POSTAL: Brain Damaged – ベースは20年前(11)

Demoに収録された最初のマップはだだっ広くSerious Samのように感じたが、一周を通してみるとむしろここだけが例外といったようで、ゲームが進むほどマップは狭くなっていきPainkillerに近くなっていく。ユーザーからのフィードバッグを受けたのだろうか?広い場所をだらだらと歩くのは2以降のPostalを継承していると言えば聞こえは良いが、アクションゲームとしては面白くない。そういった判断からの切り替えたのであれば、成功しているように思う。Demoマップはさすがに退屈すぎた。

アクションゲームとしてはPostal1~Postal4よりも楽しめる出来となっている。特筆すべきはショットガンのセカンダリ武器でフックショットが放てる点で、高速移動からジャンプアクションまでゲーム全体の動きに幅を持たせている。右クリック一発で上空に設置されている足場(リング)から足場に飛び移れ、フワっとした加速移動が心地よい。現代的な仕掛けでアクセントとしてよく機能している。全体としてみると、大雑把でやや中だるみするため、純粋なシューターとしては先ほど名前を出したSerious SamやPainkillerよりも面白いとは言えないが、Postalシリーズの番外編として、マップ上に転がっている小ネタをゆっくりと見物しながら遊ぶのであれば悪くないように思う。


◆フックショットで上空まで大ジャンプを行った後にロケットランチャーで狙い撃ち。完全にアリーナ系のシューターだ


◆弾薬管理なんてケチなことを言わずに強い武器をガンガン使うのだ。インベントリから使えるAmmo Boxは装備している武器の弾薬を全回復できるため、強力なロケットランチャーでさえも一瞬で弾切れから最大の100発まで補充可能。これはFPS史に残るほどのヤケクソ具合だ。バランス?そんなのは上品ぶったゲームに任せておけ!!

続きを読む

Tomb Raider(2013) – 大変そうですね

クラフトさん家のララさんが次から次へと大変な目に遭うアクションゲーム。落ち着く暇がなく、ずっとピンチが続くので、没入度の高いプレイヤーほど精神的に消耗していき、だんだんとララの行動や意識と剥離していくように思う。ゲーム部分では過去作のTomb Raiderとは異なり、謎解きの難易度が低くなっており、頭の体操にちょうど良い。戦闘も敵が甘噛みしてくる程度のものなので、難易度Normalではサクサクと進行するだろう。よって半分は映画を見るような感覚で接すると良い。製作費も多くかけられているので視覚的な満足感も非常に高い。暇つぶしとしては高く評価できる。


◆特筆すべきは武器の切り替え速度だ。大した理由もなく遅くしているゲームに比べれば、本作のゲーム的で快適な切り替え速度はプレイヤーの思い通りのプレイを助けてくれるため非常に好ましい


◆ストーリーがおかしいだとかQTEがうざいだとかスキルツリーがいけてないだとかだとかララが頑丈すぎるだとか性格が豹変しすぎだとか気になる点は数多くあるが、美しくなったララを拝んでおけばヨシ!?

CYNOROID FORSAKEN – 撃てそして喰らえ

難易度Normal、Hard、Nightmareの順に三周クリア。前作CYNOROID GAIDENに比べると攻防一体の近接武器(チェーンソー)の使い勝手が良くなったため、突進してくる敵や飛んでくる弾への対処が楽なった。危機を感じたらとりあえずチェーンソーを右クリック押しっぱなしで起動させてみると被弾を減らせるだろう。また、いやらしい動きの敵の減少やマップ構造の平坦化から、全体的に戦闘が楽になったと言えそうだ。さらには戦闘後に残った敵の死体を食べることで容易に体力回復を行えるようになったので、普段アクションゲームに触れないプレイヤーもフリーエイミングとゴア表現の楽しさを感じ取りながらクリアまでいけるように思う。

