Portal – 無印とRTX版(2)

無印Portal(2007)をValveの解説を聞きながら一周した後に、RTX版を一周の計二週。RTX版は公開当初の起動チェック時に「あまり変わらないな」という感想を持ったので、今回はそうならぬよう注意深く描画を見ていたのだが、印象はほぼ変わらなかった。いや、グラフィックが変わっているのは分かるのだが、Metro ExodusやQuake 2よりも変化が小さく地味なので、感動するところまではいかないのだ。

そもそもPortal自体、プレイヤーがパズルに集中できるように余分な物や突起物を排除しているため、光を反射させる箇所が少ない。一番変化が分かりやすい照明や影を見る機会が減るわけだ。高解像度のテクスチャや自然に見えるよう微調整した仕事ぶりは素晴らしいように思うが、私を含めた一般的なユーザーには今ひとつピンとこないのではないだろうか。>参考動画。


◆解説を読みながら初プレイの時にダブルフリングにてこずったのを思い出した。操作そのものも難しかったが、それ以前に何をすればいいのかも分からなかったのだ。近年のゲームであれば、答えそのものを視覚的に見せて操作テクニックだけをプレイヤーに求めるケースが増えているが、ポータルは世界観の都合上ポンと見本イラストが置かれているだけ


◆Ryzen 5 3600とRTX4070の組み合わせではFPSが平均60以上でており、DLSS 3は十分に働いていたように思う。RTX版Portalの価値はそれ単体ではなく、制作するために開発したRTX Remixの方が大きいだろう。先日β版が公開されたコイツが上手に動いてくれれば、過去のゲームがリッチな表現で遊べるようになるので大きく期待している

Gears of War: Ultimate Edition – 有名なので

難易度Normalを軽く一周。チェーンソーによる豪快な近接攻撃、ドーンハンマーによる量子ビーム、暗闇から襲ってくる蝙蝠、近くで倒すと体液が飛び散りダメージを受けてしまうエイリアンのような敵、Co-opを盛り上げてくれそうなマップ構造など面白そうな要素はたくさんあったが、さほど楽しめなかった。

何を評価軸にするかで話が変わってくると思うが、カバーシューターとして見るならば、プレイヤーにあった難易度を適切に選択する必要は感じた。私がNormalで遊んだ限りでは、カバー動作するだけテンポが悪くなったので、真正面から堂々とヘッドショットを重ねるのが最適解となったわけだが、これはあまり楽しい遊び方ではないだろう。自分のスキルやストレスと相談しながら難易度を上げてみるのと、上手にカバーシューターとして楽しめるのではないだろうか。


◆スクリーンショットが上手に取れていなかったためタイトル画面を一枚。ゲーム的な設計や演出が多く、大衆向けの娯楽作品としてよく出来ている

Hi-Fi RUSH – ノービート

難易度ノーマル(2/4)をぎこちなくクリア。本作はBGMを心地よく感じられるプレイヤーを気持ちよく導いてくれる反面、上手にBGMに乗れなければ、攻撃や防御はおろか移動すらもおぼつかず、なかなかに苦しい。求められるスキルはテクニックよりも音楽に乗ることだ。

前半こそアクション操作でゴリ押しできるものの、後半はやはりタイミングよくパリィを成功させる必要があり、そこそこのリズム感が必要となる。とはいえ、繰り返しチャレンジしていけば、慣れていき詰まることはないだろう(イベントはQキーでスキップ可能)。曲だけでなくストーリーやキャラクターにも十分な魅力があるため、世界観が気に入ればやり直しも苦ではないはずだ。10人中7・8人が楽しめるようなゲーム内容でとてもよく出来ている。


◆あまり語られていないがシークレット探しが楽しい。正規ルートから見えていない場所には素直にお宝が置かれていることが多く癒される。そこら中に配置されているアイテムの入った箱をギターで力いっぱい叩き壊していくのも、破天荒なロック歌手のようでなんだか気持ちよかった


