初期Verのみ?)、本作では弾薬が多すぎるうえ「ま、こんなんで喜んでくれるやろ」と気軽に作られた印象が強くて残念である。RedemptionはModのようなものだからこそ一定の理解が可能だが、リメイク作品でこれをやってしまうと、質の悪いバカゲーでしかない。私はメインターゲットであろうコンソールユーザーにも大きな特徴であるStake gunをふんだんに使わせる状況を作っても良かったように思う。今回移植されなかったTown(Chapter2-Level5)はStake gunの偏差撃ちと悪趣味なPainkillerらしさがうまく混じった素晴らしいMapなのだが、ここを収録しロックなBGMと共に死者を次々と杭で壁に貼り付けていく卑しい快感とRe三部作とは違う”本家のPainkillerらしさ”というのものをもっとアピールして欲しかった。

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◆男の子が大好きなロケットランチャーとマシンガンを併せ持つ夢の武器

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◆絵面は良いが、実際の日本語ボイスは外国人が棒読みで破壊的

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◆リメイクに遊園地が無かったら暴動が起きていただろう

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◆炎の描画には力が入っていて、なかなか良い感じ。火力も高く、満足の一品

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◆いくつかの無料DLCマップはあまりに敵が硬く、珍しくカードを発動させて戦った

Painkiller Hell & Damnation – ファンの戯言(9)」への4件のフィードバック

  1. 子供の頃から無印Painkillerから全シリーズ累計1000時間以上やった者です
    自分も同じく無印の方が楽しいのがわかります
    私は今でもすごくやりこんでいる無印と比べて不満なのが敵が直線でしか移動しない、エリア内のAIが雑、モデルが一部流用、MODツールの不便さ、記事の通りお粗末な敵の沸き(スポーン)ですね
    評価できるところがグラフィックぐらいでまだまだ無印の方が良いですね
    ステークガンとボルトヘッチャーの杭は同じく共感できます

    私の無印は自分用にですがオーバーホール化+リメイク以外のデータを取り入れて公式ツール使用しながら遊んでいます

    • 現役で1000時間以上という数字には凄みを感じます。Hell & Damnationで一番良かったのは樽の爆発範囲が狭くなっていて(?)自爆ダメージを受けにくくなっている点でしょうか、が、やはり褒められる点は少ないですねぇ。グラフィックが綺麗になっているのもマップによってはおどろおどろしさが減っていて、素直に喜べなかったりもします。過去作のファンにとっては一度遊んだら十分で繰り返しのプレイには耐えられない代物かと。

      昔はPK++やPowermadなんていうのがありましたが、今はオーバーホールや便利なツールがあるんですねぇ。近頃はオールドスクールスタイルのゲームが結構な数でてきていますが、どうもしっくりこないことも多く、Painkillerってよく出来ていたんだな(もしくは自分に合っていたんだな)と再確認させられます。近年になって相対的に価値が上がっているような気がします。まだまだ遊べるゲームなのかなと。

      • 初代のPainkillerは僕の中では神ゲーとしてやっていて今でも飽きていませんしね
        便利なツールと言っていましたが実はPainEditという本家が用意したツールが最初からあります(Painkiller Black Edition\Bin\Editorの中)この中で好きなモンスターや演出など変えたり増やしたりして配置できます Steam版は初代だけなぜかキーロックされていて出来ないので僕はCD版の買ってやりました
        元が古いゲームなので現代のスペックが成せる事して敵が1ステージ数千体以上 フィールド内に登場するモンスターを100体以上スポーンさせたり モンスターのステータス変更(バラバラにならずHPを低くしてロケランなど吹っ飛びしやすく爽快感ある感じに)や新しいAIの追加 続編で使ったステージやモンスターの追加 Edit使用して作ったオリジナルのモンスターを追加 大量の敵を延々と倒すエンドレスステージ作ったり結構極めて遊んでいます
        モンスターをバラバラにならない設定しているので敵が勢いよく吹っ飛んで結構楽しんでいます

        ちなみに樽もPainEditで数値を変える事ができるので爆発範囲狭めたり吹き飛ばす威力上げたりできます

        • 私もPKが好きで特にBlack EditionはFPS史に残るぐらいの出来だと思っています。いつでも気軽に遊べて安定した満足感が得られるところが気に入っていますね。GOG版のPainEditはそのまま動かせましたが、ちょっとこの手のツールは相当好きでないと使いこなすのは難しいかなと(汗)。物理エンジンが上手に組み込まれたゲームなので、そのあたりをいじるとなかなか楽しくなりそうですね。デフォルトの樽の爆発範囲もやはり小さな不満ではありました。

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