Battlefield V – ストーリーが嫌い(20)

検索すれば詳細が出てくると思うが、ポリティカルコレクトネスやらフェミニズムによって(?)、従来のユーザーを置いてきぼりにしたストーリーとなった本作。私自身ゲームの売り上げが良くなるのであれば、特定の層へ配慮しても良いと考えるが、それは描かれたストーリーの出来がよければの話。はっきり言えば不気味なのだ。開始からリベラル色全開の雰囲気で押し進められると、そこからシームレスで移行するゲームプレイにも悪い影響がでてくる。

つまり、つまらない気分のまま遊ぶゲームはたとえ内容が面白かったとしても気分に引きずられてつまらなく感じるということだ。次回作のBF、いや全ての史実の基にした戦争ゲームは今までの通り、薄いホモソーシャル路線を貫いてほしいと強く感じた。また、どうでもいいことだが、歴史の修正だとか、超々々レアケースに焦点をあてた本作のストーリーが気に入らないという、この感覚自体が白人様の作りまくった超かっこいい(プロパガンダ)映画たちの成果と言えなくもないのがなかなか難しいところでもある。


◆今回のFrostbiteは雪、特に風に乗って飛ぶ吹雪の描画が「あ、今までのゲームと違う!」と即座に気が付くほど、凄まじく進化している


◆爆発も全体的にBF1よりも派手に美しくなった気がする

Battlefield 1 – ミニゲーム付き戦争映画(19)

難易度Normalで一周。五つのある各キャンペーンは動画とゲームの割合が半々といった感じ。史実に基づいたドラマチックな動画を興味深く鑑賞していると、ここからはお前が戦況を良くしてくれといわんばかりにゲームパートへと入れ替わる。この切り替えがとてもシームレスというか、プレイヤーの没入感を損なわせないよう作ってあるのは素直に凄いと思う。個人差はあるかもしれないが、ゲームの難易度が低く設定されていることもあり、ストーリーを楽しみやすくなっている点も高評価。素直に良いキャンペーンだと感じた。

  • 戦車操縦を行いながらの「コンクエスト」トレーニングを完備
  • マルチ対戦でとても重要な「スポット」をステルスゲームで学ばせる工夫
  • 戦車を守る立ち回りも覚えられる


◆BF1の乗馬は操作が非常に簡略化されており、少しの練習でいっぱしのカウボーイとなることができる。戦場の風を感じるのだ


◆ドッグファイトは大好物。こちらも操作が簡略化されていて気軽に撃墜王気分に浸れる。が、しかしいつでもどこでもワンボタンで自己修理(HP回復)可能という激ヌル仕様は、さすがにゲーム性に乏しく、もう少し緊張感を増やして欲しいと思ったり思わなかったり

Men of Valor – 難所以外はそこそこ

本作を一言で言えばVietcong 2(2005)とMedal of Honor: Allied Assault(2002)を足して二で割った物にデスソースを塗りたくったような感じでしょうか。常人よりも辛かったり難しかったりするものが好きな方にはまぁまぁウケそうな出来ですが、逆に甘くフワフワとした美味しい楽しいゲームを求めている人からは「死ね」といったストレートな罵声が聞こえてきそうです。デスなだけにね。はい。

  • GOG版は最新パッチと共にWidescreenもサポート
  • 字幕とEAXが無いのでテンションが下がる
  • ジャングルの表現力が素晴らしく、Unreal Engine 2.0の改造は大成功
  • が、その優れた描画のため戦闘時の視野性を大きく落としているので、良い面と悪い面も
  • 時間制限のある敵の死体漁りを手際よく行ない、如何に体力と弾薬を管理できるかがキモ
  • 被弾した場合視界が揺れるのは当然だが、近くに砲弾が着弾した場合も視界が大きく揺れるので、自身に過失が無くても簡単に死ぬ
  • びっくりするくらい敵の湧き方がクソ。敵の攻撃だけが届くテクスチャバグも多く、密林が特にクソ
  • 開発は自分たちの出すパズルがインパール作戦級にクソなのが理解できていない。解法がとんでもなくクソ
  • 平常時は単に難しめのゲームといった感じだが、開発は黒人主人公をよほど○○○したいのか死んでこいと言わんばかりのクソ命令をガチガチのスクリプトで強制してくるため(妄想)、オートセーブの間隔が長く、クイックセーブの無いシステム上でクソ解法を解くためにクソ戦闘をクソ何十分もクソ繰り返すクソハメにクソがクソでクソクソクソクソクソ

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◆EAXは無いものの、砲撃や環境音には低音が効いていて、視界のぼやけも激しく、臨場感がある。匍匐しないとヤバいと自然に思わせるような作りは非常に良い。ベトナム戦闘ゲームに求めているのはこの泥臭さなのである

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◆ジャングルの描写はFar Cryとは違う方向で最高レベル。視野性は”悪い”とかそんな段階に届いておらず、草木の向こう側から機械が一方的にこちらを見つけて撃ってくる感じで”見えない”という方が近い。無論ゲーム性は皆無だが、当時の雰囲気に近いと思えるので私はプラスと捉えている。ではどうやって銃撃戦を行うのかというと、ここで一番ゲーム臭い部分がでてくるのだが、相手に触れることで黄から赤に色が変わる魔法の照準が存在するのである。これとクリアリングを上手に活用することで、なんとかシューターとして成り立つようになる

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Medal of Honor: Airborne – 難易度Normalで二週目(11)