◆クリアタイムだけは毎回S評価。リズムに乗るというゲームの性質上、急ぎ足でプレイするのはあまりよろしくない。理想は楽器の練習をするように、新しく得たアクティブスキルをトレーニングモードで繰り返し手に馴染ませる、積極的に出来ることを増やす姿勢の方が楽しめるだろう

単純な好みか適応力が無かったからか

本作はアクションとリズムが上手に組み合わさっており大多数の人が楽しめる出来とはなっているが、リズムよりも自分の思い通りにキャラクターを動かしたいと考えているゲーマーとは相性が悪い。攻撃も防御も行うべきタイミングが指定されているようなものだからだ。特に速いアクションゲームが好みだと、ゲーム全体が緩慢に感じることだろう。さらに私は興味の範囲が狭いので、楽しいゲームのBGMしか好きになれない。ゲームが先なのだ。ゲームが楽しくなければその音楽に興味すら沸かないのである。結果的にアクションもリズムも洗練され続けた単体の方がいいように思えてきた。アクションはもとより得意でない音ゲーでさえ、譜面を叩くといった一つの動作に集中できるため、本作のような戦闘の複雑な要素に意識を持っていかれることもなく、余裕をもってリズムに乗っていけ気持ちよく遊べる。

Vampire Survivors – 良いカジュアルゲーム

10時間ほどのプレイ。良かった点は「次プレイに希望が持てる」「ダメな点が分かりやすい」の二つだ。ローグライト式カジュアルゲームの本作は死ぬと強化が無くなってしまうが、200枚ほどコインを集めると、タイトル画面から死んでも無くならない永続的なキャラ強化が行える。つまりゲームクリアできなかった時でも、ある程度コインを稼げていれば、次回のプレイが今よりも楽になるのだ。リアル経験値を得るだけでなく、微量ではあるが自キャラも強化されることで、クリアに向かっての希望が持ちやすい。

カジュアルなゲームとはいえ、いくつかのルールやセオリーを理解しなければ、クリアはそう簡単ではない。しかし画面を見ていれば、それらはなんとなく気が付くように作られているため、非ゲーマーにも優しい設計かと思う。分かりやすいのは8分や11分など経過した時に、強い敵やラッシュが見舞われる所だろうか。こういった特定の区切りを突破できない場合、プレイヤーは必ず何かが足りない又はおかしいと感じるはずだ。幸い試行錯誤できる範囲が少ないゲームなので、攻略などを見ず気持ちいい効果音と共に、ゆっくりとゲーム内で敵を倒しコインを稼いでいこう。そのうち道が開けていくだろう。少しづつでもキャラが強化されていくのだから。


◆強くなる過程が好きなので3分から13分ぐらいまでが最も楽しい


◆育ち切った終盤が好きな人も多いと思うが、作業というよりも放置でOKというレベルなのでかなり眠くなる

Metal Slug – 乾いたクリア記録

無限コンテニューを利用し、Xを含めたMetal Slug1から4の5作品をクリア。有名なタイトルなので触れておこうといった軽い気持ちだ。当時ゲームセンターで見かけた時は気にならなかったが、実際に遊んでみると遊び心あるドット絵(モーション)のおかげか、敵がとてもコミカルだ。背景も過剰な破壊描画によって楽しい気分にしてくれるため、なんだかゲーム全体が明るく、元気を貰える。銃を撃って進むだけの派手なアクションゲームかと思っていたが、それだけではなかったようだ。やはり10年以上シリーズが続く作品にはそれなりの理由がある。


◆メタルスラッグ(1996)。シンプルで遊びやすく好み。2以降とは異なりほとんどの敵が人間で、銃やロケットランチャーといった馴染みのある武器で向かってくるため、直感的に戦いやすい。終盤に差し掛かるまで理不尽なダメージが少ないように感じた


◆メタルスラッグ2(1998)。アーケード版を触ったことがないので正確なことは言えないが、今回遊んだDotEmu版は動作が重いうえに処理落ちも酷く、まともなゲームに思えなかった。もう少しスムーズに動いてくれたのならば、面白く感じたかもしれない

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