Painkiller: Overdose – 難易度Insomniaで二週目(8)

楽しめたのは事実だが、これはPeeple Can Flyがゲームの基礎を作ったおかげであり、Mindware Studiosの味付けが成功していたかというとかなり疑問だ。Overdose後に作ったDreamkillerを見る限り、彼らに芸術的なセンスは感じるものの、DOOMやQuake系の直線的なシューターが好みであったり、それに沿ったものを作りたいといった意思があるようには見えない。この辺りが初代PKファンとの摩擦に繋がったのではないかと考えられるが、個人的にはアリだと思っている。確かに新MapのField Ambulanceは南北戦争のイメージを前面に押し出しすぎて戦闘に支障をきたしているし、単体で評価すればユニークな新武器群もシステムとの親和性が悪くゲームを面白くしているとは言い難い。初期武器のScreamerはあまりに強力でゲームバランスを壊してしまっているし、それを修正することなく、取得弾薬を減らすという応急処置で乗り切ろうとしてしまったせいで、プレイヤーは「何故こんなに強い武器を最初に持たせた?」と不自然に感じるだろう。他にも何故ダメージを食らったのか分かりにくい箇所が多く、ロードが異常に長いといった細かな不満はある。

あるが、では〈戦闘重視FPS〉の拡張パックの理想形とは果たしてどのようなものだろうか(拡張パック不要論は置いておいて)。オリジナルの雰囲気を忠実に守った方が絶対的に正しいということなのだろうか。その場合だと必然的に新しい武器と共にプレイヤーが慣れているからという理由で難易度を上げる方に向かうわけだが、実はこの二つをいじるとゲームが大味になってしまいがち。そもそも別の会社が拡張パックを担当した場合、オリジナルの雰囲気を保つことすら困難だし、大味なゲームを面白くする調整というのはさら難しい。よって少し上のカッコ内に書いた拡張パック不要論に結びつくわけなのである。しかし、私が思うに拡張パックは拡張パック(=Expansion)という名前が付いていても、自由であるべきだと思う。そういった意味でOverdoseは彼らが作りたいと思ったものを作ったわけだし、出来上がった物も遊べないというほど酷いわけではない。当時ならともかく、現在のDL販売価格を考えれば、「まぁまぁ」といったところに落ち着くのではないだろうか。それでも叩くというのであれば開発会社ではなく、むしろ拡張パックという名前で消費者に過度な期待を持たせる販売会社の方にすべきだ。

  • “鎮静剤の過剰摂取”というネーミングがお気に入り
  • オリジナルよりも色使いが好み
  • 強化された既存の武器は改悪。これは理屈ではない
  • 弾薬は結構な数がMapに散らばっているので、チェックポイントに向かう前に回収しておく
  • 実際にそうなっているかはわからないが、中盤から単調さを感じた

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