RealRTCW – 高難易度が正解か(5)

RealRTCW – Realism Modはその名の通り、Return To Castle Wolfensteinのゲームプレイをリアルに寄せたバランス調整Modだ。既存武器の微調整、AIの挙動、多数の新規モデル、音の定位改善、経験者に向けた各難易度の差別化、などかなり大規模に変更が加えられている。が、今回私が難易度Don’t hurt me(本ModでのNormal)をプレイした限りではVanilla Return To Castle WolfensteinのBring’em on(Normal)との違いを感じられなかった。

全体的に弾が当たりやすくなり、AIの挙動が幾分か素直になったような気がするので、単純に簡単になっているような感じはするのだが、リプレイということを差し引くと安易に断言はできない。とりあえずDon’t hurt meを選択する価値が低いことだけは分かった。バランス調整Modを導入したとはいえ新鮮なゲームプレイというよりかは、どのようなゲームかを思い出すのがリプレイの目的だったので、大きな落胆は無いが多少残念であったというのが素直な感想だ。改造されたゲームエンジン(ioQuake3の派生版ioRTCW)のおかげで音の定位が大きく向上した分だけ、通常のゲームプレイはもちろん、高難易度でのステルスプレイも面白くなっているはずなので、興味があれば往年のファンは試してみてほしい(雑で無責任な締め)。

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◆無音で梯子を登れるというのは古典的でよろしい。プレイヤーをとても気持ちよくさせてくれる

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◆ナチスやオカルトの二大要素に隠れ気味だが、美女も結構な数登場する。おまけのHD Textures Packを導入し、彼女たちをさらに美人にしてあげよう(?)

以下ネタバレありなスクリーンショット集

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L.A. Noire – 楽しさと退屈さが入り混じる

本作はモーションスキャン技術にて役者の表情の取り込みに成功した、極めて優れた表情描画システムを搭載したとのことだったので、てっきり刑事コロンボのように犯人の顔色を伺いながらネチネチと追い詰めていくゲームかと期待していたのだが、実際はポイント・アンド・クリック型のアドヴェンチャーゲーム的な要素が大きく、論理や推理があまり重視されていないように感じた。どちらかと言えば、「こんな感じかな?」といった風に雑に事件を”想像”して詰問していくのが上手くいくというか、最後まで付き合える遊び方のように思う。尋問についてだが、主人公フェルプスの問い詰め方が元々なのか翻訳の問題か、私の推理力不足か、どうも問い詰めの言葉と反証する証拠が噛み合っていない場面があり、なんだかもやもやする。冒頭に述べた表情描画だが、犯人や容疑者を問いただすと、急に彼らの目が泳ぎだしたり、やたら落ち着きが無くなったりと、憧れの刑事ドラマに参加しているように感じられ、とても素晴らしい出来であった。だが、ゲーム性には結びついていそうでいて、その実はあまり結びついていない印象もあり、嬉しさと残念さが入り混じる。

米国版毛利小五郎?

トンチンカンな質問をして犯人をキレさせる、優れた腕っぷしにより容疑者の確保は上手い、迷推理を披露しまくり信頼を落としても視界が暗くなる度に(Loading画面)いつの間にか周囲が優秀な捜査官だと褒め称えてくれるようになる。以上の三点から本作は国民的アニメになりつつある名探偵コナンに登場する『毛利小五郎』を擬似的に体験できるゲームだと考えたい。本作は主人公が極めて優秀な捜査官であるといったシナリオに沿って進行するため、プレイヤーがどんな迷推理で周囲を失笑させても、章をまたぐ度に開発側の都合により推理ミスを犯していない優秀な捜査官へと不自然にリセットされるのである。確かに選択肢別に物語を作るとなると膨大な作業量となり開発がKaroshiするのは目に見えているが、だからと言って常にスーパー捜査官で強引に通すのもプレイヤーを混乱させてしまうだろう。よって日本人限定にはなってしまうものの、Loading画面中に主人公のおっさんが腕時計型麻酔銃を首に撃ち込まれるアニメーションと共に、『”眠りのコール・フェルプス”が事件を大解決!』という一文を表示させれば、極めて自然な形でゲームの設定や進行に疑問を持たなくなるのではないだろうか。

