Unreal 2 – 日本語版で二週目(13)

Unreal2が面白くなかったのは物語を理解できていなかったからでは?とほんの少しだけ疑問に思ったので、日本語版をポチってリプレイしてみた。難易度はNormalを選択。防衛系のミッションが高難易度になった場合のリトライによるストレスに耐えられそうにないから。・・・うん、面白くない。日本語字幕により物語の理解が深まっても、アクションシューター単体として最低レベルの出来であることは記憶のまま変わりなく、ダメなシューター部分を帳消しにできるほど物語が優れているといった感触も受けない。シューター部分のダメな要因は武器の火力、着弾速度、敵との移動速度差、敵の異様な反応速度と命中率、などの複数の要素がまるでかみ合っていないため。

プレイヤーはAimの技量が反映される武器を使っている時のみギリギリ遊べるいった感じで、防御回避予防面において楽しめる場面がほぼ無い。せいぜい遠距離から飛んでくるロケットランチャーをよける程度だ。中距離以下は敵の攻撃を見極めて操作に反映してもキャラクターの移動が遅くてだいだい回避できない。基本的に敵の攻撃をボコボコ食らう前提でゲームが進むので、休憩地点では結構な量の回復剤とアーマーが置かれている。ゲームの進行には支障が無いのかもしれないが、攻撃が回避できない状況が多く、攻撃を当てられる状況もある程度固定化されているため、戦闘行為全体において開発の意図した行動を取らざるを得ない。一本道で進行するゲームの末端の戦闘のやり方まで一本道という不自由なシステムについて、アクションシューターの皮をかぶったADVであることを疑ってしまう。

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フルアーマーは動きが鈍いのだ

虚構の世界にどっぷり漬かっていると”動けるデブ”という存在が当たり前になり麻痺してしまうのだが、常識的に考えて分厚い鎧を身にまとえば動きは鈍くなる。これは至極当然だ。ところで、普段一人称視点のゲームを遊んでいると意識しにくいだろうが、主人公の体系を見てもらうと、Unreal1の主人公Prisoner 849は囚人とあって薄着で身軽。それに比べ、Unreal2の主人公John Daltonはガタイが良いとはいえ普通の人間が分厚い鎧を着ている状態。つまり、前作のUnreal1に比べてプレイヤーの動きが重いというゲームの調整はさほどおかしくない。

そこそこ地位のある人間が死なないよう各惑星をパトロールし、Skaarjのような化け物と戦うのだから、相手の攻撃に耐えられる高性能なアーマーを着て攻撃を喰らいながら相手を仕留めるのも、戦闘員のほぼ全員が重アーマーを着込んでいる点から、世界観的に正解なのだろう。ここもおかしくない。これにハッと気が付いた時に重いストレスから開放された。そう、Unreal2はおかしくないのだ。・・・まぁ、ストレスも矛盾も感じなくはなったが、より醒めた目でどうしようもないつまらないシューターだと気が付いた瞬間でもあった。その…ゲームの世界観と戦闘バランスが合致していると、こちら側も否定のしようがないのだ。戦闘部分を否定することが全否定に繋がりかねないからである。だって世界観とくっ付いてるんだもん。せいぜい武器の着弾速度を上げろ(=超ヌルゲーにしろ)と言うぐらいだろうか。初代原理主義者は軽く全否定で終わらせると思うけど。

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◆Unreal2と言えばやはり紫色のビームが印象的

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◆物語は興味深くはあるが、面白いかと聞かれるとちょっと困る内容。尺が短すぎて、どうにも描ききれていないようだ

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The Fifth Vortex – 観光旅行(12)

The Fifth Vortexは2013年に公開されたUnreal(1998)のシングルMap集だ。ストーリーは拡張パックのReturn to Na Paliから25年後ということで、Skaarjの数が少ない。「Skaarjが少ない」というのはPrisoner 849(Unrealの女主人公)が暴れまわったからという開発側の設定なのだが、プレイした限りだと、どの敵も少なく戦闘自体が少ないと言える。つまり、軽い探索がメインであり、Return to Na Pali後の世界がどうなっているのかをゲームを進めながら紐解いていく、オリジナルUnrealが好きな人に向けた後日談形式のMap集なのだ。ボリュームも三時間ほどと丁度よい感じで、強化型のラスボスも居ることから、クリア後の満足感は高かった。

