ああだこうだいう必要のないくらいよく出来たゲームだった。内容的にはウルフェンシュタインシリーズというよりReturn to Castle Wolfensteinのリブートだと言えるが、実際には第二次大戦から14年後の1960年が舞台となっており、その時代には到底作れないような(RtCW以上の)未来的ロボットが多数登場するため、主人公の名前が同じというだけのSci-Fi作品と言えなくもない。ただまぁ、先にも述べたとおり、オールドスクール型のFPSが好きな人間には大変楽しめる内容となっているので、大人の事情など細かいことは気にせず普通に遊ぶのが良いだろう。
本作のよいところは適切な難易度設定により、適度なやり直しを求めてくることだ。ボスの倒し方からルートの進み方、ステルスの成否、通常戦闘など雑にプレイするとすぐに咎められてしまう。かと言って、ギチギチな作りというわけではないし、”普通に”遊んでいるだけで今時のシューターには無い、そこそこの高さのハードルを飛び越えるような気持ちの良い”ゲームを遊んでいる感覚”に浸ることができる。具体的な話に絡めていないため説得力に欠けているのは自覚しているが、優等生タイプから一歩も二歩も進んだ本当に優秀なゲームなので、リトライが苦ではないプレイヤーは是非触れてみてほしい。
◆ヌルめのステルス。ステルスとランボーのどちらにも特典があるため進行スタイルはプレイヤーのお好みで
◆特別好きというわけではないが、Wolfenstein 3Dの画面を見ると気分が落ち着く
今回も「面白いゲームを遊んでいる最中には脳が止まる病」につき文字が少なめ。それと思った以上に本作を楽しめたため、開発陣の過去作であるThe Chronicles of Riddick: Escape from Butcher Bayにも手を出したところ。まだ序盤ではあるが、とてもいい感じだ。