Battlefield Hardline – 餅は餅屋(23)

始めの1~3時間は誰でも楽しめると思うので、飽きたら辞めるという選択肢を選べるのであれば、お薦めできる。というのも、ゲームがかなり単調なのだ。近いのは3以降のファークライシリーズだろうか、高性能デバイスにより相手の居場所を把握しながらのステルスアクションが開始から最後まで続く感じ。完全ステルスに失敗してもプランβで切り抜けられる点も同じだ。

それ以外では海外刑事ドラマのようなストーリー、SWAT3や4のような犯人逮捕要素、L.A. NoireやCondemned: Criminal Originsのような犯罪証拠集めといった具合にどこかで見たような要素を混ぜたゲームになっている。開発のVisceral Gamesがこのような、どこかで見たような要素を上手に混ぜて評価を得たのがDead Space(2008)だったが、今作BFHではどうもそのあたりパッとしない。


◆最高得点を稼げる”指名手配犯逮捕”には警察バッジを向けながら「警察だ!手を挙げろ!!」と威嚇せねばならず、ステルスゲームで大声を出す相反する行為にちぐはぐさを感じる。他タイトルではステルス+締め落としと最良行動に高い合理性があるのだが。逮捕要素もSWATシリーズの方がAIパターンが豊富で良質な経験を得られる


◆高性能なスキャナーを使い、やる気がなく間抜けで難聴だが主人公が投げた石だけは聞こえる不思議なAIとのステルスアクション。時間がかかるだけでさほど楽しくない。これならばステルスが売りのゲームを遊んだほうが高い満足感を得られるだろう

Tom Clancy’s Ghost Recon Wildlands – 試される大地(4)

Ghost Reconはもともと先に敵に見つかってはいけないシリーズ=難しめとして存在していた。そこにプレイヤーが長い時間だらだらと遊ぶために低難易度に調整された真逆のオープンワールド形式のシステム(最も成功しているGTA5の難易度調整が正しいという前提)が合わさって出来てた本作Wildlandsがどうなっているのかと言うと、難易度Regularの範囲ではステルスに寄っているものの、結構な場所でランボースタイルが許可されており、どっちつかずな印象だ。ところがそこにCo-op要素が入ってくると、きっちりかっちり連携を取らなくてもうまい具合にゲームが進むようプラスに変化するため、俯瞰して見るとなかなか良いゲームのように思える。

ソロであっても本作はボリビアの景色を眺めながらSyncショットを用いたステルスプレイが遊べる独自の強みがあり、楽しめるには楽しめるのだが、それは多く見積もって15時間ほどだろう。ドローンとSyncショットをフル活用すると作業になる。先ほど書いた”どっちつかず”はCo-opでは良い方向に働いたものの、一人で遊ぶにはややマイナスに傾く。自由なスタイルを許すということは難易度が低いことを意味し、それが長時間積み重なると飽きが生じてくるのだ。飽きを感じた時にクリアまでの巨大な道筋を見ればネガティブな気分が襲ってくるだろう。メインミッションがもっと短ければ私は高く評価したが、どうにも水増しされたボリュームが好きになれない。


◆なんとなくクリアまでの時間が予測できる

とはいえ面白さは自分で作るもの

やはりゲームに楽しませてもらっているうちはただのプレイヤーであり消費者なのである。ゲーマーであるなら、自分の目の前のゲーム(玩具)を使ってどう楽しむかを考えるべきだ。私の場合はクリアするのが、ことに負担やストレスとの兼ね合いを考えながらなるべく早くクリアするのが好きなので、ゆるいタイムアタックを実施した。もちろん、本作の設計と感性がばっちりと合っていて普通に遊んで最高に楽しいのであればそれも良し、面白いロールプレイを思いついたのであればその通りに演じれば良し、難しいのが好みなら難易度を上げゴースト部隊として暗躍するのもいいだろう。はたまた甘みを感じないほどに薄めたカルピスが気に入らないのならアンインストールを視野に入れるのも良し。作っている側がどう考えているか分からないが、実は中盤以降ゲームへの向き合い方が試されているように思う。


◆エクストリームショートカット。バイクだけでなく車も謎馬力のおかげで坂道をガンガン登れるワイルド仕様。ボリビアの舗装道路を律儀に走っていると、いつまで経っても目的地にたどり着かないため、積極的に岩肌や獣道にトライしてみよう


◆ダイナミックヘリ強奪。ヘリを強奪するのにヘリで現場に向かう本作の不思議光景。全編を通して即死攻撃がないため、実は目的のヘリの隣に着陸して、すぐさま操縦席に乗り込むと戦闘もステルスもすっ飛ばせて早い。キャラクターやヘリの耐久力をスキルで上げるとより安定する