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上の二つは3dfx Glideで撮ったもの、以下はOpenglで撮ったもの。実際はGlideの方がやや綺麗に見えるのだが…キャプチャソフトの設定を忘れて低画質になってしまった

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Operation Na Pali – 演出は要らない(11)

もう少しGlideで描かれたUnrealの世界を冒険したかったので、評価の高い大型シングルプレイMod「Operation Na Pali」に手を出してみた。本Modは公式ミッションパックReturn To Na Paliの出来に納得できなかったファンたちが作ったということで、その質とこだわりはかなりのものだ。オリジナルUnrealに近いプレイ感覚で気持ちよく遊べ、長時間楽しませてもらった。

ただ、想像以上のゲームプレイに反して予想外の不満もあった。それがスクリプト演出の異常な多さである。ゲーム中心部分の出来不出来には寛容な私であるが、没入感を阻害されることには敏感だ。10分に一度くらいの割合で一人称視点から三人称視点へと頻繁に切り替わるようでは、ゲームの世界から意識がそれてしまい、Unreal特有の素晴らしい没入感が削がれてしまう。没入感が減ると、その場では気にならないが、私の場合だとものすごい勢いで記憶から消えてしまっていく。そう…今これを書いている段階でもうすでに各MAPの記憶が薄れてしまっているのだ。

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◆ModのベースとなっているUT99に準ずる形で武器が強い。また、それに見合った敵が存在しないことから難易度は低めと言えるが、不満には繋がらない。ポジティブな意味だと断っておくが、Unreal2のように戦闘よりも景色を楽しむゲームとしてプレイするのが良いのだろう

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◆演出過多でとにかく醒める。力が入っているのは認めるのだが

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Unreal: Return To Na Pali – 難易度Hardで二周目(10)

本拡張パックUnreal: Return To Na Paliの出来が気に入らないとの理由で作られたMod「Operation Na Pali」をより良く楽しむため、難易度を上げてやり直してみた。…まぁ、記憶の通り可もなく不可もなくと言ったところだろうか。三つの新武器はそれなりに新鮮で、Combat Assault Rifleは弾持ちが悪い分即着弾で強力だし、Grenade Launcherも威力が高くセカンダリがトリッキー、Rock Launcherも弾速が速い素直な武器で使い勝手が良い。新敵もほんのりと記憶に残る程度のいやらしさを持ちながら、残りすぎるほどのストレスをプレイヤーに与えてこないので、十分に合格を与えられるレベルだ。ボリュームは流石に本家Unrealと比べると少なすぎるというレベルだが、個人的にはコンパクトにまとまっていてそれほど悪い印象はない。むしろコンパクトだからこそ簡単に二周目を遊ぼうという気になったわけでもあるし。良くも悪くも元々の出来が抜群に良いので、本編が好きならばなかなか楽しめるように思う。

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◆即着弾のCombat Assault Rifle。武器枠が同じMinigunが即着弾になった感じだ。異様なほど燃費が悪いので、適当に撃ってるとすぐに弾薬が尽きる。また、強力ではあるが超強力というわけではないので、温存しておいてここぞという時に使うものでもない。そのためどこで使えばよいのかが分かりにくい武器だ

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◆弾速の速いロケットランチャーRock Launcher。ノーマルロケットランチャーに比べて威力が低い気もするが、そうは言っても爆発物に変わりない。直に当ててよし、足元を狙ってよしの使いやすい武器

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Unreal – GlideとA3Dで三周目(9)

最も理想的であろう環境にてUnrealの三周目を遊んでみた。難易度は過去に遊んだ経験からNormalへ下げた。少し優しいくらいでガンガンゲームを進めていくほうが、巨大でシームレスなMAP構造と合っているような気がする。凝った感想は特に無い。終始良いゲームだなぁとぼんやり感じていたくらいだ。抜群に優れたゲームデザインのUnrealをGlideによる美しい描画とA3D 2.0による立体音響で遊ぶことができ、とても充実した一時を過ごせた。

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◆しょっくこんぼー

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◆ちゅうぼすー