Tom Clancy’s Ghost Recon Wildlands – 試される大地(4)

Ghost Reconはもともと先に敵に見つかってはいけないシリーズ=難しめとして存在していた。そこにプレイヤーが長い時間だらだらと遊ぶために低難易度に調整された真逆のオープンワールド形式のシステム(最も成功しているGTA5の難易度調整が正しいという前提)が合わさって出来てた本作Wildlandsがどうなっているのかと言うと、難易度Regularの範囲ではステルスに寄っているものの、結構な場所でランボースタイルが許可されており、どっちつかずな印象だ。ところがそこにCo-op要素が入ってくると、きっちりかっちり連携を取らなくてもうまい具合にゲームが進むようプラスに変化するため、俯瞰して見るとなかなか良いゲームのように思える。

ソロであっても本作はボリビアの景色を眺めながらSyncショットを用いたステルスプレイが遊べる独自の強みがあり、楽しめるには楽しめるのだが、それは多く見積もって15時間ほどだろう。ドローンとSyncショットをフル活用すると作業になる。先ほど書いた”どっちつかず”はCo-opでは良い方向に働いたものの、一人で遊ぶにはややマイナスに傾く。自由なスタイルを許すということは難易度が低いことを意味し、それが長時間積み重なると飽きが生じてくるのだ。飽きを感じた時にクリアまでの巨大な道筋を見ればネガティブな気分が襲ってくるだろう。メインミッションがもっと短ければ私は高く評価したが、どうにも水増しされたボリュームが好きになれない。


◆なんとなくクリアまでの時間が予測できる

とはいえ面白さは自分で作るもの

やはりゲームに楽しませてもらっているうちはただのプレイヤーであり消費者なのである。ゲーマーであるなら、自分の目の前のゲーム(玩具)を使ってどう楽しむかを考えるべきだ。私の場合はクリアするのが、ことに負担やストレスとの兼ね合いを考えながらなるべく早くクリアするのが好きなので、ゆるいタイムアタックを実施した。もちろん、本作の設計と感性がばっちりと合っていて普通に遊んで最高に楽しいのであればそれも良し、面白いロールプレイを思いついたのであればその通りに演じれば良し、難しいのが好みなら難易度を上げゴースト部隊として暗躍するのもいいだろう。はたまた甘みを感じないほどに薄めたカルピスが気に入らないのならアンインストールを視野に入れるのも良し。作っている側がどう考えているか分からないが、実は中盤以降ゲームへの向き合い方が試されているように思う。


◆エクストリームショートカット。バイクだけでなく車も謎馬力のおかげで坂道をガンガン登れるワイルド仕様。ボリビアの舗装道路を律儀に走っていると、いつまで経っても目的地にたどり着かないため、積極的に岩肌や獣道にトライしてみよう


◆ダイナミックヘリ強奪。ヘリを強奪するのにヘリで現場に向かう本作の不思議光景。全編を通して即死攻撃がないため、実は目的のヘリの隣に着陸して、すぐさま操縦席に乗り込むと戦闘もステルスもすっ飛ばせて早い。キャラクターやヘリの耐久力をスキルで上げるとより安定する

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