小回りがきかないので位置取りを考える必要があり、装甲が薄い部分にダメージが通りやすいという二点からTank Combatは戦車ゲームとして最低限の要点を満たしている。尚且つアーケードライクで複雑な操作が要らないので、シム要素とアクションの落とし所が非常にうまいゲームだ。難易度も難しすぎず簡単すぎずの丁度よいところで、かなり楽しめた。
操作は単純で「移動と射撃とズーム」「マップ表示とオブジェクト確認」の5つだけだ。MAPを見れば、あらかじめ敵の出現する場所がわかるので鉢合わせる時に有利になりそうな地形を確保しておきたい。砲弾は放物線を描くように飛ぶが、風の影響や他の条件などは無く気にしなくてもよい。基本的には敵のキャタピラーを狙えば効率よくダメージを奪えるが、クリーンヒットした時以外は無音なので、弾が外れたのか装甲に弾かれたのか不発だったのか、全然わからない。それが唯一で最大のゲームの難点だ。あと、射撃する際にズームを使用するとほんのり命中率が上がっている気がするのだが、前述した理由のせいで確証が得られない。
小気味の良い戦闘とBGMが気に入っている。BGMはのんびりした曲調のものから、押せ押せのノリノリ系まで幅広く、ゲーム内容とまったく合っていないが、何故か面白く感じた。キャンペーンはアメリカ、ドイツ、ソ連の三つを好きなタイミングで進めることができるが、難易度はゆるやかに上昇していく作りなので特別な理由がなければ順番にやっていくのが良いだろう。ソ連を始めるあたりからは慎重にプレイしないと、すぐに自機や味方が大破してしまうので、カジュアルといっても戦車のゲームということを忘れずに。