Far Cry 3 – 暇つぶしには悪くないかな(3)

Far Cry 1をクリアしたついでに積んでいたFar Cry 3もやってみた。最初の3.4時間は前作Far Cry 2から改良されたあらゆる要素に興奮していたのだが、ひと通り味わってしまうと作業のように思えて仕方なかった。トドメとなったのは、回復剤を消費しないでHPを回復できるスキルを取得した瞬間だ。Far Cryシリーズの売りは広いフィールドでの戦闘であり、そこで如何にダメージを受けずに勝利するかが楽しさとなっていると思うのだが、HPの無限回復が可能になってしまえば、一体何を楽しめばよいというのか。

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スキルと武器

残念ながらスキルツリーが魅力的に映らなかった。テイクダウンの種類が増えたり、腰だめの精度が上がるような微妙な攻撃スキルよりも、食いっぱぐれの無い体力増加などの守備スキルに割り振るのが当然だ。また、武器の種類が少なく、差別化もされておらず、集める楽しさがない。それに電波塔を解放する簡単なミッションをこなしていくことで、次々と武器が無料配布されていくのでお金を貯める必要もなく、悪い意味で苦労なく武器が充実していく。急いでゲームクリアを目指すプレイヤーにはありがたいが、うまい作りではないだろう。また、中盤辺りで手に入った「U100」というLMGが非常に強力なのが気になった。近距離から遠距離までの全てに対応でき、弾持ちもよく、補助的にスナイパーライフルを使うことで全くの苦労知らずなのだ。中盤にこの武器を手に入れた瞬間にゲームクリアが見えてしまい、実際にそうなった。体力の無限回復とU100の二つが揃ってしまった時点であまりに強くなってしまい、それに見合う敵が存在しないことから、他の装備やスキルを揃える意欲はまったく沸かなかった。

Far Cry 2.5がやりたい!

軽く遊んだ感じFar Cry 3はまったく好きになれなかった。感情移入できないストーリーに頻繁に入るカットシーン、大した意味のないサイケデリックの演出はプレイヤーの没入感を大いに損ねている。FPSが他のジャンルよりも優れていなければいけないのは没入感であり、それはFar Cry 2の方が遥かにうまくできていた(ただの手抜きかもしれないが)。ただFar Cry 2には大きな不快要素が多数あり、Far Cry 3ではそれらがうまく直されているので、その中間でいいとこ取りのFar Cry 2.5がやりたいのである。つまり「体力回復をメディキットのみにし、見つけにくい宝箱の価値を上げ、ファストトラベルあり、マラリアなし、関所なし、敵の無限復活なし、QTEなし、そしてトライジェンと火山もない」そんなFar Cry 2.5がやりたいんだ!…あれ?あんまり面白そうに聞こえないな。

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◆麻薬原料を燃すミッションは悪趣味でユニークだ。FC2の時から火炎放射器に力を入れている開発は”わかっている”

Far Cry – サウンドデバイスで勝利(2)

難易度ChallengingをAI Auto Balance有りでクリア。アウトドアでゲリラ的な立ち回りを行えるのが非常に面白く、遊んで良かったなぁと素直に思える素晴らしいFPSだった。実は数年前、PCゲームを遊びはじめた頃に一度挑戦しているものの、当時の私には難しすぎたので放置してしまったのだ。しかし、一度はクリアしておきたいなと思い続けており、今回重い腰を上げてみたのだが、その判断は正解だった。凄まじく面白いゲームだ。

何度もリトライした箇所は、沈む船でヘリコプターを倒す場面、トライジェンが待ち構える森に落とされる場面、そしてラストの火山の三つ。通常の野外戦闘は双眼鏡で丁寧にクリアリング(マーキング)しておけば、おのずと対処の仕方が見えてくるだろう。EAXが使えるPC環境なら敵の足音や環境音(双眼鏡で見える場所の音が拾える)を聞き分けることで、より安定した立ち回りが可能だ。室内では特に有効。

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◆10年前のゲームとは思えないほど綺麗。特に草木の色彩感覚がずば抜けている。さらにシームレスで没入感を邪魔しないのが良い。

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◆心なしか後半の敵AIが馬鹿になっていた気がする。AI Auto Balanceのせいだろうか?そんなに沢山死んだ覚えはないのだが、Veteranでリプレイする機会があれば切っておきたい。

Marine Sharpshooter II: Jungle Warfare – クライモリ狙撃

見た感じバリューゲームなので2.3時間で終わるだろうと漠然と思っていたのだが、意外とボリュームがありクリアまで5時間ほどかかった。そのうちの1時間は足の遅い味方NPCを待つだけの待機に使うことになったので、単調なゲームプレイと合わせると精神的に結構キツかった。

ゲームの大まかな流れは、ナビゲーション通りに進むとトリガー湧きで敵が出現するので、スナイパーライフルで撃ちぬいていくといったもの。銃弾は重力や風の影響を受けないようで、スコープで狙ったと通りに当たるはず。はずというのは、草木や障害物が見た目通りの大きさや硬さではないので、銃弾を弾くことがあるからだ。