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◆スクリーンショットでは伝わらないかもしれないが、実際のゲーム内で相手の表情や態度を見てみると、すぐさま怪しいというのが分かる。このような肉体的な動きは社会的地位に比例し、上の方にいくほど表情や思惑が読み取りづらくなる

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◆ベンチで新聞を開く尾行シーン。見事なほどコッテコテのベッタベタ

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Bastion – 皆が器用なわけでは

時たま無性にパッドでアクションゲームが遊びたくなるので、積んでいた本作をクリアまで。アクションゲームとしては防御(ガード)が強く、画面を見ていたほうが有利になる調整なので好みであるが、全体を通してやることが変わらないため、やや単調かなといった印象。飽きる前に新しい武器が手に入ったり、既存の武器強化が可能になるため、プレイヤー側に「飽きた!」と明確に思わせないような作りにはなっているものの、基本的に戦闘は”少しだけ”気を引き締めておけば大丈夫といった程度にのんびりとしたものだ。考えていたよりもRPG色が強くアクション色が弱かったので、少し残念。

RPG色が強いということで、ストーリーについて移るが、これはなんだかよくわからなかった。というのも、戦闘中にも話が進んでしまうため、アクションゲームをしながら英語のリスニングなり字幕を読まなければいけないのだ。私は二つのことが同時に行えない不器用な人間なので、目の前の敵をハンマーでぶん殴ったり、火炎放射器で燃やしたりしている時に英語は聞き取れないし、日本語も目に入らないのである。そもそもひどく抽象的な語りかけが多く、投げっぱなしジャーマンなゲーム導入部分から本作の世界そのものに、ほとんど興味をそそられない。そんな状態でストーリーから置いてきぼりにされてしまえば、当然追う気にもなれない。レベリングをしてもっと余裕を持ってプレイしろということだろうか?

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◆幻想的なビジュアルとBGMは高水準で、視覚と聴覚へのアプローチは成功している

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◆後半には攻撃に体力吸収がのるようになり(ドレイン)、火炎放射で体力が回復する夢のシチュエーションが実現する

Zombie Driver HD – いのちだいじに

先日、人を轢き殺す度に得点が加算されるぶっ飛び設定のカルト映画を鑑賞したところ、圧倒的な表現の自由に感銘を受けると共に「僕も轢かなきゃ」といった使命感が沸々と湧いてきたので、Zombie Driver HDのストーリーモードを軽く一週してみました。本当は積んでいるCarmageddon(1997)の方が映画の設定にも近く、ベストではあったのですが、なにしろ今年は暑い。暑すぎる。こうも暑いとゲームの操作やルールを覚えるのが億劫になるので、一度触れ、感触を掴んでいるZombie Driverと同じであろうZombie Driver HDを思い出したわけです。クリアした簡単な感想としては、気軽に、とても気軽にゾンビを轢くことができるので、その手のゲームが好きな人には良いゲームかと思います。一部の人からは理想的な一芸インディーズゲームに見えるでしょう。

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現在Steamストアから無印Zombie Driverは消えており、HDがそれと入れ替わる形になりましたが、変わったのは名前そのままにHigh Definition化したわけではなく(多少は高画質化されているのでしょうが)、画質よりもゲーム設計面が見直されています。特にゾンビが軽くなった点が大きい。私はもちろん、生身の人間を轢いた経験は無いのですが、仮に轢くとなると50kg以上の肉の塊が車体にぶつかるわけですから、かなりの衝撃とともに車は減速してしまいます。この物理演算を真面目にやってしまったのが無印Zombie Driverです。蟻のようなゾンビの群れに突っ込むと、数体を倒した辺りで車が大きく減速してしまい、加速する間もなくゾンビ達に取り囲まれ大ダメージを受けることになります。ざっくり言うと、ゾンビを轢くと不利になります。

