World War II GI – 戦争は地獄だから

世間では目の前の戦車に対して上官からなんとかしろと命令され、単独で忍び寄り何事も無く戦車の足にプラスチック爆弾を貼り付けてさくっと解決するようなゲームくさい戦争ゲームが好評なようだが、本作World War II GIにそのようなプレイヤーを喜ばせようとするOmotenashiは存在しない。戦車と目が合った時には既に撃ち殺されているのだ。別に目が合わなくても向こうの千里眼によって一方的にゴミクズにされることもままある。戦車だけでなく、空爆も脅威だ。降ってくる条件が分かりづらく、目視も困難なため、プレイヤーが危険を感じた時にはもう黒炭になっていることだろう。目がダメならば耳、つまり回避の頼りになるべきは飛行機の音ということになるのだが、危険な音が聞こえてから走り始めても間に合うことはほとんど無く、大抵はハンバーグになる運命から逃れられない。

というか、そもそも兵器以前に敵歩兵の認識距離と反応速度と銃精度も異常なので、通常戦闘からしてキツイ。攻撃面もこちらの銃精度が低すぎるため、先に撃ち始めても当たるのか倒せるのかどうかが運頼みであり、敵が銃撃を喰らってもひるまないことを加味すると、HPがいくら有っても足りないのだ。そのためどうしてもクイックロードを多用することになり、HPを減らさずに切り抜けられたらクイックセーブといった流れの「作業」になりがち。これを端的に言うと「超クソゲー」ということになるのだが、一個人(プレイヤー)の思い通りにならない、または事故によって簡単に命が消し飛ぶというのが『戦争』だとするならば、これはこれで現実的なのではないかと言えなくもない。…前作NAMは同じ理不尽ながらまだ辛うじてゲームとしての体を成していたのだが。

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◆地獄のような敵の銃撃と地雷の中、腐った精度のトンプソンで応戦しなければならないゲーム開始直後のオマハビーチ。DL販売で気軽に購入した現代っ子は間違いなくここでゲームを投げる

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◆Episode 2は室内の戦闘が増え、雰囲気とプレイ感覚もRtCWに近くなるので、辛うじて遊べなくもない

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Wolfenstein: The New Order – いい仕事していますねぇ(4)

ああだこうだいう必要のないくらいよく出来たゲームだった。内容的にはウルフェンシュタインシリーズというよりReturn to Castle Wolfensteinのリブートだと言えるが、実際には第二次大戦から14年後の1960年が舞台となっており、その時代には到底作れないような(RtCW以上の)未来的ロボットが多数登場するため、主人公の名前が同じというだけのSci-Fi作品と言えなくもない。ただまぁ、先にも述べたとおり、オールドスクール型のFPSが好きな人間には大変楽しめる内容となっているので、大人の事情など細かいことは気にせず普通に遊ぶのが良いだろう。

本作のよいところは適切な難易度設定により、適度なやり直しを求めてくることだ。ボスの倒し方からルートの進み方、ステルスの成否、通常戦闘など雑にプレイするとすぐに咎められてしまう。かと言って、ギチギチな作りというわけではないし、”普通に”遊んでいるだけで今時のシューターには無い、そこそこの高さのハードルを飛び越えるような気持ちの良い”ゲームを遊んでいる感覚”に浸ることができる。具体的な話に絡めていないため説得力に欠けているのは自覚しているが、優等生タイプから一歩も二歩も進んだ本当に優秀なゲームなので、リトライが苦ではないプレイヤーは是非触れてみてほしい。

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◆ヌルめのステルス。ステルスとランボーのどちらにも特典があるため進行スタイルはプレイヤーのお好みで

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◆特別好きというわけではないが、Wolfenstein 3Dの画面を見ると気分が落ち着く

今回も「面白いゲームを遊んでいる最中には脳が止まる病」につき文字が少なめ。それと思った以上に本作を楽しめたため、開発陣の過去作であるThe Chronicles of Riddick: Escape from Butcher Bayにも手を出したところ。まだ序盤ではあるが、とてもいい感じだ。

Call of Duty: World at War – 難易度Hardenedで二周目(20)

