プレイしてすぐに感じたのは前作2033よりもシステムが洗練されていることだ。全体に英語圏で作られたA級タイトルのような気配りがされており、とてもウクライナ人達が作ったようなゲームには思えないほど遊びやすくなっている。これはコンソールユーザーの意見に真剣に耳を傾けた結果なのではないかと思う。ただ、前作に比べてガスマスクを装着した時に視野が狭くならなかったのは、シリーズ特有の没入感よりもゲームプレイが優先されたということでかなり残念だ。代わりにマスクの視界部分に血や泥の汚れがこびり付く演出が追加されたのは良かった。
何やら言いにくい雰囲気を感じるが、私はMetro: Last Lightのストーリーがあまり好きになれなかった。というのも、蛇足のような話から始まり、次に起こるであろう事柄が予測できてしまったし、最後までほとんど興味を惹かれることがなかったのだ。また、戦闘についても難易度がNormalであるのを差し引いても面白い場所が少なかった。アルチョムが硬すぎる上に武器も強力で弾薬も余り気味、ステルス箇所も敵AIが鈍すぎて遊べるものになっていない。よって詳しくは何時の日にか遊ぶであろう高難易度DLC”Ranger Hardcore”をクリアした時に書こうと思う。
Cryostasis以来の興奮
さて本作一番の見所はなんと言ってもPhysXである。本作は今までのゲームにありがちだった”一部分でだけPhysXを使っている”という代物ではなく、画面上の何処かで絶えず物理演算がされているといったレベルになっており、歩きながらあたりを見回しているだけでビデオゲームの進化が見て取れる。BattlefieldやCrysisとは違った最高峰のグラフィックを堪能できるだろう。具体的には欠損する柱や床やガラスなどから、冷気や硝煙や湯気などのFogやSmoke Simulation、グレネードの爆発や散らばり弾ける火花、飛び散り滴り落ちる血、ゆらめき燃え上がる炎や吹き上がる水しぶきなどの高度なParticle Effects。そして今まで見たことがないほどの高度な布のなびきを実現したCroth Simulation。これに関してはPhysX無しでも相当なものだが。
プレイしたPC環境はGTX970にGTX480(PhysX専用)とかなり高めであるが、DirectX11でTessellationを最高にするとフレームレートの60維持はギリギリだった。PhysXに関しては目立って力不足に感じた場所は無し。私が購入したのはAmazon.co.jpでダウンロード販売されている日本語版(隔離)なので、最新のパッチが当たっていない可能性が高く、パフォーマンスに関して正確な情報は出せないのだが、もう一年か二年後のビデオカードならば快適かつ綺麗な画質で遊べるようになると思う。現在のシングルビデオカードではTessellationかPhysXのどちらかを諦めなければいけないのでかなり勿体無い。馬鹿げた意見なのは承知しているが、どちらのグラフィック強化機能も本当に力が入っているので、もう一枚ビデオカードを買い足したり、暫しのあいだ寝かせてみたり、数年後にリプレイしたりと何時の日にか最高設定で遊んでほしいものである。
Metro Last Lightと2033をReduxでGTX 1070で遊んだ人からのコメントです。フルHDでも最高設定だと正直重い・・・
僕の場合はじゃじゃ馬さんとは反対で2033はイマイチだったけどLast Lightはかなり楽しめた印象でした。Last Lightは難易度上げたのもあるでしょうし。
個人的な熱中度合いとしては、Last LightはBoneworks、Titanfall 2(キャンペーン)以上 Wolfenstein The New Orderと同等、Spec Ops: The Line(白リン弾以降)とHalf-life: Alyx以下というところでしょうか。ステルスとランボーどちらでも楽しめるのもWolfensteinと似ていました
PhysXに関しては今見てもレールカーの所で驚かされるくらい気合いが入ってるなぁ、、、と感心しました。それ以上に驚かされたのが当時の一般的なAAAタイトルと比べてると僅か10%の予算で、しかも暖房も家具もロクに無い状態でよく作れたな、、、と
エンディングはどちらでしたか?僕はグッドエンディング目指してましたが、バッドエンドでした。この終わり方の方が好きでした
今思えば2033はよく出来たサバイバルアクションでLast LightはそれをアクションFPSに近づけた調整だったのかなという気がします。簡単になったことを単純にマイナスだという風に考えるべきではありませんでした。このところFallout4を触っていて、ポストアポカリプスのような時代(景色)がウリのゲーム、特に難易度Normalではプレイヤーに余裕を持たせるくらいが丁度いいのではないかと考えが変わってきました。
エンディングはバッドでした。内容はバッドというほど悪くなかったような。基本的にはゲームプレイ>エンディングという価値観なので、違うエンディングのためにプレイスタイルを変えることはありません。その結果、どのゲームを遊んでもバッドな展開となりますが、それは納得していることです。
PhysXの負荷は他のタイトルに比べると高い方でGTX 1070ではやはり厳しいでしょう。もう数年後には快適になっている気もするので、もう少し寝かせておくのも悪く無いかもしれません。Cryostasisあたりもそうなんですが、明らかに採算が取れないようなハードウェアによる表現に熱を入れる東欧の姿勢は好ましいです。