Entropy : Zero – 小難しい(8)

本作は本編Half-Life 2よりも11ヶ月前の物語ということで、基本的なシステムもHalf-Life 2と同様だ。このように経験者を想定しているため、戦闘と謎解きの難易度は上昇している。上昇自体に疑問は無いが、私にはどうも味気が無いように感じられた。戦闘面はGravity gunの無いHalf-Life2:Deathmatchを想像してもらえればよいか。Source Engine特有の直接的な撃ち合いのつまらなさが出てしまっている。謎解きは難しいというよりも分かりにくいといった類のもので、Walkthrough動画の再生数を見るに詰まる人が多いようだ。Steamストアで紹介されているとはいえ、公開一ヶ月のModで再生数2万越えは黄色信号のように思う。

主人公を本編敵側の不気味なコンバインに設定しているため、意図的にゲーム全体を無機質にしていることを差し引いても、やはりゲーム全体に味気がない。味気ないことと難しいのが合わさると、なかなかゲーム(娯楽)としては厳しいものがある。難しさと面白さとが結びついていればそう問題にならないが、どうもそのようになっていないようなのだ。Valveと比べるのは酷かもしれないが、機械丸出しの超Aim反応速度の敵と戦った後に分かりにくい謎解きが入り、また激しい戦闘が待っているといった難しめのMapが連続して置かれているだけで、緩急がなく、疲労ばかりが感じられる。私自身だらだらとした展開のゲームは好まないが、本作は逆に詰め込みすぎだ。ゲーム部分だけを単純に見た場合、小難しいだけといった印象が強い。

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◆Manhackを飛ばして人間を襲わせたり、強化Vortigauntと戦ったり、タレット防衛したり、灯りの少ない暗闇での道案内などユニークな仕掛けも多くあるが、総じて人に薦めるほどではない

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◆詰み防止なのか、調整が面倒になったのか、後半から弾薬箱と回復装置が無造作に設置される

The Fifth Vortex – 観光旅行(12)

The Fifth Vortexは2013年に公開されたUnreal(1998)のシングルMap集だ。ストーリーは拡張パックのReturn to Na Paliから25年後ということで、Skaarjの数が少ない。「Skaarjが少ない」というのはPrisoner 849(Unrealの女主人公)が暴れまわったからという開発側の設定なのだが、プレイした限りだと、どの敵も少なく戦闘自体が少ないと言える。つまり、軽い探索がメインであり、Return to Na Pali後の世界がどうなっているのかをゲームを進めながら紐解いていく、オリジナルUnrealが好きな人に向けた後日談形式のMap集なのだ。ボリュームも三時間ほどと丁度よい感じで、強化型のラスボスも居ることから、クリア後の満足感は高かった。

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上の二つは3dfx Glideで撮ったもの、以下はOpenglで撮ったもの。実際はGlideの方がやや綺麗に見えるのだが…キャプチャソフトの設定を忘れて低画質になってしまった

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S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat – ただのクリア報告(3)

“暑すぎて新しいゲームに手を出したくない”企画第二弾ということで、積んでいたS.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyatを難易度Stalkerにてクリア。CoPを動かして最初に気が付いたのはX-Ray Engineの進化だ。特にDirectX11への対応が大きく、テッセレーションで強化されたZoneの世界はとても豊かで、SoCやCSとは明らかに違っており、流行りのゲームに近づいた印象を受ける。ただ、グラフィックが上昇した反面、どうも陰鬱さが減っているような感じがあり、素直に褒められるものなのかどうかは分からない。また、とっさに使えるアイテムスロットの追加も流行りのゲームに近づいた感じで、遊びやすいシステムになったように思う。これは過去作のプレイヤーからすれば革命と言えるほどの進化であり、新規のプレイヤーでもすっとZoneの世界に馴染めるような良調整ではあるのだが、濃いゲームの三作目ということで、システムが改善されたからといっても新規のプレイヤーが入ってきてくれるかと言えばやや疑問ではある。

およそ私が話せるのはこのような表面的なことだけだ。基本的にぼけーっとメインクエストを追っていただけなので、内容のある話ができない。難易度的にはSoCやCSに比べ同じStalker難易度でも簡単になった印象である。私が上手くなったのか、ゲームがヌルくなったのかはわからないが、回復剤は使い切れないほど余るうえ、弾薬補給や防具修理も無償で行ってくれるNPCが居るので金策を行う必要もなかった。とにかく困る状況が無い。さっくりと遊ぶには良かったが、終盤で盛り上がることもなく、全体を通して淡々と進んでいった感じだ。

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◆改めてスクリーンショットを見てみると…うーん、やっぱりZoneだなぁ