難易度Nightmareについては、Hardまでとは大きく異なっており、アクション4:シークレット探索3:体力弾薬エネルギー管理3といった具合にサバイバル色が強くなっている。実はこのNightmareこそが新システムの近接武器強化、ダッシュ、体力回復との相性が最も良く、”本作らしさ”が出ているように思うのだが、強敵を配置しすぎたのかシークレットを見つけても弾薬不足になりがち。そうなると、なるべくチェーンソーを振り回したり、ダッシュやジャンプによる戦闘回避で弾薬を温存しておこうとなり、銃を撃つ時間が減り、フリーエイミングという主軸のシステム(?)から離れているようにも感じた。前作GaidenのHard(高難易度アクション)クリア者としては、違った角度からの変化球的な試みで良かったように思うが。


◆ビジュアルは正統な進化をしており、血飛沫もサービス過剰なほどに飛び散る。個人的には主人公サイノロイドが大きく描かれるようになったのが嬉しい


◆チェーンソーの攻撃範囲を正確に理解するのがゲーム攻略への第一歩だ。加えて段差(地形)による有利な状況も覚えておきたい

Assassin’s Creed – 優れたカメラワーク

「飽きたら辞める」恐らくこういう考えをもって触れば本作は感触が悪くないように思う。クリア自体は難しくないのだが、同じ行動を繰り返しがちで単調なゲームなので、最後まで遊ぶとなると中世中東の景色に興味があったり、アサシンとして隠密行動するといったロールプレイが好きであるなど、楽しめるかどうかが人に左右されやすいだろう。中盤以降は強制戦闘も増え、ステルス色が薄まっていくのも目立たぬようフードを被った外見の主人公からは想像がつきにくい展開だ。パルクール要素もアシストが強くプレイヤーが自分で動かして感覚は少なめ、オープンワールドに拘りがなければ特化したMirror’s Edgeの方が遊べる。


◆カメラワークは抜群によく出来ており、楽しそうなゲームに見せることに大成功している


◆直接戦闘が多いこと自体はやや不満といったところに留まっているが、どうも相手の攻撃にカウンターを狙っていく行動以外に有効な手段がないようなのだ。そういうわけで戦闘=カウンター行動の繰り返しばかりになり、あまり面白いように感じなかった。前述したとおりカメラワークだけは良いので視覚的な褒美は最低限存在する

GUILTY GEAR 2 – 食わず嫌い(8)

本作がXbox360で発売した当時はギルティギアシリーズ突然のジャンル変更に否定的な意見が多かったが、その反面しっかりと遊んだプレイヤーからの評判は良かった記憶がある。近年Steamにて安価で配信され手に取りやすくなったので、今回キャンペーンのみをクリアしてみたが、その意味が分かった。本作はいいゲームだ。それは「メーレーアクション」という新しいジャンルを開拓し、かつ上手に出来ているという意味である。

対人戦が重視されているように思うがゴリゴリにオンライン対戦する必要はなく、軽くキャンペーンを遊ぶだけでも、大分ギルティギアしているのが分かるだろう。ルールをある程度把握した後に想像する最終的な操作の忙しさと脳の消耗具合からは、間違いなくギルティギアシリーズのDNAを感じ取れるはずだ。繰り返しになるが、現在はSteamのおかげでとても手に取りやすくなったので、当時反射的に拒否反応を起こしてしまったシリーズのファンも今一度触ってみるとよいだろう。新しいうえに尖っているからこそシリーズのファンになったことを思い出すはずだ。


◆主人公ソルの代名詞ヴォルカニックヴァイパー。3Dになっても2Dと同じ存在感を保っている


◆海外のストラテジーゲームはプレイさせながら学ばせるチュートリアルを採用しているが、本作はまずプレイヤーにルールを読ませる方式となっている。この作り自体に意見はないが、真面目にシステムを把握しよう眉間にしわを寄せながらテキストを読んでいると、操作キャラクターのソルが時折「めんどくせぇ」と呟くのが印象に残っている。長い年月ギルティギアと付き合っているがこれほどソルを身近に感じたのは初めてだ

続きを読む