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敵はほぼ棒立ち状態。どうやら目と耳と頭がついていないようで、難易度Normalで遊んだ限りプレイヤー側が一方的に敵を虐殺していく展開が最後まで続く。また、敵AIのプレイヤー認識能力はかなり弱く、こちらがしゃがむだけで見失ってしまうレベル。そのためシューターとして本作を遊ぶのはオススメできない。(戦闘面がどうしようもないAIなのに、ひっかかりなく動く移動時の頭の良さがアンバランスなのが気になっていたが、AI制御に定評のあるMonolith社のLithTechを使っているということで、ある程度納得できた)

ロケーションは大きく分けて森林と市街地の2つだが、割りと細かく作りこんであり手を抜いているようには感じなかった。Day1はFar CryとVietcongと足して二で割ったようなジャングルで歩いているだけで気分が良くなる雰囲気。Day2はDelta Force: Black Hawk Downのような中東の市街地。Day3以降は薄暗いジャングルが多くなるが、常時ナイトビジョンを装着して行動しするため暗いという印象は無い。

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重ねて言うがシューターとして遊ぶには無理がある。景色を見ながら歩くのが好きなプレイヤーにはギリギリ価値を見いだせるかもしれないが、発売して10年経過したゲームということであらゆるところで厳しいと言わざるをえない。大量の敵が出現する後半にアサルトライフルを持たせてくれたなら、もう少し遊べたような気がするのだが。

Sniper: Ghost Warrior 2 – ライフルだけが友さ(7)

Sniper: Ghost Warrior 2は前作Sniper: Ghost WarriorをCryENGINE 3で作り直してCall of Duty 4の風味を足したようなゲームだ。つまり、味方NPCにくっ付いていくか、無線の指示に従って狙撃ポイントに向かい、そこで敵の頭をぶち抜くだけの単調でお粗末なシューターなのである。しかし、お粗末なのはシューターとして見た場合であって、前哨狙撃兵(Scout Sniper)の体験ゲームとしては高く評価できる。味方と息を合わせて敵部隊を殲滅させていくさまは、うまくいきすぎている感じもあるが概ね遊んでよかったと思えるものだ。ストーリーもそれなりに面白く、難易度も高くないため、取っ付き易いのでFPS初心者の人にこそやってもらいたい。

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グラフィックはDirectX9を最高設定にしてGTX660SLIでフレームレート70近くで安定。DirectX11には対応しているものの、DirectX9よりも汚く見えてしまうので忘れてもいいだろう。テクスチャは全体的に荒いものの、近年のゲームの中では平均的なレベル。また、一周しても進行不能級のバグには遭遇しなかったので、前作よりもまともになっていると言える。…バグが面白さを加味していただけに少し寂しいが。

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  • ACT2以降から風が弱くなるので、狙撃のゲーム性が下がる
  • 双眼鏡が高性能で、後半は特にお世話になる
  • 敵がXM-8を持っていることが多く、近代的な印象が強い
  • 日本語化した場合、フォントが丸っこく戦争している気分にならない
  • Sniper Elite V2はスナイパーライフルでの狙撃がゲームの中核になっているので、狙撃手の疑似体験がメインの本作と比較する必要は無い

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ユニークで素晴らしい体験ができた

Conflict: Denied Ops – アイデアは良かったが

Damnationとセットで積んでいたConflict: Denied Opsのキャンペーンを難易度Normalでクリア。シングルで遊んだのだが、二人Co-opを前提に作られていることを考慮しても、全体的に質が悪く、冗長なだけで実際のゲームプレイにおいて面白いと思える箇所は無かった。褒めることができるのは音の定位置が良いことだけだろうか。実際に出来上がったものは救いようのないものだったが、2007年の時点で二人Co-opを重点においたゲームの製作に取り掛かったのは良いと思える。MAPは立体的な構造になっており、入り口が二つ三つ用意されているので、Co-opで遊んだ場合に攻め方を工夫できてグッドだ。これはリプレイ性にも結びつく。問題はナビゲーションが目的地を絶対距離で示すだけの粗雑なものになっていて進行に混乱を招いてしまっている点と、敵の攻撃力と命中率が高すぎるので単独で行動しにくいという二重苦で、アイデアが潰れてしまっていることか。

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キャラクターを使い分ける戦闘

室内戦闘はLangのライトマシンガンで戦うことになる。アイアンサイトの覗き込みとその逆の動作が長すぎるのと、マズルフラッシュがキツイのも相まって、中距離までは腰だめ撃ちで適当に撃ったほうがリスクを低く抑えられる。これに加え、弾薬が無限に近いこともあり、ゲーム性はほとんど無い。野外はGravesのスナイパーライフルで頭を狙う面白みのない作業。敵AIも一応は距離を縮めてプレッシャーを与えてくるが、スナイパーライフルのアタッチメントにショットガンが付いているので、ある程度対応できてしまうのが強いというか、雑というか。つまり、トリガー湧きで出てくる敵をLMGかSRで倒すだけだという単純な戦闘なのに、死んでも無限に蘇生できるのが更に緊張感を奪っている。しかし頭を空っぽにして遊ぶには進行ルートがわかりにくく、無駄に歩かされて面倒さを感じるのが難点。かと言って笑い飛ばせるほどダメなゲームかというとそうでもない中途半端具合なので、今日日わざわざ遊ぶ理由はないだろう。

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