Driver: San Francisco – 調理方法は正しかったか

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ロゴと言っていいのか、↑見た瞬間ビビッときたので購入してみた。そういうわけで遊び始めてから主人公のオッサンが幽体離脱するユニークなレースゲームだと知ったわけだが、どうもこれが失敗したくさい。実は本作は「実在する車が好きでないと楽しめない」といった感じの作りなのだ。ポイントなのは「実在する車が好きだと楽しみが『増える』」といった従来のレースゲームよりも現実の車への比重が大きいこと。これはオープンワールドなのも関係していて、実質的なメインコンテンツとなっているのが、シフト能力(幽体離脱)を使い、サンフランシスコを走っている(高級)車のオーナーに取り憑き、好きな車で好きなように運転するといったものなのだ。よって、実在する車を運転したいという人間に向けたシミュレーター的要素の強いゲームであり、車にさほど興味がなく、目的もなく走るのが苦手な私にとって中核となっている部分が合っていないことになる。ビビッときたセンサーが外れてしまったようだ。

とはいっても、せっかくビビビッときたゲームなので軽くストーリーモードだけクリアしてみた。気になったのは幽体離脱とレースゲームの相性がそれほど良くないことだろうか。一番特徴的なのが幽体離脱を使っての攻撃であるが、自分の前方を走っている敵車を停止(破壊)させるために、対向車線側の車を操って先の敵車にぶつけるというのも最初の30分程度は新鮮なのだが、すぐに単調さが目についてしまう。取り憑いた車の突進を敵車に躱されてしまっても、つまり攻撃のミスなのだが、なんのお咎めも無い。取り憑いた車での突進攻撃をミスしても、再度対向車線側を走っている別の車に憑依しなおし、同じように突進攻撃を繰り返せば良いだけなのだ。まぁ常識的な難易度に設定をしたからこうなったと言えなくもないが、一番のウリである部分が作業くさくてなんだかなぁといった感じ。「幽体離脱をもっと面白く組み込めないのか?」そう遊びながら何時間も考えたのだが、何も思いつかなかった。例が少なくて申し訳ないが、FEAR3のフェッテルやMessiah(2000)などのアクションゲームではわりかし制約が少なく、面白そうなデザインを作り出せそうな気もするが、ことレースゲームになると本作あたりが限界なのかもしれない。

  • オプションからガンマやブライトネスを調節させないUBIのPCゲーマーいびり
  • 敵の速度操作が激しすぎてレースが茶番。純粋なレースゲームとしては遊べない
  • 敵のAIはプレイヤーの突進を避けるタイプと積極的に向かってくるタイプに分かれ、ミッション内容によって使い分けされるのがモヤッする
  • 道路を横切ろうとすると目の前でネコのようにピタッと停止する車(AI)がある。他のゲームでは見かけないゆえ、よく接触する
  • ゲーム後半は適度な難易度上昇により面白く遊べた。が、これは自身の達成による面白さであり、設計によるものではない
  • うーん…やっぱり車好きに向けたオープンワールドじゃなくて、一般人を轢き殺しまくって逮捕される寸前に幽体離脱でトンズラする反社会的なゲームの方が良かったんじゃないかな?(真顔)

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◆クラッシュシーンでは視点が変わり迫力ある画に変わる。コンソールベースのせいか綺麗さはあまり感じない

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◆反対車線からコンニチワ。基本的に重い車ほど接触時に高いダメージを与えられるため、バスやレッカー車やタンクローリーなどの重量車に取り憑くのが常套手段だ