TEKKEN 7とUNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[st]とGUILTY GEAR -STRIVE-とTHE KING OF FIGHTERS XVの実績を全て解除したので、鉄拳が優れていたことを書きたい。格闘ゲームと言えば、ネット対戦こそがメインコンテンツのような顔をしているが、これは間違いなくエンドコンテンツだ。最後のお楽しみである。おまけとも言っていい。ただ、エンドコンテンツのように感じないのはクリアに相当するものが分かりにくいからだと思う。アーケードの匂いが残っていた時代であれば最高レベルのCPUに勝つというのが攻略雑誌の記事になる程度にクリアの指標となっていたが、現在では実績解除条件の一つであることも珍しくなく、とても終わりを意味しているように思えない。
つまりは全実績解除こそがゲームクリアと言いたいのだ。大方のタイトルは全てのゲームモードに触る必要があるため、ことさらクリアした感触を得られる。鉄拳7はこのクリアを楽にした(=終わりを明確に示した)ため、ネット対戦がエンドコンテンツと見えやすくなっている。ゲームをクリアした後ならばネット対戦でボコボコにされてたとしても「強い奴ばっかりでつまんね」とさくっと辞めていいし、「せっかく買ったしコイツぐらいは見返したろ」と頑張るのもいいだろう。クリア後だからこそ、次の行動を選びやすいのだ。これだけではないが、鉄拳は各種タイトルの中でもユーザーに時間も労力を負担させない優しい作りになっている。他ジャンルのヒットゲームは当たり前にやっていることではあるが。逆にプレイヤーに無駄な時間を強いるだけのつまらない実績を用意したKOF15は猛省してほしい。
◆鉄拳7で関心したのは物語に深く絡まないキャラクターのストーリーが簡単に読めることだ。因縁のある相手一人だけに勝てばOKなのでほんの1.2分だ。画面左のポールであればパンダといった具合。KOF15は未だに30年前から続くアーケードモードのクリアとなっており、どんなに頑張っても15分はかかる。常人はこんな無駄な時間に耐えられない
◆GGSTのボス名残雪。格闘ゲームの悪いところを詰め込んだ怪物。なんというか…攻略を見ずにクリアしたら大したものだと思う。使用キャラによってはかなり苦しいのではないだろうか。コイツさえいなければ鉄拳7に並ぶほどの実績構成だった
◆ストーリーモードでハイドより主人公してたケイアス。現行のUNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[cl-r]ひとつ前のExe:Late[st]で全実績解除。この作品も実績解除しやすくて好印象。ビッグタイトルに隠れているが、レスポンスが良くキャラクターを動かすのが気持ちいいうえ、CPUの難易度調整も優れているので一人用の満足感がとても高い
◆大前提としてゲームを作っている側がどのような実績を用意するか、プレイヤーがそれに挑戦するかしないかも自由だ。自由ではあるが、さすがにゲーム以外の現代コンテンツでも時短、つまりは無駄な時間を減らしている流れの中、指定されたキャラクターでアーケードモードを20回クリアしろ、というのはやる気が起きない。何の面白みも感じ取れない実績の数々にはとりあえず用意しました感しか感じられず、それならば鉄拳のようにもっと時間のかからないものにすべきだった。クリエイター側の「せっかく作ったのだから使ってほしい」という気持ちが強すぎるのか
◆見栄えも良いのが鉄拳7。人口が多いのか、発売して日も経っているというのに近い実力のプレイヤーとちゃんとマッチングして凄い。もう一つ実績の話になるが、ランクマッチで一勝が条件の「よし、うまくいったわ」は良い塩梅だと思っている。ランクマッチ絡みはこれ一つだけだ。猛者の多いネット対戦ではあるが、一度だけの勝利というのはなんだか希望が持てる。セールを待たず発売日近くに購入していれば、同じ腕前のプレイヤーは世界のどこかにいるはずなので、勝利はさほど難しくないだろう。こういった不慣れなプレイヤーへ寄り添った結果が売り上げ1000万本に反映されたように思う