本作が前作(1998)からどのように変わったかを、感性が近い人へ一言で言うならば「Half-LifeがHalf-Life 2になったような感じ」といったところか。その落差はHLよりも大きく、残念な気持ちでいっぱいだ。前作よりも優れているところは、Source Engineによって向上したグラフィックとイケイケなチャンネー相棒の追加と半裸の女性キャラを拝めるという以外に存在しないので、プレイする価値が殆どない。前作は限りなくA級に近いB級といった感じのゲームで、目の前の敵をガンガン倒していくだけでも楽しかったものだが、今回はもうB級ですらない。俗にいうC級D級であり、敵がロシアゲーのようなゲーム性皆無の湧き方をするのだ。メリハリもなく奥からダラダラと湧いてくる敵達を、使い心地微妙な武器で倒していくのは苦痛のチラつく作業である。Source Engine特有の敵を倒した感が薄いことも相まって、戦闘しかないゲームなのに戦闘がつまらないといったダメダメな代物となっている。
付け加えると本作はエピソード別という販売形態を取っており、本作はその序盤(1/3)という位置づけになっている。これが何を意味しているかというと、使える武器の少なさに関わってくるのだ。武器はセカンダリモードがあるといっても全部で三つしか存在せず、「ゲーム開始から1時間近くもハンドガンのみで戦う」といった状況になる。普通に遊んでいれば水増しのようにしか感じないだろう。資金繰りが苦しくてエピソード別の販売形態を取った事情もあるかもしれないが、せめて武器だけは続編との整合性が取れなくても、バランスが壊れたとしても、もっと派手に爽快に遊べるよう多くの種類を出しておくべきだったように思う…が、後の祭りか。
◆色合いと世界観があまりにもHL2。Dark Messiah Might and MagicやZeno Clashなど他のSource Engine採用ゲームはHL2と被らないようにかなり気を付けて作っていたんだなぁと改めて感じた