Steam版Quake2の大型アップデートにより追加されたN64版Quake2を難易度Medium(2/4)にて一周。PC版Quake2のHub方式とは違い、ステージクリア型なので余計なことを考えずとも、ゴールに向かっていけばOK。良いか悪いかはさておき、一ステージも短くなっており、さくさくとテンポよくゲームが進む。
遠距離戦が減っており、中距離や近距離で戦う場面が増えているといった変化はあるが、違和感は少なくPC版のプレイヤーでも馴染みやすいと思う。全体を通して素直な作りでストレスも少なく遊びやすい。大型アップデート後に始めたプレイヤーでQuake2本編をクリアしてもなお「もう少しプレイしたい」といった欲求を持っていたら、本作の方がイジワル気味な公式拡張パック『The Reckoning』『Ground Zero』よりも上手い具合に答えてくれるだろう。
拡張パックのThe ReckoningとGround Zeroはなんというか、より意地悪にしたQ2という感じがして素直に楽しめなかったんですよね。やたら硬くて天井を這ってくる蜘蛛型の敵や、これもやたら硬い砲台とか。N64版はその点素直な作りなので楽しめました。N64というハードウェアの制約上あまり広いロケーションが描けないので短距離~中距離戦メインという構成になったと思うのですがそれ故に間延びしなくて良いテンポの作品に仕上がったと思います。QUAKE2イージーバージョンみたいな位置づけでN64でFPSをするような子供には適切な作りだったんじゃないかなとも思います。
ハードウェアの制約がいい方向に働いた気がしますね。どことなくQuake1を感じさせる構造の箇所もあり、ピュアなシューターに変更されて遊びやすい作りでした。
検討で終わっていたBerserkerの飛び攻撃が大型アップデート以降追加されましたが、もし98年当時にこれが採用されていたら、拡張パックの印象も変わったかもしれませんね。
プレイヤー側も回避しづらい飛び攻撃が当たり前であれば、面倒な敵キャラの増加や
厄介な砲台に対しても感じるストレスの差が少なく、現在ほどネガティブな評価や気分になっていなかったかもしれません。
そんな意地悪なQuake2が売れたか、拡張パックが加減を知らずより難しくなったという可能性もありますが、最近はそういうifの世界を少し考えています。