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Ghost Recon Advanced Warfighter 2 – 最後が最悪(2)

初代Ghost Recon(2001)は冷たい殺意が野外を歩いているだけで伝わってくる独特なものだったが、本作Advanced Warfighter 2は全体的にディティールが美しくなってものの、どうも印象に残らないというか戦いの緊張感を感じない。一見中東のような街並みからは(メキシコだけど)、戦場の空気感が感じられず、ただ存在しているだけといったB級シューターの背景のようだ。また、mapの縮小化に伴い歩く時間が少なくなり、シューターとしては遊びやすくなっているのだが、索敵重視から的当てへ変わったようでどうもしっくりとこない。この初代びいきの感覚は刷り込みだろうか。

初代とは難易度Normal同士の比較なるが、敵兵士の反応は鈍くなっており、タクティカルな行動をしなくても敵をガンガン倒せる。ただし、機関銃を握っている敵は別で機敏かつ明確な殺意をもっているため、リーンを使って手足を狙ったり別方向から攻めるなどの工夫が必要だ。ノーミスでのクリアは確かに難しいだろうが、チェックポイントが適度に入り、クイックセーブも可能なため、どん詰まりになることはない。ラストステージ以外は。


◆基本的には道なりに歩いて敵を撃っておけばOK。タクティカル要素は高難易度かCo-opで、といった感じ。難易度Normalは操作の慣れという意味でボリュームも丁度いい。他のFPSタイトルと比べても命令系統を含めた操作感はよく出来ているし、射撃の感触も良く、高水準のシューターとして遊べる。最後のステージまでは


◆最終面のThe last standはかなり酷い。画像はムービーが終わり、ヘリから戦場に降下する際に敵に撃ち抜かれる隊員たち。何かの間違いかと思い再度初めからやり直すも隊員たちが同じくゲーム開始と同時に撃ち抜かれ死亡。指示も飛ばせないうちに戦力を削られるこのミッションは大丈夫なのか?と思って進行させるも、先に進むほど敵の配置がより凶悪になっていくクソ仕様だった。このミッションはダメだ。このミッションはダメだ

SWAT 4 – 完成度は上がった

基本的には良いゲームだ。ジリジリと緊張を感じる、不気味さと生活感の混じった全13の濃いステージ群。一瞬で犯人に撃ち殺されてゲームオーバーになっても、「今のは〇〇してなかったから俺が悪かった」と改善点を考えられる作り。また、一定のランダム要素があるため、考え付いた改善点が次の挑戦で通用しないことも多々あり、このうまくいかなさが実際のSWATの突入作戦のようで、困難な事件にあたっている感覚を持てる。雰囲気よし。

前作SWAT3では犯人との激しすぎる銃撃戦に普通のFPSと変わらないのでは?と疑問に感じたが、本作SWAT4ではむやみに犯人を傷つけると減点され、ミッションのクリア可否に大きくかかわるようになった。前作のノリで気軽に発砲するようだと、Normal以上の難易度はまずクリアできなくなる。犯人とはいえ、むやみに傷つけてはいけないのだろう。よりSWATらしく変更された。ただ、もう少しだけ気軽に犯人の足くらい撃っても良いのではないかと思ってしまうあたり、このゲームへの向いてなさを感じたりもした。


◆催涙ガスを投げ入れてから突撃するのが強い。ブリーフィングで犯人がガスマスク装着していないのが分かればコレだけで良いくらい


◆四ステージ目のA-Bomb Nightclub。遊びは終わりだと言わんばかりに、これ以降急激に難しくなる

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Tom Clancy’s Ghost Recon – 先に見つけよ(1)

本作はストラテジー要素の強い探索型のFPSだ。野外は常識的な難易度に収まっているが、室内と対戦車戦はシビアなバランスとなっているため、難しいゲームと言える。しかし、クイックセーブ(QS)を用いることで、さほど苦労せずクリアできるようにもなっているため、意外と触りやすい。もちろんQSは緊張感が削がれるだろうし、開発側の本意もQS無しで遊んでほしいのだろうが、許可されているシステムなので、最終的にはプレイヤーが判断すればよい。全体についてはSteamカスタマーレビューを見てもらいたい


◆ナイトビジョンは驚くほど高性能だ。索敵難易度がぐっと下がるので、暗い場所ではずっと装備しておきたい


◆市街地で隠れているスナイパーを見逃すと戦力が大きく削られてしまう