何も考えずに難易度をHardにしてリプレイし始めたところ、嫌な予感がしたのでNormalに下げてクリアまで。散々言われているかもしれないが、目玉のAirborneシステム(空挺兵)があまり面白さに結びついていない。パラシュート降下する場面は単純に珍しく、空から地面に降りていく爽快さがとても良いのだが、ミッション前のブリーフィングでA.B.C地点のどこかに落ちなさいよと軍事作戦が立てられているわけだから、好きな場所に着地できるシステムとの調和がとれていないようにも思う。アクションシューターとして見れば高所に降り、有利な位置からライフルで敵を減らしていくのが良いのかもしれないが、MoHに戦場体験を求めている私からすれば中途半端にプレイヤーに自由を与えてしまったために、なんだか締まりのない印象だ。

戦闘における体力システムは自動回復とブロック方式の組み合わせになっていて、これは良かった。とりあえず隠れて全回復してから進むといった雑なゲームプレイを防ぎ、ある程度体力管理をしなければいけないからだ。緊張感がある。純粋な戦闘面はかなり酷い。PCに最適されていないマウス周りにもムッとくるが、DOOMかよというくらい敵が大量に押し寄せてくるのがだるい。いや、押し寄せてくる自体は良いが、敵が機械丸出しの超Aimで、それに捌ききる武器がないのが問題なのだ。こちらの銃は一発の威力が低く設定されているため、さくさく敵が倒せず、どうしても人間ではなくサイボーグを相手しているように感じてしまう。これが爽快さと没入感を大きく奪っている。一応は武器成長のシステムが有り、リロード速度が上がったり、スコープやグレネードが付いたりもするが、利便性と継続性ばかりが上がり、単純な威力の増加が無い。威力上昇が無いのはリアルと言えばリアルだが、私はもっと柔らかい敵の方が好きだ。

  • シューター的面白さ ★★☆☆☆ 初回では悪くないと思っていたが
  • システム ★★★☆☆ 良いところも悪いところもある感じ
  • グラフィック ★★★☆☆ UE3と合うような?合わないような?
  • サウンド★★★★☆ ミッション終盤のオーケストラは流石
  • 総合 ★★★☆☆ Airborneという単語にピンとくるならば

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◆爆撃機のため先陣切って対空砲を破壊するのだ

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◆GO!GO!GO!!

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Vietcong 2 – プレイヤーの心が泥沼戦争

シューター及びゲーム的に面白い箇所は無かったが、市街地のベトナム戦争がどのようなものだったかを知る意味ではなかなか良かったように思う。ジャングルばかりであった前作の補完というか、さらに別の角度からもベトナム戦争を続けて描きたかったのは彼らPterodonなりのこだわりなのだろう。この発想自体は良いが、不幸だったのは一番初めに書いた通り、肝心の出来上がったゲームが酷かった点だと思う。

最も悪かったのはやはり味方AIだろう。プレイヤーの目の前で立ち止まり射線に割り込むのは日常で(交戦中に突如銃が撃てなくなる)、それとは逆に後ろに付いた時は援護射撃でもしてくれるのかなと思いきや素知らぬ顔でプレイヤーを撃ち殺してもくれる。また、敵のキャンプを潰そうとグレネードを投げ込めば、その時に限って何故か猪のごとく敵とグレネードに向かって突撃し、爆死してくれる(当然ゲームオーバー判定)。といった具合に仕事を増やしゲームを盛り上げてくれる味方NPCの存在なしにVietcong 2の戦闘は語れない。一応はNPCに指示が出せたり、進行が致命的になる場面も無いため無視できる範囲ではあるのだが、前作があまりにも偉大で楽しく、興奮や泥臭さを送り届けてくれただけにプレイヤーの期待が大きすぎたようにも思う。

  • 真面目にプレイすれば相当難しいが、クイックセーブ可能なので適宜使うのが良い
  • フレームレートがかなり不安定。当時のDriverを使えば多少はマシになるかも
  • EAXが選択できない場合はインストールファイルをHDDにコピーしてからインストール(バグ)
  • ベトナム側のキャンペーンをプレイすると、アメリカ側の有利さがよくわかる
  • ベトナム側のキャンペーンが短すぎる。市街戦を減らしてジャングルを増やして欲しい(本作否定)
  • 撃つ瞬間だけ頭を出す忍耐強くウザったいベトコンAIに比べ、気が短くすぐに体を晒して突撃してくるアメリカ兵AIがKawaii

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◆はたしてFPSにおける居住空間での戦闘は面白く作れるものだろうか?大通りは特にそうなのだが、ドアや窓、ベランダといった通りに面している場所から敵が出現してくると容易に予想できる。が、それ以外にも建物の影(死角)から突如現れる敵に注意しなければいけないし、むろん正面にも気を抜いてはいけない。つまりクリアリング箇所が多すぎるのだ。そこを開発側は分かっているのかいないのか、目立つ場所だから大丈夫だろうってな感じで気楽にRPG兵を配置してくれるが、本作に限らず初見ではとても防ぎにくい。それに狙撃兵も加われば、簡単にやり直しゲーの完成だ。だからと言って、敵の数を減らしたり反応を遅らせたりすれば、それはそれでゲームとして微妙な感じになるだろう。このような不利なシチュエーションは追体験としては有効だが、現実性と娯楽の調和が難しく、私にはどのゲームもこの場面は微妙に感じてしまう

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◆装備が貧弱なベトコン兵はとりあえず奇襲をかけるしかなかったんだろうなぁ

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