10 Sectors(2000)はSectorを10個に制限して作ってあるのが特徴のMegawadです。そのSectorというやつなんですが、Doomの擬似3D空間を描画するのに必要なVertex(頂点)、LineDef(線)、SideDefなどで設定した基本的な構築物(主に壁)がどのように連結しているかを伝えるものです。極端に言えば、こいつが無いとWolfenstein 3Dと同様に天井の高さが一定の平面な空間となってしまうでしょう。もちろん、これはSectorの仕事のほんの一部であり、酸性の床やエレベーターなどいろいろな部分で使われています。この説明でピンときたかもしれませんが、実はこのWAD”Sectorが10個に制限されている”のが如何に大変かを理解していないと真の価値が分からないのです。つまりMap作成経験のある人向けということ。ゆえに、その経験の無い私ではどこがどのように優れているかわかりませんので先に謝っておきます。DOOMすいません。
言いたいことが言えたので話をひっくり返しますが、とりわけ特別な知識がなくてもシンプルで結構楽しめるWADでした。近年…というか、DOOM発売から10年経った2004年あたりからのWADは異常に複雑かつ高難度で、10年選手ではない私には楽しめないものが多いのです。その点10 SectorsはDOOM1のカスタムMAPのような感じで、全体的にあっさりして遊びやすかったです。点数をつけるとしたら77点くらいでしょうか。まぁまぁお勧めできます。ひとつひとつのレベルが小さいのも好印象。
◆制限のせいか、だだっ広いところや狭く区切られたところが多い
◆狭い場所でサイバーデーモンの同士討ちを強制される。基本的にはまったりしたレベルが多いものの、コミュニティの公募から32レベルを選んだということで、激しいMapperのものも混ざっている
ボクもwadの難易度が極限の高難易度化でいつの間にかwadで遊ばなくなった身です。
どうしてもユーザー制作の物だと強烈な難易度の方が話題になりやすいですけど
製品版のような遊びやすさをあえて作るのは難しいですね。
最近のWADは難しすぎる!という主張には勇気が要りましたが、同意コメントをもらえてホッとしています。もし新しいWadにこだわるというのでしたら、現在の状況は絶望的ですが、高難易度化する前の古いものを引っ張り出して遊ぶという手段は悪くないように思います。日本語Doom Wikiにも『Top 100 WADs of All Time』の項目があり、2003年までの優秀作品が労力を使わずに知ることができますし。ここに満足がいかないようであれば、やはり向こうのコニュニティを覗くしかないでしょう。
製品版に近いものは作るのが難しいのか、そもそも作っているのか、さらには作っても埋もれているのか。と、積極的に情報を得ないとなんとも言えないですね。恐らく一定量は作られていて、結構埋もれている気がします。Cacowardのような優秀作品を選ぶ人たちは間違いなく20年選手ですし、シンプルすぎるものはいくら出来が良くても、あまり評価されないのでは?=大々的に表に出てこない