James Cameron’s Avatar: The Game – 惑星パンドラに酔いしれよ

本作はゲームエンジンにFar Cry 2で使われたDunia Engineを採用しており、そのせいか雰囲気やゲーム内容がFar Cry 2に似ている。もし発売された当初にこのことを書いたならば、FC2との相違点をいくつか挙げただろうが、現在ではシステムの進化と遊びやすさの面からSF版Far Cry 3と言ったほうが近いように思う(Lost Planetの方が近いかもしれないが未プレイ)。TPSとFPSの違いはあるものの、どちらもお使いをこなしながら未開の地に踏み込んでいくゲーム感覚はかなり近いと言える。難易度はゲーマーにとっては簡単に部類であるが、普段からマウスやパッドに触れていないような映画ファンでも、頑張ればなんとかクリア可能な範囲。人間よりも先に遊ぶであろうナヴィ(アバター)ならば、体力回復、防御力アップ、スピードアップ、透明化などスキルをリスク無く使えるので、それらをローテーションしながら一匹ずつ確実に倒していくのが良いだろう。

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ゲームを始めると面白いとかつまらないよりも、まず惑星パンドラに「居る」ことに感動する。巨大な木々が生い茂る異世界に「降り立った」ことに興奮する。私自身は眠そうに映画を見ただけのファンとは言えない人種だが、目に見えるもの全てを細かく作りこんだビデオゲームの世界では、むせそうなほどの緑の匂いに、奇妙な進化を遂げた生き物、そこに地球の文明などが混ざってとても異質な空間になっており、男女ばかりをカメラが追っている映画よりも遥かに惑星パンドラの空気を感じられる。この「ここにいる感」は方向性が違うものの、同じ惑星もののUnreal(1998)と近い。一応、ゲーム的な難点も言っておくと、景色が似たり寄ったりなうえ立体的構造をとっているので、MAPとナビばかりを頼りに歩いていると迷子になってしまうことだろうか。

  • DirectX10で描かれた衛星パンドラは絶景
  • Gamersgateでダウンロード販売中
  • AvatarInit.iniからの言語変更で日本語化可能
  • 現在はUBIがサーバーを閉じたため、マルチプレイ不能
  • 本作最大の価値はマウンテン・バンシーを操作して空の散歩を楽しめるところ↓

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◆人間に大きな不信感を持つリーダー格の戦士Beyda’amo。 RDA社(人間側)と戦う時は彼と共闘することが多いのだが、元人間の主人公(プレイヤー)に対して、しゃべる言葉が敵意剥き出し。以前の彼は人間に友好的であったのにもかかわらず、その人間達に仲間を虐殺され裏切られてしまったのだから、このような荒れた態度になるのはしょうがない。主人公を簡単に信頼する他のナヴィ族に対して、彼の性格付けと描写は極めて自然だ。ただ、この物語性を重視した結果、ゲーム中では10時間以上も仕事の評価をされずに罵声を浴びせ続けられるので、精神的にかなり参る。ゲーマーとして今風に言うのならば、さっさとデレてほしい

以下スクリーンショット集

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