Dead Space 3 – 大きすぎた期待(9)

四肢切断を中心とする細かいAimを遊べると期待していたDead Space 3だったが、意味のないストーリーとくだらない痴話喧嘩を見せられる比重が増えていて、銃を撃てる時間が少なくなっていたのが残念だ。さらに言えば登場人物の会話がつまらないを通り越して不快という域に達しているのに、スキップできないのがより事態を深刻にさせている。もしも同じ路線でDead Space 4を作るというのならばいっそ映画にして欲しい。

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グラフィックだけ優れていれば

Dead Space 3のグラフィックはとても綺麗だ。得意の宇宙空間はもちろん、宇宙船内部、雪山、各種パーティクル、ゴミの一つ一つまで細かく作りこんでいる。私自身、グラフィックが優れているならば、ゲームプレイがお座成りであったとしても許せるが、本作はその度合を遥かに通り越している。問題点はCo-opを重視したバランスで製作されているためか、シングルで遊ぶと頻繁に挟み撃ちに遭って意図しないダメージを受けてしまう。その不意に受けたダメージの埋め合わせをどこでするのかというと、大量に取得できる回復薬だ。操作するアイザックは銃を撃つ度に長く硬直してしまうため、ヒットアンドアウェイ戦法を取ることができず、回復剤を頼りにダメージを覚悟して確実に銃弾を当てるという、肉を切らせて骨を断つ戦法になりがち。こうなるとホラーでもアクションでもないヌルいだけの作業だ。

シリーズ最新作としての方向性

初代はホラー、2はアクションを重視したのに対して3はCo-opへの対応と手堅い選択をしてきた。過去作のファンに「ホラーにCo-opを持ち込むな」と言われたとしても、この舵取りは妥当だ。私はプレイしていないが、そのCo-opも概ね好評のようだし大失敗というほど悪くはないと思う。

それよりも大きなミスは、冒頭で触れた「解決させる気のないストーリー」と「それをスキップ出来ないようにした」ことだ。ゲー ムプレイ自体が楽しいか微妙なレベルの出来なのに、追い打ちをかけるようにキャラクター達がプレイヤーの手を離れて無駄な口喧嘩をし始めるのは、プレイ意欲を大きく減らしている。筋の通ったストーリーを作ったのであれば問題にはならなかっただろうが、単純につまらない上に、DLCありき続編ありきの冗長なものになっているので、プレイヤーにスキップする権利を与えても良かったと思う。そうすれば、ESCキーを押すだけでつまらないものから目を瞑れると同時にすぐに銃が撃てるし、気楽に二週目をプレイして武器を改造して楽しもうという気分になっただろう。

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◆登場人物のカーヴァーだけが常識人。次回作があれば彼に主役をやってもらいたい