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◆中盤の放射能汚染された地下トンネルが一番の難関だった。悪視界のなか強力なミュータントと戦う状況はストレートに難しく、久しぶりに緊張しながらのシューティングが楽しめた

Analogue: A Hate Story – 田嶋先生は結構好き

漂う無人宇宙船のログファイルを回収し、そのログから謎を読み解いていくSF風味のADV。キーワードは男尊女卑。ゲーム内では未来ということになっているが、主に中世から近世の朝鮮王朝を想像すれば良い。それ以上に詳しく知りたい場合は窓の杜SteamCommunityのレビューを見てほしい。ログファイル(テキスト)は男尊女卑を主軸にしたメロドラマ的な内容となっており、朝鮮半島の歴史について多少の知識でもあれば、「まぁこういうこともよくあったんだろうなぁ」という感じで、あまり新鮮味は無い。ただ、このゲームが他のADVと違うところは各ログファイルについて美少女AIに意見を聞ける点だ。特に生々しい情事のログについて「ねぇこれどう思う?これどう思う??」と年頃の娘(風のAI)に聞く、このセクハラ行為自体がまさに女性蔑視ではないかという高次な視点に気が付くことにより、趣が…あ、いや罪深いADVと言えるのかもしれない。

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◆チマチョゴリが似合うAI※ミュート。彼女の価値観はログファイルの世界観と一致しているため、物語を考えるうえで余計な作業が増えない。いわゆるAIとして期待されるべき仕事をしてくれる。逆にもう一人のAI※ヒョネは価値観が現代的であるため(=男尊女卑はおかしい)、物語への没入が大きく阻害される。この二人のAIの価値観の違いがゲームの面白さの一端を担っているわけだが、※ヒョネに案内される序盤は断片的な物語を繋ぎ合わせるのにリソースを大きく割くため、シングルタスク脳には辛い

Bulletstorm – 難易度Hardで二週目(3)

難易度をHardに上げ、FlawlessWidescreenでFOVを広げ、全てのシーンをスキップしてクリア。難易度とFOVについて深い理由は無く、とりあえず快適に、とりあえず難しくしてみた、といったところ。スキップについてはCoDを皮肉ったPVを出した手前(EAの指示?)、どれほどシューター以外の無駄な時間を飛ばせるのか興味があったので検証。これは思いのほか健闘していて、開始30分以降のイベントシーンをほぼ全て飛ばせるようになっていたので、近年のゲームにしては思い切りが良いように思う。アクションに集中できる。個人的にはスキップ誤操作防止を作って、全てのイベント会話スクリプトを破壊しても良い。

予想通りというか難易度をHardに上げても、ゲームは難しくならなかった。というのも、本作はMelee(近接攻撃)がスキルショットという形でかなり重要な位置にあり、むやみに敵の攻撃力を上げてしまうとMeleeが使いにくくなり、突き抜けた個性が死んでしまうからだ。そもそも本作はプレイヤーが敵に一方的にやっつけてスコアを稼ぐだけの”フルボッコ系FPSエンターテイメント”ということもあり、敵は甘噛ばかりでプレイヤーを本気で殺しにこない。それがNormalだけでなくHardでもそうだったということだ。また、面白いか面白くないかで言えば、一周目と同様にChapter4(全7Chapter)までは楽しめた感じ。およそ、このあたりで武器のアンロックが完了してしまい、ポイント(お金)が余るので、スキルショットへの意欲が大きく下がり、急速に消化試合ムードに変わっていく。さらに言えば、このスキルショットシステム自体もかなり薄っぺらいので、二週目のプレイともなれば、いや、先にも書いた通り一周目からなのだが、とても飽きやすい。正直CoDをDisれるほどの出来ではないのだ。

今回People Can Flyがコンソール向けに操作を簡略化し頭を空っぽにして遊べるようにした明るい雰囲気のBulletstormであるが、それとは逆にPeople Can Flyの元メンバー達(The Farm 51)がPC Gamer向けにコアで渋く暗い調整したNecroVisionを開発したのを思い出した。両者はとても対照的である。DOOM(1993)がPCでもコンソールでも楽しめるような懐の深い(?)作りであるように、Painkiller(2004)も両者が楽しめるようなバランスであると私は考えているのだが、彼らが別の開発チームに分かれ、味付けが逆方向のゲームを作った。別段それが良いとか悪いという話ではなく、単純に開発者たちの方向性という奴は同じチームにいても結構違う、または変わっていくものなのだなぁとそこはかとなく思った。

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◆こういう色彩感覚は好き

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◆大きいことは良いことだ