Enemy Frontで失った精神力とWW2成分の補充にWolfenstein(2009)をプレイしたわけだが、案の定回復量が少なく心の傷が癒えきらなかったので、Call of Duty: World at Warの二周目をやってみることにした。先日触った同開発TreyarchのCall of Duty: Black Ops 2と見比べたかったのも動機の一つだ。恥ずかしながら初回のプレイで記憶に残っているのは、天皇陛下万歳と叫びながら突撃してくる日本兵とすばしこく移動するスナイパーとの一騎打ちくらい。

それでもいざゲームを始めてみると、日本軍を相手にする太平洋戦パートは戦闘と演出がとても派手で、味方を共に戦線を上げていく様がInfinity Ward制のようであり、ご都合主義的ではあるものの、戦争を疑似体験している気分になり、かなり興奮した。その反面、ドイツ軍を相手にする独ソ戦パートは、Treyarchの味が色濃く出ているからか、地味でアクションゲーム的な楽しさが少ない。戦争と人間の闇や狂気を描くといった試みに反対はしないが、それはゲームではなく映画のような媒体の方が良いのではないだろうか?カジュアルなゲーム性と表現したいことが、どうにも釣り合っていないような気がする。また、ゲーム前半の出来が良すぎたせいか、後半はややだれた印象であるが、それでも遥かにBlack Ops 2より”Call of Dutyらしさ”があり、中々充実した時間を過ごせた。Treyarchもその気になればInfinity Wardに近いものを作れるのだと分かったし、Black Ops 3の次にWW2物を作るとしたら、冒険は控えめに昔のInfinity Wardが作ったようなゲームを目指して欲しいところ。…無理だろうけど。

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◆連合軍からすると、Japanese Zero(零戦)一機の神風特攻を許してしまうだけで母艦が使い物にならなくなるというのは、相当な脅威だったように思う

Wolfenstein – 難易度Hardで二周目(3)

先日遊んだEnemy Frontという第二次世界大戦を舞台にしたFPSがシューターとしてあまりにもひどかったので、口直しの意味で同じ第二次世界大戦もののWolfensteinをプレイしてみた。一周目のプレイではまぁまぁの出来だった記憶があるが、今回やり直してみても、やはりまぁまぁの出来であった。ただ、このまぁまぁというのは全体を見た場合であって、戦闘部分に関しては撃った感触がとても良く、強いゴア要素が爽快さを出してくれるし、燃えた敵のリアクションも苦しそうで、高所の手すり近くで殺せばわざとらしく落ちてくれるのもベタでいい味が出ている。

本作の優れているところは今言った戦闘と、それに関連する武器改造、そして武器改造するための資金を稼ぐシークレット探しの計三つである。この三つは実にうまく組み合わさっており、武器屋に通い少しづつ武器を強化していくのはとてもウキウキするし、よく出来ていると言っていい。ただ、惜しむべきはプレイヤーが強くなりすぎてしまう点にあり、中盤にはもうこちらが手加減をしないとゲームが物足りなくなってしまうのだ。せっかく用意した面白い強化要素も、それ相応に強い敵を用意しなければ使い道がなく発揮、堪能できないので、どうしても「まぁまぁ」といった印象になってしまう。

  • 雑魚敵が柔らかいことにRavenはわかってるなぁと感じる
  • ナビゲーションが親切で、立体的なMAPをうまく案内してくれる
  • 下位武器が使いやすく強い上に弾薬豊富という意味で上位武器の扱い方に困る
  • グレネードの投げ返しが熱い。投げ返して敵を倒した時のゴア表現が派手なのも気持ち良く、多少無理しても投げ返したくなる
  • 走る際に頭が揺れすぎて気持ち悪い(Head Bob)。対処には頭揺れの数値を調整する方法と、単純に切る方法がある
  • ミッションを終えて街に戻る度に、ドイツ兵と繰り返し戦闘するのがやや面倒。武器商人が街にしかいないというならば、まだ話がわかるのだが、結構な頻度で出張してくれてミッション先で武器改造ができてしまうので、なんだかなぁといった感じ

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◆近距離特化のTesla Gun。武器自体は面白く強力なものになっているが、MAP構造と弾薬購入にまわすお金が捻出しにくいことから、使いどころが限られる

