本作は普段から俗にサメ映画と呼ばれる劣悪な映像作品集で時間を浪費してしまっている物好きなユーザーには向いているものの、それ以外の正常な感覚を持っている人間にはあまりお勧めできない(開始一時間だけという制約なら美味しいところだけ摘まめるのでアリ)。
というのも本作は母サメの復讐というストーリーがあるにはあるのだが、実際には子サメを操作し、亀やナマズなどから人間、海洋生物へと食物をひたすら食べて体を大きくすることだけが目的なのだ(Sporeの序盤やThe Mawに近い)。単調なレベル上げと言い換えてもいい。申し訳程度のオープンワールド要素があるもののゲーム部分だけを見ればクリックしているだけに近い。レベル一つ上がるごとに大きくなるサメの体に喜びを見出せるようなサメ好きであれば全編を通して楽しいのだろうが、それでないのならどこかで退屈を感じるはずだ。
◆背びれを見せつけて人間を驚かせるジョーズごっこ。こういうなりきりは割と大事だ。恐怖が最高のスパイスってか?
◆サメ映画界では海水はもちろん、沼地、砂地、内陸、雪山、上空、宇宙空間さえも人間には安全な場所が存在しないのが常識となっているが(フィクションのミルフィーユ)、本作のサメもレベルが上がると共に肺活量も上がっていき水中以外の行動範囲が広がっていく。ああ、エスカレートとは良いものだ