私を含めた頭の良くないプレイヤー達は「ゾンビを轢いて気持ちよくなれる」と勝手に思い込んで、トレイラーを注意深く見ず、ゲームを購入したかと思うのですが、実際にそうすると轢けば轢くだけ不利になり、何も面白くないうえゲームのクリアに支障が出ます。後半はそれが顕著で、ゾンビ達が道路の真ん中を我が物顔で練り歩くのを横目に、プレイヤー側は体力を減らさぬよう道路の端をせこせこ運転する展開になり、かなり気分が盛り下がります。この調整自体はリアルで悪くないのですが、それはもっとサバイバル(生き残り)を全面に押したゲームでやればいいわけで、購入者はかなりのミスマッチ感を受けたように推察されます。しかしそれがHDになり、どういうわけか暴力ゲーム大好きっ子が求めているようなものに超変化しました。つまりはゾンビが適度に柔らかく軽くなり、轢いても速度がほとんど落ちず、気軽に好きなように轢ける撃ち殺せる、快楽重視のカーコンバットゲームに生まれ変わったのです。ただ、そのままだと簡単かつ単調な印象を与えてしまうと恐れたのか、バランスをとるように夜間ステージや銃器が使えないステージを挟んだりと、面倒すぎない程度に面倒さを増やしている点がよく出来ています。やはり、多少は苦労した方がゲームは面白いよねといった開発の意思を感じました。

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◆超火力の戦車が操作できるステージはお祭り感があって良い

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◆まとまったゾンビを倒すのが得意な火炎放射武器

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Painkiller Hell & Damnation – ファンの戯言(9)

難易度Nightmareを鼻歌交じりにクリア。大体は気分によって武器を変え、好き勝手に動き回り、調子に乗りすぎてヘルスが50辺りまで下がると、立ち回りを手堅くし持ち直していくといった具合だった。本作を一言で言えばコンソールゲームユーザーへ向けたPainkillerフランチャイズ販促用リメイク作品だ。これ以下の文章はシリーズ経験者に向けたものである。本作はUnrealEngine3による強化されたビジュアルや新しい武器とストーリー、怪しい日本語吹き替えなど、過去作のファンを惹きつける要素が無いこともないが、一度触れてみればやはりPainkiller: Black Editionの方が良いと感じてしまうのではないだろうか。その要因が刷り込みによるものなのか、アクセルジャンプ絡みの挙動のせいか、サイコさや陰鬱さが減った雰囲気のせいか、単純なボリューム不足のせいか、新鮮味の少なさからか…よくは分かたないが、とにかくBlack Editionの方が良いのである(刷り込み)。

Redemption化したか

過去Painkiller Redemptionを”ボーリング”と評したレビューを見事だと思ったが、実はこのHell & Damnationもなかなかのボーリングゲームと化している。なにしろ新武器Soul Catcherのプライマリが貫通性能を持った攻撃で、敵配置もそれを見越したように変更され、無印よりも品のない湧き方なのである。無印同様に立ち回ると、どうも火力不足に陥る場面が出てくるため、敵を直線状に集めてからSoul Catcherで一気に切り裂くのが有効となる。確かに爽快ではあるのだが、これはGrenade LauncherやRocket Launcherの仕事と被りすぎている。倒した敵の魂が出現している時間とMapの構造と自身のアクセルジャンプの技量とを図りながら、上手に無駄なくリズミカルに魂を回収していくのがゲーム性の中核を担っていると考えている私からすれば、本作のボーリング化は劣化と言わざるをえない。

敵を集めてドカーン、まとまった魂を回収し、デーモン化してまた敵を蹴散らしていく流れがはたしてPainkillerである必要があるのか疑問だ。Redemptionは非常識なほど弾薬が制限されているためボーリングしなければいけない状況が発生したのだが(初期Verのみ?)、本作では弾薬が多すぎるうえ「ま、こんなんで喜んでくれるやろ」と気軽に作られた印象が強くて残念である。RedemptionはModのようなものだからこそ一定の理解が可能だが、リメイク作品でこれをやってしまうと、質の悪いバカゲーでしかない。私はメインターゲットであろうコンソールユーザーにも大きな特徴であるStake gunをふんだんに使わせる状況を作っても良かったように思う。今回移植されなかったTown(Chapter2-Level5)はStake gunの偏差撃ちと悪趣味なPainkillerらしさがうまく混じった素晴らしいMapなのだが、ここを収録しロックなBGMと共に死者を次々と杭で壁に貼り付けていく卑しい快感とRe三部作とは違う”本家のPainkillerらしさ”というのものをもっとアピールして欲しかった。

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◆男の子が大好きなロケットランチャーとマシンガンを併せ持つ夢の武器

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◆絵面は良いが、実際の日本語ボイスは外国人が棒読みで破壊的

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