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◆射程の長い火炎放射器。FPS界隈では珍しいほどに使い勝手がよく、室内ではモヒカン気分で炎を撒ける。研究者や捕虜などの非戦闘員までもを燃やせるのが、なかなか背徳的

Enemy Front – 大後退

言い切ってしまうが、本作はステルス要素がお粗末な上にシューターとしても劣悪でCryEngine 3を使っている割にはグラフィックが汚らしいといった具合の見どころがほとんど無い駄作だ。このところSniper Ghost Warrior 2やAlien Rageと立て続けに良作を出してくるCity Interactiveに、ファンとしてはどうしても大きな期待してしまうものだが、今回の悲劇的な退化を見てしまうと単純な失敗どころではなく、もはや裏切りとさえ言えるだろう。彼らに向かって、いつまでも他社のゲームエンジンを使ったバリューFPSを作ってろとは言わないが、かといってすぐにでも近年の複雑なゲームが作れるとは思えないので、一芸に特化したタイトルで少しづつ力をつけていって欲しいところ。

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◆最悪の視野性。敵の姿が見えるだろうか

ステルスと戦闘の両方がイケてない

まずステルスの問題点だが、敵から遠い場所をステルスメーターを見ながらしゃがんで歩くだけというゲーム性皆無な点にある。そして道を塞いでいる敵を消音武器で倒すというだけのお決まりのルーチンワーク。このように書くと普通のステルスゲームのように聞こえるが、City Interactive製のAIがとても原始的であるのを忘れてはいけない。というか、そもそも主人公の戦闘能力が従軍記者のわりに高すぎるため、ステルスする必要性をまったく感じない。ここまでならば、よくあるダメステルスゲーということで許せる範囲なのだが、さすがにCity Interactiveは格が違った。なんと、弾薬回復箱がこれでもかというほどそこら中に配置してあるのだ。はっきり言って、体力の自動回復と弾薬を無限に与えておきながら退屈なだけのステルスアクションをしろという方が無理だ。頻繁に設置されている弾薬回復箱を見るたびにステルスに挑戦する意欲が削られていく。さらに言えばプレイヤーが完全にステルスを成功させたとしても、イベントで強制的にドンパチをし始める機会が多すぎて、ステルスする必要性を心の底から感じない。

では戦闘の方はどうかというと、極端に視野性が悪いことが挙げられる。野外での戦闘は特にそうだが、景色と敵の判別がとてもつきにくい。開発している段階で何故誰も止めなかったのが、不思議なぐらいに敵を見つけにくいのだ。また、個人的な事を言えば敵の反応速度も、視野性の悪さを考慮されていないほどに速く、腹立たしい。前述した通り敵を探すだけでもイライラしているのに、敵を発見した後の直接対決になった際にほぼ確実に先制ダメージを食らうのがとてもウザったい。もう少し詳しく書くと、これは機械丸出しの鬼反応速度ではなく、中高生とマルチ対戦しているような常識的な範囲での速い反応速度だということだ。シングルで遊んでいるはずなのに何故か人間と真剣勝負をしているような感覚に襲われるので、本当に疲れる(一応言っておくが中高生に罪はない)。加えてダメージを食らう度に派手な赤エフェクトがチカチカと目に飛び込んでくるのが破壊的なまでに神経に触る。もちろん敵が無警戒状態であるならばそれほど面倒な戦闘にはならないのだが、ステルス放棄のペナルティとしてこのような戦闘システムを用意したというのならば、現状ではプレイヤーがペナルティを甘んじて受けられるほどの作りこみがされていないので、もう少しステルス面をうまく作るか、シューター部分をいつも通りのゆるめに戻してくれたほうがCity Interactiveのファンとしては嬉しい。最後に良かった点を述べておくと、ローディング画面の格好良さとBullet Camを含めた狙撃システムの二つになるが、後者はSniper Ghost Warrior 2の流用だからつまり…。

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◆やっぱりWW2の武器は最高だな!なんて思っていたのは最初の1時間だけ。全体的に武器の威力が低く(敵が硬いわけではない)、当てた感触も悪く、敵のひるみも少なく、命中精度による差別化もほとんどされていないので、シューター目的でこのゲームを選択する価値は無いと言い切れる

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◆壁に向かって必死で援護射撃してくれる味方NPC。あまりのありがたさに涙が出てくる